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2009.9.9

「追い詰められた北朝鮮」

 米国が新たに北朝鮮政府機関と2団体に制裁を科すことになった。北朝鮮が「濃縮ウランが完了段階」にあると発表し、米国との対話を模索しているときに制裁強化を打ち出したことにより、米国の対北朝鮮政策が圧力に軸足を置いていることを継続していることを表している。あくまで、米国は北朝鮮の「核保有」は認めず、六者協議への復帰を促す方針である。北朝鮮政府が招請している「ボーズワース北朝鮮特別担当者」も、米国政府の意向で訪朝を簡単に実行に移すことは出来ない。
 韓国では、ダム放流による人災に対する北朝鮮政府の姿勢を批難する声が強まり、この問題が収拾しない限り、現代会長との合意を受けた「金剛山観光事業」を再開するような情勢ではない。したがって、北朝鮮の目論んだ「観光事業による外貨獲得」が困難になった。
 現時点では、北朝鮮の目論みはことごとく失敗しているように見える。この状況が続けば、窮した北朝鮮が鳩山新政権に対してアプローチを開始する時期が早まってくる。その時に、その扱い方を再び間違うと国際社会の顰蹙を買い、拉致被害者全員救出という我が国国民の願いを無にすることになる。ここは、あせらず、慌てずに対北朝鮮政策を練ってもらいたいものだ。
 2002年、田中均氏は、自分の出世レースに加え、国内世論を受けて、北朝鮮との交渉において、目に見える解決を焦ったばかりに、北朝鮮の呼びかけに安易に乗っかり、米国との連携もせずに対北朝鮮交渉を進めてしまった。
 仮に、田中氏を官邸に入れて外交全般において、政策を担当させるとすると、過去の経緯から北朝鮮政策にもかかわる恐れがあり、再び、功をあせって北朝鮮の工作に乗っかってしまう恐れがある。日本の国益ではないところで妥協してきた氏の存在が日本を危うくする可能性すらある
 対話をしなければならないが、日本単独でかけている制裁の解除を条件に、2〜3人の被害者の返還に応じることは危険な賭けになる。
 北朝鮮が困窮している今だからこそ、日本は、「拉致被害者の全員救出」を掲げて「モノ、カネ、ヒト」を完全にとめる全面制裁に踏み切るときだ。
 北朝鮮が何処にも工作を仕掛けることが出来なくなるときに活路を見出せるように、しっかりとした体制を整えることが急務である。
 ここで、笑い話のように「北朝鮮政府が、クリントン元大統領を『アリラン祭』に招待したが固辞されて、アリラン祭に出演する演者も政府も落胆している」という報道が流された。「雪解けムードの演出を狙った北朝鮮首脳陣はもちろんのこと、出番を待ち構えていた4〜5万人もの演者たちも落胆したとのこと。もしクリントン元大統領が観覧していれば、演者らにとっては最高の栄誉となっていた。その機会が奪われたとあっては、疲れで極限状態に達していた演者にとっては大きな打撃となった。朝鮮日報によると、演者らはなんとクリントン元大統領の訪朝一週間前から猛暑のなか、会場で出番を待っていたとのこと。疲れから倒れた者も続出したという。」
 よほど、米国との二国間協議を希っているのだろう。



2009.9.8

「不可解なダム放流」

 6日、北朝鮮のダム放流により韓国サイドのキャンプ行楽客が死亡した。先に、現代会長の訪朝を受けて、開城工業団地職員開放、開城工業団地への出入りの再会と融和的に見せていた北朝鮮政府が、ここで韓国国民の気持ちを逆なでするようなことを意図的にするのかは疑問だ。
 仮に意図的だとすると、そこに北朝鮮政権の緩みが見える。反金正日一派による、国際社会が融和的になり、金正日政権の延命を阻止したいという思惑から、北朝鮮政府の危険性を暴いた?融和的な姿勢に反発する勢力の「宥和政策破壊」の策謀かなどと想像してしまうのだが、そのために人命が失われたことに遺憾の思いをもつ。
 もしくは、本当に「事故」であるとすると、担当者の強制収容所行きが考えられ、担当者の命が失われることになる。
 それにしても、このようなことが繰り返されているのだが、北朝鮮政府が一度も「謝罪」をしていないことが気に食わない。
 事故にしても故意にしても、人名が失われていることに違いはない。まともな国家ならば、いかなる場合にも謝罪をすべきであるが、金剛山での射殺事件といい、今回といい、北朝鮮の謝罪は相変わらず見られない。韓国政府が北朝鮮を刺激しないように制裁措置をとろうとしていないから、北朝鮮は韓国を侮り、このような悲劇を導いたことに思い至るべきだ。
 金剛山での射殺事件の際に、開城工業団地からの財界の引き上げを断行し、北朝鮮へ流れる資金を立ってでも謝罪そのほか保証を取り付けるべきであった。それをしないから、このような事態が出来する。
 このダムの放流に関して、以前、北朝鮮からの脱北者の証言を思い出す。
 金正日体制に危機が訪れた時には、北朝鮮政権にとって極めてまずい「政治犯収容所」の存在や、その収容者達を抹殺するために、ダムを決壊させ、収容所を水の中に秘匿してしまうようになっているという言葉だ。
 今回のダムの放流が何を示しているのか?
 何も意図的なものはなかったのか?
あのような政権が存在するからこそ起こりうる事態であることを知っておくべきであろう。



2009.9.7

「官房長官との面会」

 3日、河村官房長官との面会で、家族会が「民主党政権になっても、中山首相補佐官の起用を要請」という報道が出ているようだが、官房長官との面会の中で、家族会のメンバーの内、1人か2人が「政権が変わっても、中山さんのようなしっかりとした人物が政権中枢に存在していただければいいのだが・・・。」との希望を申し上げたのだが、これは、家族会として正式に要請したものではなく、政権移譲の際の申し入れとして、しっかりとした体制を作って欲しいという思いを申し上げたものと理解している。それだけ、中山恭子補佐官に対する信頼度が高いということで、新政権になっても決して「ぶれない圧力に軸足を置いた政権政策をして欲しい」という気持ちの表れであろう。

