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後継者問題:金永南氏、正雲氏後継説を否定

平壌で共同通信と会見

 北朝鮮の権力序列2位の金永南(キム・ヨンナム)最高人民会議常任委員長は10日、共同通信との会見で、金正日(キム・ジョンイル)総書記の後継者問題について、「革命の伝統を継承する問題は重要だが、このことと後継者問題は関係ない。現時点では論議されていない」と述べた。

 金委員長はこの日、平壌の万寿台議事堂で行われた会見で、金総書記の三男・正雲(ジョンウン)氏が後継者に内定したという報道について、「一部の外国メディアが、わが国の発展と繁栄を阻もうとするための策略として流した情報だと考える。今、わが人民は共和国(北朝鮮)と社会主義を守るため、金総書記を中心として強く団結している」と述べ、後継者が内定したという説を正式に否定した。金委員長はまた、「金総書記は現在も、党・国家・軍のすべてに対する賢明な指導を精力的にこなしている」と語った。

 一方、日朝関係について金委員長は「(日朝)平壌宣言を尊重し、これに基づいて不幸な過去を清算するため、誠実に取り組んでいかなければならない」と述べた。

 日朝平壌宣言とは、2002年9月17日、当時の小泉純一郎首相が平壌を訪問し、▲国交正常化に向けた協議を再開する▲国交正常化後に日本が北朝鮮に対し無償の資金援助や低金利の長期借款を提供する-ことなどに合意したものだ。金委員長はまた、(わが国は)日本当局の不当な敵対政策に反対しているのであり、日本国民は敵ではない。関係改善はあくまでも日本当局の態度に懸かっている」と語った。

 金委員長のこうした発言は、日本の政権交代に合わせ、関係改善に向けた対話を持ち掛けたものと考えられる。北朝鮮と日本は、福田政権下の昨年8月、北朝鮮による日本人ら致被害者の再調査を行うことで合意したものの、翌月に麻生太郎首相が就任して以降は完全に関係が断絶した状態だ。

東京=辛貞録(シン・ジョンロク)特派員

朝鮮日報/朝鮮日報日本語版

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