元職員による公金詐取事件の発覚をきっかけに千葉県が全庁を対象にして不正経理の有無を調べたところ、すべての部局で不正が見つかり、その総額は03~07年の5年間で約30億円に上ることが7日、明らかになった。このうち、個人による着服が疑われる使途不明金は約1億1000万円だという。
県行政改革推進室によると、不正経理は、調査対象とした▽知事部局▽水道局▽企業庁▽病院局▽県警本部--のすべてで見つかった。不正の手口は、物品納入業者に架空の請求書を出させ、業者の口座へ県費を振り込み、プールしておく「預け」▽業者に随時物品を納入させ、後で別の品物の請求書を出させて支払う「一括払い」--など6種類。
「預け」をめぐってはプールした県費を詐取したとして県農林水産政策課の元副主査ら3人が逮捕、起訴され、うち2人が有罪判決を受けている。【倉田陶子】
毎日新聞 2009年9月8日 東京朝刊