 政治の場で、この思いが難しいものであることは承知している。中山さんが自民党の比例代表としてバッジをつけている以上、民主党政権下の政府内で拉致問題に関与できるポストにつけることはありえないが、中山さん同様の考えを持つ人物を望むという気持ちを申し上げたに過ぎない。

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 「田中均氏の官邸入り」という、あってはならない事態を決してやって欲しくない思いから、田中氏とは対極にある中山氏の名前を例に出したものと理解する。
 救う会・家族会では、先週、下記の声明を出している。
_田中均氏の政府登用に強く反対する 家族会・救う会緊急声明
鳩山新政権が田中均・元外務審議官を登用するという情報が流れている。単なる噂であればよい。9月3日に開かれた緊急国民集会に出席した中井洽・民主党拉致対策問題本部長は「絶対ない」と明言された。しかし、噂は絶えない。
いうまでもないが、田中氏は拉致被害者救出を妨害した人物であり、私たちは彼が再び政府に入って外交政策に関与することを絶対に容認できない。
田中氏は平成14年9月の第1次小泉訪朝で北朝鮮が提出した「8人死亡」という資料を裏付け調査なしに受け入れて、家族とマスコミに「亡くなった」と断定的に伝えた。また、同年10月に5人の被害者が帰国した際、「北朝鮮へ戻せ」と主張した。この2点だけでも田中氏が被害者救出をないがしろにして日朝交渉を進めようとしていたことがよくわかる。
私たちは田中氏がどのような形でも政府の中に加わり政策決定に関与することに強く反対する。
平成21年9月4日
北朝鮮による拉致被害者家族連絡会代表 飯塚繁雄
北朝鮮に拉致された日本人を救出するための全国協議会会長 藤野義昭

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日本にとって、拉致問題において間違った処置をすることは、国際社会の日本評価の沈下になることを危惧しているから、敢えて声明という形で提言させていただいた。



2009.9.4

「北朝鮮の姿勢?」

 今日の報道では、「北朝鮮がウラン濃縮の完了段階に入っており、兵器化することも可能!」との書簡を国連安保理の議長国である米国に送ったとある。
 先の米国人女性記者の解放や開城工業団地職員の解放、さらには拿捕した韓国漁船員の解放といい、硬軟の2面性を使い分けている。
 方や、国際社会に対する強硬な姿勢ともう一方は、包容力のある善意ある国家と言う側面を見せて、米国や韓国を揺さぶっている。
 どうしても「核保有国」としての立場を米国や国際社会に認めさせたいという思惑なのだろうが、北朝鮮のこうした政策は間違いであるという事実を北朝鮮政権内部に伝える人間が不在であるということが、独裁国家の危ういところなのだろう。
 ここで、北朝鮮の主張を洗い直していくと、「協議に応じて、話をしてくれるならば、譲歩をする用意があるが、国際社会が制裁でくるのであれば、強硬策を続行するということを示しているのではないか?
 瀬戸際外交のやり方やそのわがまま振りから「わけのわからない政権」という印象だが、実は、北朝鮮金正日政権はわかりやすい政権であることから考えると、私の分析も然程遠くないと思うのだが・・・。
 それだけ、米国との二国間協議を望んでいるということで、その話合いの中で「核保有国というプライド」ではなく、「米国と渡り合っている金正日将軍さま」という構図を北朝鮮内部への引き締めに使いたいという思惑なのかもしれない。それだけ、金正日体制が危機的状況に陥っているということだろう。
 仮に、米国が二国間協議に了承したとして、中国の面子はつぶれることになるのであるが、米国が現在、中国の意向を全く無視するとは思えない。この現状で、「ウラン濃縮型の実験」を行えば、国際社会のさらなる批難を浴びることになるのだろうし、中国ももはや、庇い立ては出来まい。
 それにしても、次々に手を打ってくる北朝鮮に対し、米国をはじめとする交際社会は、北朝鮮の出方に翻弄されているように見えるのだが・・・。
 ここまできたら、北朝鮮の出方を見るだけでなく、国際社会から先に発信する形で、実験後の北朝鮮に科される制裁を提示し、それでも止めないというのであれば、さらなる処置をするというメッセージを送ればよい。
 さらに、国連は国連決議に拘束性をもたらすために、国連決議を否定する政権には、国連からの除籍を含め検討するとのメッセージでも効果があると思う。北朝鮮は国連の補助金や国連の下部組織からの支援を必要としているのだから、これは効果があるかもしれない。



2009.9.3

「どの様に、取り繕おうと・・・。」

 凄まじい話が聞こえてきた。民主党の政策構想の中に、「官邸主導」の政治を目指すというものがある。これも脱官僚ということなのだろうが、その中で、2002年の「第一回小泉訪朝の謀略」に巻き込まれた、いや、画策した元外務審議官・田中均氏を官邸に入れるという構想である。
 これは、民主党政権の中枢にいる国会議員の中に、田中均の北朝鮮ルートを活用しようという考えを持つ人物がいるということなのだろうが、これでは、拉致問題の解決など出来ないに等しい。
 どのように、取り繕おうと田中氏がやってきた北朝鮮外交は、「日朝国交正常化」の前のめりの政策であり、被害者の救出ではなかったことからも伺えるのだが、田中氏が追求したのは「自分益」であり、「国益」ではないことを認識してからにして欲しい。
 2002年9月、午前中に事務方に北朝鮮から渡された13人の安否に関する書面は、B4紙面に帰された名前と、死亡年月日であった。その内容に関しては、安倍官房副長官(当時)に伝えず、その後、数時間経過した時点でも、福田官房長官にも伝えられず、被害者家族に「死亡」・「生存」の北朝鮮の発表を確認することもなく公表したが、そのときでさえ、死亡年月日については秘匿した。
 家族が、「いつ、どこで、どのようにして」という当然の疑問や質問にも一切答えず、あくまで秘匿して、「平壌宣言」への調印を優先させたことは事実だ。そこに、被害者を全員救出するという意思はかけらもなかったと感じる。
 家族会を報道から隔離し、北朝鮮のいう「死亡年月日」も伝えず、家族会が騒ぎ出すことを恐れ、平壌宣言調印優先でやったことは否めまい。
 そのような外交官を官邸に入れて、外交交渉の先兵にするという発想自体が危うい結果を生むことを知るべきだ。
 さらに、田中氏は、10月15日に帰国した5人の被害者を「日朝の友好親善のシンボル」として、北朝鮮へ帰国させようと画策したことは、その後の情報で明らかだ。これは、現在でも批難されるべき事象であることを認識しているのだろうか?
 田中氏は、当時、外務事務次官レースの真っ只中にあり、北朝鮮との国交正常化を優先させ、自身の手柄として昇進の道を切り開く予定だったとしか思えない行動であった。
 どのように、取り繕おうと、彼の頭にすべての拉致被害者の救出より、日朝国交正常化優先があったことは間違いない。
 その彼を、民主党政権が北朝鮮との交渉責任者のような扱いをすることは、被害者家族にとっては最悪の結果を生む。
まして、民主党は「脱官僚」を目指し、消費者庁長官や日銀の総裁に「元官僚」を任ずることに極めて大きな反対意思を示し、官僚制度打破を訴えて総選挙を闘ったのではなかったか?ここで、元外務審議官という官僚中の官僚を政権の中枢にすえるというのは、これまでの民主党の主張とは大きく外れることになる。
 本当に、田中氏を起用することを考えているなら、民主党のこれまでの主張とは違うといわざるを得ない。
国民を欺く行為ではないか?



