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きょうのコラム「時鐘」 2009年9月11日
兼六園内の日本(やまと)武尊(たけるのみこと)像を支える石垣の中に、蛇とカエルとナメクジの形をした石がある。民主、社民、国民新の3党連立を見ると、あの石組みを思い出す
蛇が圧倒的に強そうだが、どんな強者にも苦手はあるもので、数の力をそのまま発揮できない。「三すくみ」と言って、3者がにらみ合って動けなくなり、強固な土台になるというわけだ ただし、今回は結束力より、崩れないバランスを優先したのであって、安保外交問題でどこかが動くと「三すくみ」はたちまち崩壊するだろう。カエルもナメクジも我を張ると危うい。その兆候は早くも出始めたように見える 武尊像は古代大和政権の象徴である。明治の西南戦争を機に旧加賀藩が薩長新政府と皇室に接近するため造ったと言われている。戦後の進駐軍GHQには「これは平和のシンボル」と言いくるめて撤去を免れたとの話もある 新政権3党も、目下のところ米国の動向が気になっている。その弱みを自公に突かれて「連立はどだい無理」とこき下ろされた。土台づくりにはうんと苦労すればいい。その汗かき具合が、しばし見ものである。 |