2009.02.12 Thursday
日曜日の報告
JUGEMテーマ:健康
先日の日曜日は、以前お伝えしたように超高濃度ビタミンC点滴療法の研究会が開かれました。そこで僕も講演をすることになっていたので、何を話そうかと思っていました。
もともとは様々な疾患に対して総合的な栄養療法を行っていますので、がんの患者さんへビタミンCの点滴療法を行っていても全身状態を改善させることに重きを置いています。
なんどもこのブログで紹介していますが、がんが進行してくると体力が衰え筋肉が細くなり元気がなくなります。その結果として不幸な転機となることが多いのですが、どんながんでも進行したときに共通に起こることは血液中のタン白質の一種であるアルブミンが減少し、貧血が進行するということです。
がんの転移が見つかり、通常の治療法では対応することが困難な状態になってしまったとき・・・ときに治療の目標は、がん細胞の塊である腫瘍を消してしまうことではなく、どれだけ長期間に、しかも元気で生活する時間を保つことが出来るか・・・ということになります。
治療の目的がそのような元気な生存期間の延長になったとき、どのような検査データが役立つのかということが問題になります。
その指標となる検査データは、CTでの腫瘍の大きさでも、毎回検査される腫瘍マーカーの値でもありません。重要な検査データは、血液中のアルブミンの濃度と、貧血の指標とされるヘモグロビンというタン白質の濃度になります。
このことを理解すると、がんが進行したときに血液中のアルブミンとヘモグロビンが減少することの重大さがお分かりいただけると思います。
新宿のクリニックでは、がんの勢いが増してしまいアルブミンやヘモグロビンが減少し始めるときには、ときにビタミンCの点滴よりもアルブミンを直接点滴して補給したり、積極的に輸血をおこないヘモグロビンを保つように治療方針を変更します。
そしてまたがんの勢いが治まったときに、予定した治療にもどることになります。
全身の栄養状態を示す指標である、アルブミンとヘモグロビンを保つことはがん患者さんの生活のQOLを維持向上させるために必須事項なのです。