2009.9.2

「新政権に望む!」

 民主党への政権交代が現実となった今だからこそ、敢えて物申す。
 救う会ニュースでも出ていたが、今回の当選者のほぼ全員が「拉致問題は国家の最優先課題」と答え、6割が全面制裁による「拉致問題解決」に賛成している。
 国民がこの資料をどれほど活用しているかは定かでないが、選挙前に国民に示した候補者の方針である以上、反故にすることは許されない。仮に、反故にするというのであれば、選挙公約など何の意味もないことになり、小泉元首相と同じ穴の狢となる。
 今回の新議員たちには、必ず、選挙公約に等しいアンケート調査への回答を遵守してもらいたい。新政府にも、この国会議員たちの誓約に等しいアンケートの回答に考慮し、拉致被害者の救出の為に、北朝鮮への全面制裁を提案して欲しい。
 米国も韓国も、人質を重要人物の訪朝により取り戻したが、現在のところ、北朝鮮の核放棄の姿勢が見えないことを理由に、安保理決議1874号を遵守する姿勢を崩していない。我が国には、核と同様に重要な「拉致問題」が存在する。拉致と核、さらにミサイルと我が国の安全保障に関する重要事項の問題解決の道筋が見えない限り、北朝鮮への制裁解除をすることは許されないだろう。
 新政府は直ちに「対北朝鮮政策」の骨子を示し、北朝鮮に正しいメッセージを送るべきだ。先に、民主党が「北朝鮮船舶の臨検」に関する法案を自民党案と同じものを提出する予定との報道があったが、次の臨時国会終了後、直ちに、国会を召集し、法案の成立を早めていくべきだ。
 安全保障の問題で、社民党などとの連立構想があるが、社民党に配慮することなく、国民の命に関する事象である以上、追加制裁の実施を優先させてもらいたい。
 今月、16日〜18日の臨時国会での首班指名、その後の組閣と早期に成立させ、国の機能不全状態を解消していくべきだ。
 鳩山代表は、早紀江さんに「体を張って解決する」との約束を必ず守り、金正日との直接対話を実現させ、何の見返りも与えずに人質である被害者を奪還することを願う。それこそが、責任政党として、また、国際社会の一員としての立場を堅持しつつ出来ることである。
 長崎の新議員の当選の際の言葉として、「国が国民を見捨てるような国であってはならない。今までの政権は(社会に)命すら危ぶまれる人がいることに、最後の最後まで気付かなかった。」「どれだけ人の命が尊いものかわからない政治はもうたくさん」といっているが、その中に拉致被害者が含まれていることも認識しているのだろうか?30年以上も放置されている日本国民の命があることにも気づいてもらいたい。
 このような考え方を持つのであるならば、被害者救出のための一大組織である「拉致議連」への参加を考慮して欲しいものだ。



2009.9.1

「俄には信じられないが・・・。」

金総書記、麻生首相の訪朝要請か=3月に日朝非公式接触−韓国TV
【ソウル時事】韓国のニュース専門テレビYTNは1日、北朝鮮の金正日労働党総書記が麻生太郎首相の訪朝を要請したが、4月の弾道ミサイル発射などで実現しなかったと伝えた。外交消息筋の話として報じた。 YTNによると、日朝間の非公式接触が昨年末以降、何度も行われ、3月5日には麻生首相の秘書官が北京のホテルで極秘に北朝鮮労働党作戦部の実務者と接触した。この場で、中山恭子首相補佐官(拉致問題担当)が訪朝して金総書記に拉致問題の解決を促し、その対価に日本が北朝鮮に10億ドル(約930億円)を支援するとの計画が話し合われたとしている。 この報告を受け、金総書記は麻生首相の平壌訪問を要請するよう指示したという。 ------9月1日 12時30分 時事通信
という報道があった。
今年3月に、金正日との面会を経ての問題解決への動きがあったということだが、俄に信じることは出来まい。
 確かに、北朝鮮の交渉開始作戦が進行しているとは思うが、日本へのアプローチは早すぎるのではないか?北朝鮮が米国人ジャーナリストを拘束したのが3月だが、その時期に日本へのアプローチがあったとする報道には疑問詞がつく。
 これまでの北朝鮮のやり方では、3次元的な外交交渉はなく、常にバイの交渉の行き詰まりを受けて、次の国へのアプローチにかかってきたことを考えると、米国との二国間交渉を優先させていた北朝鮮が日本へ交渉を持ちかけることはないと思う。
 しかし、もし、この記事が本当であったのなら、積極的に受け入れても良かったのではないか?
勿論、北朝鮮への制裁解除とか支援とかいう条件があったのであったなら、毅然と金正日との交渉の場において、拉致被害者全員の帰国がない限り、支援は出来ないという日本政府の立場を誇示してのことだが、金正日との対談の場を回避する必要はあるまい。
 外交交渉が、お土産的な「アメ」を事前に用意するというものであるというのであれば、この方法は建設的ではないが、これまでの外交を打破し、事前の成果を約束しない形でも金正日との面会なしに問題解決はありえないのであるから、兎に角、会談を持つという姿勢に徹し、北朝鮮を利する行為はせずに直接対決の場に持っていけないものだろうか?
 次の臨時国会の召集を受けて、首班指名をする際に、自民党は誰に投じるのか困惑しているというが、保守本流を歩もうと結党以来の原点に戻ろうとするならば、自民党の中にその人物がいないのであれば、離党した中にその活路を見出すこともあっては良いのではないか?
 そう、平沼拉致議連会長を中心にもう一度、保守党としての矜持を示して「自民党」の存在意義を明確にしていくほう方法も模索しては如何だろう。
 平沼会長は、金正日との対談の場で、国益を損なわず毅然と話が出来る数少ない国会議員の一人と思う。



