五島市の諮問機関「医療体制ありかた検討委員会」(会長・前田隆浩長崎大離島医療研究所長)はこのほど、市営病院と診療所を大幅に縮減する報告書を市に提出した。これを受け、市は今年度中に市営医療機関の再編計画をまとめる。
同委員会は市内の医師や医療関係者16人で昨年7月に発足。過疎化や医療が充実した五島中央病院の受診者が増えたことで周辺の市営病院や診療所の利用者が減少したため、市の諮問を受けて市営医療機関の再編を検討していた。
報告書によると(1)富江病院(病床数55)は当分、現状維持が適当だが、将来は診療所化を検討(2)奈留病院は来年度から52床を40床に削減(3)市直営、公設民営の7診療所は民営化が適当。久賀、椛島、黄島、嵯峨島の二次離島の診療所と玉之浦診療所は公的運営が必要--など、全体的に現体制を縮減する内容。
五島市の医療環境が急変していることから「医療体制については定期的に検討すべきだ」としている。
毎日新聞 2009年9月11日 地方版