2009.8.31

「自民党惨敗!」

 今回の総選挙の結果が出た。これが国民の総意であるということだ。自民党の政治に対する国民の鉄槌は、小さな抵抗にも動じず、確たる意思を持った流れであったということであろう。
残念ながら、長きに渡り、家族会を支えてきていただいた西村真悟前代議士や本当に頼りにしていた中川昭一前代議士も比例での復活もならずに議席を失う結果となった。
昨日のTV朝日の番組の中で、深夜に当選された代議士達がTVに出演し、田原総一郎氏の「クリントン元大統領の訪朝による2人の女性ジャーナリストの解放」や現代会長の訪朝による「韓国人開城工業団地職員の解放」をうけて、北朝鮮の変化を見出し、日本も北朝鮮に対し新たなアプローチをすべき」という意見に同調するかのような流れであったらしい。聞きかじったものであるため、定かではないかもしれないが、「日本は、米国のように強くないのであるから、制裁ではなく違ったアプローチをしていったほうが良い」というものだったと聞く。
私は、このページでも書いてきたが、北朝鮮が米国を怖がってきたという事実は歴然としている。米国が怖いから、2人の人質を当初より「優遇」し、帰国させた後のことも考えていたと感じられた。だからこそ、我が国がすべての拉致被害者を救出するためには、北朝鮮が本当に困るという制裁をかけて、北朝鮮を困らせる必要があると言ってきた。そのためには、「強い日本政府」・「強い日本」にしていってほしいと願った。
北朝鮮に関心をもたれ、良い意味で恐れられる国家の建築が、今後の国際社会で生き抜くために必要なことであるし、それでこそ、国民や国を守っていける国への変換であると信じている。
この拉致問題の解決を中途半端にすることは、国際社会から侮られ、結局はATM機能だけを求められる国になってしまうと思う。
今後、韓国・米国が北朝鮮の期待通りに動いてくれない状況が生じたときに、日本へ接近することも考えられるが、そのときに対応を間違えると国民を再び見捨てることになるということを肝に銘じてもらいたい。
結果がでた以上、自分は民主党に投票していないという無責任な考えではなく。国民が選んだ政権なのだから、国民一人一人がその政策や動向に責任を持っていかなければならない。



2009.8.29

「上に頼らず自力更生せよ!」

 26日の聯合ニュースに、表題の命令が北朝鮮国内で金正日の名前にて出されたという報道があった。それによると「今われわれには足りないものが多く、無いものも少ないが、だからといってそれを他人に頼ることで解決は出来ない」と言って、労働党、人民軍、国家経済機関の幹部に対し、自力更生だけが生きる道だというスローガンを一層高く掲げるように強調したという。
 先の「150日闘争」が終了しようというこの時期に、さらなる苦難を強いるようなスローガンを発しているとすると、よほど、北朝鮮経済が困窮しているということだ。
 それでも「無いものも少ない」と、精一杯の意地を張っているところが哀れであるが、はたして、「150日闘争」の苦難から「自力更生」のスローガンへの移行は、金正日体制がこれまで維持していた軍・党幹部へのプレゼントでの権力集中構造が出来なくなったということであり、今後の北朝鮮情勢の危うさを表していると思う。
 対話で支援を勝ち取ろうとしていることからも、北朝鮮国内の困窮が感じられたが、このスローガンが発せられ、愈々、危うさが増してきたのである。
 しかし、米国は「核廃棄」、韓国は「北朝鮮のさらなる変化の兆し」が見えない限り、二国間協議にも応じないし、北朝鮮への制裁を緩めることはないという立場を示している。
 これでは、北朝鮮の目論見が功を奏すことはなく、北朝鮮の切迫した状況を打破することは出来まい。
 愈々、日本へのアプローチが始まるのではなかろうか?
 北朝鮮はこれまで、米国や韓国との交渉に行き詰ったときに、必ずといっていいほど日本への接近をしてきた歴史がある。北朝鮮への支援を図り、日本を篭絡する手を売ってくる可能性がある。
 といって、わが国が北朝鮮への融和的な姿勢に添加することは許されない。我が国は北朝鮮に拉致された国民の救出を第一条件に、北朝鮮への支援や制裁解除を有効に活用することが必要だ。ここで、融和的に動くことは金正日体制を延命させるだけでなく、北朝鮮人民の苦しみを継続させてしまうし、拉致問題の根本的な解決には至らないからだ。
 はたして、鳩山民主党にこの姿勢を貫くことが出来るかが問われる。
 前原副代表のように「核廃棄優先」という姿勢では、北朝鮮に漬け込まれる隙を与えてしまう。
 それでも、北朝鮮にいる拉致被害者の生活状況もさらに苦しくなっていくことを考えると安穏としていられないのも現状だ。早急な解決が望まれる。



2009.8.26

「アンケート結果に思う!」

 昨日、今回の総選挙に立候補している殆どの候補者へのアンケート結果が出た。詳報は、救う会HP(http://www.sukuukai.jp)を見てもらいたいが、今回の結果で立候補者及びその人物の所属政党の考え方が出ていて興味深い。
 旗幟鮮明になったといえる。この結果だけを見て感じたのは、社民党と共産党は私とは考え方が違うということだ。
 共産党は、問い1に関して、拉致問題は「核・ミサイル・北朝鮮への保障問題」と包括的な解決を目指すうえで重要課題と言う。イラクの人質事件では、何にもまして「人質の生命」を重視し、人質解放を第一としていたが、北朝鮮の拉致被害者人質事件では、人命第一とは考えていない。北朝鮮への補償問題と同列に扱い、被害者救出は後回しでよいという感じですらある。共産党は、この私の見解を否定すると思うが、被害者家族としては、どうしても謝罪優先で被害者の救出はそれからであるというように聞こえる。これでは、いかなる政策を挙げようと共産党に賛同は出来ない。
 社民党は、問い3の回答で、党としての旗幟を鮮明にさせた。
 「拉致問題の解決なくして北朝鮮との国交正常化はありえない」という設問に、2、いいえと解答している方が50%、3.その他と回答したのが32.1%、あわせて82.1%が、国交正常化優先との回答である。あえて、善意に解釈すると、国交正常化の交渉の過程で「拉致問題の解決」を図るという回答(その他)であると解釈できるが、注釈なしに「いいえ」とだけ答えている候補者が50%いることは、正常化交渉ありきの姿勢と感じる。
 2006年の六者協議の分科会の日朝実務者協議で、1.核・ミサイル問題、2、人道問題、3、国交正常化問題と3つに分科して交渉するという提示に関して、人道問題の交渉に応じようとしなかった。つまり、国交正常化の交渉と同時に拉致問題を話し合う方法についても応じてこなかったことを知るならば、いいえという回答は出来ないのではないか?
 庶民の味方を力強く言い続けている両党が、被害者救出よりも優先するものがあるということだ。彼らの言う庶民には「拉致被害者」は入っていないということらしい。日本国民よりも北朝鮮人民(しかも、人民を苦しめている金正日を示す)の利益優先としか思えない。
 昨日の記者会見で言った事が、報道されていないようなので、もう一度書いておきたい。私は、アンケート結果を受けて、立候補者の被害者家族との思いに乖離を感じる。これは、国交正常化優先の社民・共産の両党だけでなく、感覚的なものであるが、一部の候補者を除き、今回の選挙戦で「拉致被害者の救出」が急務であると訴える候補者がいないことから感じるものだ。
 無回答の候補者がいるのだが、事務所の連絡場所がなく、アンケート用紙を送れなかった方を除いて、無回答というのは如何なものだろうか?
 国政を担う代議士を選択する選挙である。少なくとも有権者に選択肢を示すアンケートには答えるのが筋ではないか?それさえも出来ずに、有権者に一票を入れろというのはおかしい。
 投票には、いま少し時間がある。この結果を見て投票する際の判断にしてもらいたい。
 家族会は党派を超えて、早期に拉致被害者を救出するのが国会議員であるとの思いから、党ではなく、個人を見て投票して欲しいと訴える。



2009.8.25

「宥和の兆しか?謀略か?」

 北朝鮮が「2人の米国人女性記者の解放」、「開城工業団地職員の開放」、さらに、「金大中元大統領の死去に伴う弔問団派遣や李韓国大統領との面会」等、交渉の場に出て行くという姿勢を見せている。矢継ぎ早の行動に、北朝鮮の意向が判断しにくい状況である。
 今回、米国北朝鮮政策担当のボスワース特別代表の招請と揺さぶりをかけてきたが、はっきり認識しなければならないことは、「北朝鮮が現在に至っても『核放棄』を明確にしていないこと」・「六者協議への復帰を明確にしていないこと」である。
 北朝鮮の狙いは、あくまで「核保有国」としての立場を確立することであり、米国との二国間協議での打開を図ること(経済的な困窮からの)であることは変更していないと思う。そのような中で、米国高官を呼び寄せて、北朝鮮の主張をあくまでも繰り返すのではないか?もしくは、これまでと同様に、「核放棄のジェスチャー」を見せながら、実利を狙っていることも考えられる。
 相手は、まともな相手ではないということを念頭に交渉や話合いをしなければならない。
今日の報道では、「南北赤十字社の会談」を通知し、離散家族再開に関する協議を開始するようである。「赤十字」という名前を聞くと、普通の国に暮らす良い人たちは、「赤十字社」は政府とは違う立場で、人民の暮らしを保護し、命を大切に考える独立法人と考えがちだが、北朝鮮赤十字社は「北朝鮮労働党」の下部組織であり、謀略機関であることを認識しておかなければならない。「命」を大切に考える機関でないということは、北朝鮮国内における「人権侵害」や「強制収容所」の問題に関して、彼らが物を言える立場かというと、そうではなく、北朝鮮・金正日体制に物を言っていけるような機関ではないことで明確だ。
 北朝鮮政府の意向通りに動いている団体であることを認識した上で、その動向を見る必要がある。今回の「離散家族再開」に関しても、北朝鮮政府の意向が働いていることを見ていかなければ、単純に「家族再会」という表面上の出来事だけでは判断できない。
 私は、懐疑的に物を考える人間ではなかったが、こと「北朝鮮」というと何でも懐疑的に見ていく必要を感じながら被害者救出運動をやってきた。そのなかで、北朝鮮の卑劣な行為や姑息なやり方を見てきたつもりである。常に警戒しながら、北朝鮮との交渉をすべきと考える。
 そこから考えると一連の北朝鮮の変化は、やはり、謀略の一環と捉えていかねばならないのだろう。問題は、北朝鮮が「核の放棄」・「人権問題の改善」に動き出しているのかどうかを見極めることである。
 笑い話だが、北朝鮮が先の韓国人職員の拘束期間の滞在費を要求してきたという。勝手に拘束しておいて、その滞在費用(しかも一日1万円相当)を要求してくるとは呆れてモノも言えないが、米国に対しても「2人の女性記者の滞在費」を要求しているのだろうか?韓国人の場合「150万円」というから、これも「150日闘争」の一環かもしれないが・・・。



2009.8.21

「違うと思う!」

 FNNのニュースで、昨年9月、北朝鮮が拉致問題の証左を開始するために準備していたが、福田総理の辞任を受けて、調査の先延ばしを表明したとの報道があったが、確かに北朝鮮が調査委員会の立ち上げを考えていたのかもしれないが、先延ばしにしたのは、偏に金正日の病気が原因であろうと思う。
 金正日が脳梗塞で倒れたのは、8月14日、日朝実務者協議での約束がなされたのは、8月12日である。北朝鮮が日本政府の厳しい対応と「制裁解除」というアメに促されての約束であったと思うが、金正日が倒れてしまっていかなる判断も早急には出来ないという事情から、日本の政局の混迷を理由に調査の先延ばしに転じたというのが私の感想だ。
 金正日体制は、紛れもなく「独裁体制」であり、これまで金正日の裁断なしには何も動いていない。調査員会を立ち上げた以上、2〜3ヶ月で結果を出さねばならない。しかし、金正日が倒れ、その回復が何時になるのか判断がつかずに先延ばしするしかなかっという事だろう。それを福田政権の不安定を理由にしたのは、何につけ、人のせいにして自分の正当性を主張する北朝鮮政府の常套手段だ。
 福田元総理が、拉致解決に並々ならぬ意思を持っていたということは関係者の話で間違いないだろうが、北朝鮮の事情で解決に至らなかった。
 しかし、このルートが麻生政権に引き継がれることはなかったという事が事実ならば、我が国の外交には一貫性がないということを証明している。
 一貫性がないから、侮られ、軽視される。
 自民党政権の中でさえ継続性がないとすると、政権交代された場合、これまでの対北朝鮮政策が大きく舵を切られることが考えられる。
 それでは、一からの出直しとなり、また被害者救出が遅れてしまう。
 一連の人質解放で明白になったことは、金正日と直接会談できる人物の登場しかないことが伺える。金正日の独裁であるから、金正日が認めない限り解決しないと言うことだ。
 我が国で、金正日と直接会見できるのは誰かということなのだが、それは、日本国首相しかないというのが現状ではないか?
 前2回の小泉訪朝により、被害者5人が帰国し、その家族が帰国した。次の訪朝では再び、現職の総理の訪朝しかないということなのだろうが、面子を重要と考える我が国総理は、何の成果も得られない訪朝はしないだろうから、事前の準備を繰り返す。そうこうしている内に北朝鮮の幻惑戦術に嵌ってしまう。
 小泉氏の訪朝で、小泉氏に北朝鮮による拉致を全面解決するという強い意志がなかったが故に、北朝鮮の戦術に嵌ってしまった。
 北朝鮮との対峙では生半可な覚悟では、問題解決につながらないことはいうまでもない。
一国会議員の訪朝で、解決できる問題ではない。
 だからこそ、現職の総理の訪朝前に、北朝鮮に拉致被害者の解放を決意させるだけの圧力を必要とする。



2009.8.19

「金大中元大統領死す」

 韓国の元大統領・金大中氏が死去した。85歳だったという。金大中氏の評価に関しては、左派・右派によって論評が分かれるところだ。
 2000年、南北首脳会談を実現させ、自身はノーベル平和賞を受賞、朝鮮半島の平和に貢献したということであったが、右派から見れば、ただ、北朝鮮への支援を続けて北朝鮮の民主化を遅らせた主犯であるという評価である。
 拉致問題に関して言えば、首脳会談後の2001年、シン・ガンスを含む韓国国内にいた非転向長期囚を北朝鮮へ送り返したことで、日本人拉致に関する情報が取れなくなってしまったという点で、大きな損害を被った形となった。しかも、当初の返還者の中には、シン・ガンスは含まれていなかったにもかかわらず、金大中氏の命令で、シン・ガンスを送り返してしまったということで、拉致問題を重視する我が国に対する配慮がなかったということであり、金正日の悪行をしばらくの間、隠蔽することにつながった。
 その後、盧 武鉉政権へと続いた左派政権の為に、北朝鮮による拉致事件の解明が頓挫されることになったのは残念である。
 この春、実行された「金賢姫氏」との面会も二代に及ぶ「親北朝鮮政権」の為に長らく実施されなかったことを思えば、金大中・盧 武鉉政権の10年間は暗黒の時代であったと思う。
 金大中氏は、政界引退後も隠然たる力を固持し、李明博政権の対北朝鮮政策を批判し、融和的な路線を推奨してきた。これは、金正日にとっても大きな力となったことはいうまでもない。その点からすると「制裁」という圧力を必要とする「拉致問題の解決」には障害となったことは否めない。
 韓国国内では、先の盧 武鉉前大統領、金大中元大統領に対する「哀悼の言葉」があふれ、神格化される懸念がある。
 現代グループの玄貞恩(ヒョン・ジョンウン)会長が10日午後訪朝し、開城工業団地職員の開放を果たしたことで、北朝鮮の政策転換が言われ始めて、李大統領の対北朝鮮政策の転換を迫る声が広がる恐れが出てくる。
 クリントン元米国大統領の訪朝により解放された2人の女性と今回の韓国職員の開放を受けて、今後、李大統領の強硬な姿勢が問われ、再び、金正日政権が君臨する独裁社会に対する批判が封じられ、北朝鮮の民主化が進まなくなる恐れさえ出始めている。
 表面的な出来事で、金正日政権の本質的な人権侵害や非人道的な行為に目をつぶり、北朝鮮への支援再開や宥和路線を求める声が広がると、李明博政権の運営に異常をきたすことになる。
 金大中氏の死は、金正日にとっては大きな損失となってはいるが、李政権にとっても大きな問題を抱えることにつながるのではないだろうか?



2009.8.14

「31年を過ぎ・・・。」

 8月12日、姉・るみ子が拉致されて31年が過ぎてしまった。今年も、鹿児島県警による「吹上浜」での情報収集のためのセレモニーが行われた。
 「セレモニー」と敢えて言うのは、31年たって新たな情報が出てくるとは思えない中で、吹上浜での情報収集が何処まで有効な手段なのかは不透明であるからだ。
 それでも、鹿児島県内において「拉致被害者の存在」が忘れ去られないように家族は参加する。私たちがその場に立ち会うことで、多くのメディアに取材を受け放送されるからだ。メディアも家族会の動きに対して報道したいと言う姿勢が垣間見える。動いていないときには記事にしにくいというのが現状だろう。だからこそ、私は無駄と知りつつ、参加し、声を出して訴える。
 現在、拉致問題の風化がいわれるようになったが、私自身は全国各地を回っていて「風化」という反応は感じられない。いや、寧ろ被害者を救出できない政府に対する批判は増加しているように感じる。
 勿論、集会や署名に対する反応は鈍くなってきていることは否めないが、北朝鮮報道があるたび(例えば、クリントン元大統領の訪朝とか、北朝鮮の核実験とか)に、家族の声を聞きに出向いてくれる国民は増える。何か事があれば必ず関心を持ち、どのようになっているのかを聞きたいと言う国民が多く存在するということだろう。
 北朝鮮が拘束した「2人の米国女性ジャーナリスト」と「韓国の開城工業団地職員」が解放され、彼らへの北朝鮮の待遇が明らかになっているが、どちらも、北朝鮮政府による手厚い扱いが伺える。これは、以前、日本の「富士山丸」船員の取り扱いとは多少異なるようだ。二人のジャーナリストに関しては解放まで「ホテル滞在であり、食事に関しても不味いとはいえ、三食出されていた」ようだし、開城職員も「旅館住まいで、食事に関しても問題なかった」と聞く。
 これは、北朝鮮があらかじめ早期に開放するつもりで拘束を続けていたということに他ならない。人質が帰国後、待遇に関して不満を述べられると「非人道的行為」が大きく取上げられて、国際社会の反発を生んでしまうことを考えてのことだ。用意周到に計画された拘束であったことが伺える。
 核実験やミサイル発射実験で国際社会の批判を浴びている現在、北朝鮮が「良い国」であるという印象を与えるための計画的な「人質作戦」であったことが理解できる。
 ここにきて、北朝鮮政府の軟化を語る評論家もいるが、人質の待遇一つを見ても北朝鮮の謀略が伺えるのに、「軟化」という報道で北朝鮮を見誤るようなことは許されまい。
 31年と言う長い期間、何の罪もない無辜の日本人が拘束され、開放されていない事実をもっと考える必要があるのではないか?
 31年、多くの時間が過ぎても開放されない姉達にどのような言い訳を我が国政府は言うのだろう?



2009.8.10

「30秒の入境」

 CNNのインタヴューにローラ・リンさんの話として、「きわめて短い時間ながら、北朝鮮領内に立ち入った」事を認めたらしいが、「極めて短い時間」が30秒となると、北朝鮮政府の意図的な拘束が浮かび上がる。時を同じくして、サーチナが「金正雲氏の功績!?」として、今回の女性ジャーナリスト拘束による結果としての「クリントン元米国大統領が北朝鮮政府に謝罪」を次期後継者と見られる金正雲氏の「智略のもとに、行われたものである」事を国家保衛部が宣伝していると伝えている。
 もし、これが事実であるならば、二人の北朝鮮入境も仕組まれたものであることを告白していることになる。北朝鮮政府が、二人の動向を監視し、「意図的でない入境」を機に、二人を拘束し、交渉の具として、米国を貶めるためになしたことになる。この一点でもテロ行為といえるのであるが、北朝鮮政府がこの事実を公に認めた格好になる。
 このような謀略を米国が看過するようなら、米国の底も見えてくる。勿論、米国政府は、二人のジャーナリストを救出するために最大限の方策を模索していたであろう事は難(かた)くない。しかし、その中で一番穏健な方法を選択したに過ぎないが、それが北朝鮮の謀略であったとすると、米国の誇りは無下にされたということであり、大きな禍根を残すことになる。ここまで、バカにされても北朝鮮の言うことを聞く必要はなく、北朝鮮との密約もなかったということもありうる。
 北朝鮮が、金正雲のカリスマ性を高めるためだけに、クリントン元大統領の招聘を求め、人民に将軍様の前で謝罪させることにより、北朝鮮内部の引き締めと政権の禅譲を進めたいという考え方からのものであるとすると、密約説は消えるのだが、然程、素直な政権でないだけに同盟国の中に疑心暗鬼が生まれることはありうるだろう。狡猾な北朝鮮がそこまで計算している可能性はある。
 どちらにしても、北朝鮮の2人の拘束に関しては、謀略の匂いが出ている。そして、その首謀者が「金正雲」となると、金正雲にテロを策謀した張本人というレッテルが貼られることになる。これは、北朝鮮の意図したことなのかどうかは、北朝鮮政権の崩壊後に明らかになる。しかし、この政権に対して、まともな対話が通じると考える人たちはどのような神経をしているのか、疑いを持ってしまう。



2009.8.6

「BPO審理入り!」

 兼ねてより、家族会・救う会連名でBPOに対して申立てをていた「TV朝日・朝まで生テレビでの田原氏発言」について、BPOが審理入りする旨、報告があった。
 有本夫妻の「田原氏相手の裁判」での係争もあり、BPOとして審理入りされるかが心配になったが、今回の決定で安堵した。
 すでに報道等で周知と思われるが、4月24日の「朝生」での田原氏の発言について、家族会としては、「被害者救出」のための阻害用件となり、また、何の根拠もなく一方的に公共の電波で「死亡」を印象付ける発言がなされたことに対し、遺憾であり、心痛であったが、BPOを通じて公共の電波での発言として、「被害者の人権」を侵害する発言に対してどのような判断がなされるかをみたい。
 今後、時間的にどの程度の審議期間が必要かは不明であるが、審理開始が決定したことに謝意を表し、適切な判断をお願いする。
 話は変わるが、クリントン元大統領が訪朝の際に、晩餐会での席上、「日本人・韓国人拉致問題の進展がなされれば、北朝鮮にとってもよい結果を生み出す」との提言をしていたということだが、それに対する北朝鮮の反応はなかったということだ。
 兎に角、金正日に直接「日本人と韓国人拉致問題に関して、米国が関心を持っている」ということを認識させることが出来て良かったのではないか。
 これまで、金正日に対して日本政府の懸念が報告されているかどうかさえ不明だったが、これで確実に金正日に「拉致問題」が重要な案件になっていることが伝わった。今後、北朝鮮がどのような対応をするかは不透明であるが、拉致問題が国際的な問題になったことを認識したと思う。
 我が国政府には、これを踏まえて直ちに北朝鮮政府へのアプローチを考えてもらいたい。家族会・救う会は話合いを拒否しているわけではない。最終的には日朝間の協議は必要であろうし、しなければ問題解決にならないと思っているが、現在のままでの協議では何も生まれないことを承知しているし、親北朝鮮派の人たちがいう「話合い」では、危険な匂いを感じるために、政府として正式な話合いを持つべきと考える。
 その際に、我が国が必要な情報を持ち、北朝鮮のウソを論破するだけのものを所持する必要があると考える。
 拉致問題の解決に時間をかけた話し合いを何年も続けることは許されないから、1,2回の協議で解決を見るためには、日本政府の確かな覚悟と尽力が必要だろうし、北朝鮮に被害者を解放する必要性をイヤと言うほど認識させることが肝要だ。
 北朝鮮の今後の発展には、我が国の支援策が絶対条件になること、拉致被害者の解放がなければ、我が国からは一切の支援を受けられないことを中国・米国・韓国に対しても明言していくことが、北朝鮮を追い詰める圧力となる。
 選挙で忙しい国会議員だが、政府は機能し続けなくてはならない。官僚は選挙に関係なく、いろいろな方法を模索し、早期に動けるようにしていかなくては今年中の解決に結びつかない。



2009.8.5

「北朝鮮はよほど米国が怖いのだろう」

 今回のクリントン元大統領の訪朝で、女性記者2人が無事帰国出来たことを喜びたい。
 北朝鮮への不法入境の罪とはいえ、労働教化12年の刑は、米国育ちの女性には、死を意味するものであったから、北朝鮮の特赦と言う形であろうと、早期に解決を見たことはよかったと思う。仮に、北朝鮮が特赦という英断をしなかった場合にも米国は武力を持ってでも取り返していたであろう事はいうまでもないが。
 米国の公報に限っていえば、米国は今回の特赦に対する「見返りはない」ということだが、これまでの北朝鮮の外交姿勢から、何の見返りもないということは、俄かには信じられない。
 しかし、中国との関係を重要視する米国が中国の面子を潰すような手法をとるとは思えず、何らかの密約(中国・米国・北朝鮮での)の上でのものであろう。
 2人の女性記者が北朝鮮に拘束されてから5ヶ月、この間、北朝鮮は米国に振り向いて欲しいということから、「ミサイル発射」・「核実験」と続けて、国際社会の厳しい姿勢を誘発することになり、米国新政権も「対話」だけでは解決できないという思いから、国連安保理決議を採決させ、本気で「金融制裁」の実効性を模索してきた。
 この制裁は、中国を巻き込む強烈なインパクトのある圧力であった。
 バンコデルタアジア銀行への金融制裁に懲りている北朝鮮にとっては、再度の金融制裁は現在の北朝鮮体制の崩壊につながると感じて、必死で米国の金融制裁を止まらせる方策を模索してきた。ある時はミサイル発射で、ある時は核実験でと、これまでの北朝鮮の瀬戸際外交での打開を目論んだのだが、米国がこの脅しに屈せず、さらなる制裁強化をする姿勢を見せることによって、北朝鮮の方向転換を図らざるを得ないところまで追い詰めた。
 これが、現実だ。 北朝鮮が如何に「圧力」に弱い体質であるかを露呈させている。専門家の中には、「米国の元大統領を引き出すことに成功して、外交的な成果を挙げた北朝鮮の勝利」と分析する人もいるが、実際には、米国の圧力に屈した北朝鮮政権の姿を露呈したと思う。
 この現象を、我が国も真剣に分析し、実行していくことで、拉致問題の解決を図っていかねばならない。即ち、北朝鮮が困ってしまうところまで圧力をかけることで、北朝鮮の政策を変更させるということだ。現在、北朝鮮は拉致問題解決のためのアクションを起こそうとしていない。それは、北朝鮮に「日本はこれ以上の厳しい対応をとらない」という安心感を与えてしまった結果だ。
 これでは、何時までたっても問題の本質的な解決に至ることは出来ない。日本を恐れさせる制裁を日本独自で模索していかなければ、日本を向かせることは出来まい。
 河野元衆議院議長が「『ムチ』一辺倒で数年やってきて、何か変化があったか?『アメとムチ』でなければ駄目だ」といって、対話路線重視の姿勢を示したというが、2000年に貴方が示した『アメ』で北朝鮮が心を入れ替えてきたというのか?当時、北朝鮮が言っていたのは「拉致被害者も行方不明者も存在しない」ということだけだ。何年も「宥和政策」を続けていった結果が、北朝鮮の明確な拒否の姿勢を引き出し、日本を侮る考えを生んだのではないか?
 拉致も人質外交の一種であると考えれば、米国に出来て我が国に出来ないというのでは、嘆かわしい現象ではないか?
 今後、韓国の開城工業団地職員の抑留問題を解決できない韓国政府への韓国国民の批判が噴出す恐れがあるが、共に、国民を取り戻せない弱い国家として嘆きたい。



2009.8.4

「ビル・クリントン下大統領登場」

 ついに、ビル・クリントン元大統領が登場した。二人の女性ジャーナリストの解放を求めるためということだ。
以前は、ゴア元副大統領の訪朝の可能性を報じていたのだが、北朝鮮サイドの了解が得られなかったということで、元大統領の訪朝になったという。この時点では、北朝鮮サイドの勝利といえるだろう。仮にも米国の元大統領の訪朝であり、現米国国務長官の夫である。北朝鮮の望む二国間交渉の形と見ることが出来る。
1994年、ジミー・カーター元大統領が、一触即発の状況の中で訪朝し、北朝鮮の核開発を凍結させるために、「2機の軽水炉の提供」と「年間50万トンの重油の提供」を与えたことがダブって見えるが、今回、果たしてあの時と同様の「アメ」を北朝鮮が勝ち得るかどうかは判らない。現在、中国の台頭が著しく、米国としても二国間協議での解決を促進させることは、中国に対して面子をつぶすことになるために出来ない。
 当然、六者協議への復帰を求めることになるだろう。
 しかし、先の米中協議の最中に話された「北朝鮮問題」の席上、中国の面子を立てる上で、北朝鮮との交渉を運ぼうという密約がなかったとは言い切れない。つまり、北朝鮮が六者協議の場に出てきて、形だけでも六者協議の場において「核問題の解決」を進めると言う形をとらせることで、中国の面子を立て、裏では、二国間で合意が決定しているという構図だ。
北朝鮮への制裁に関して消極的な中国としても、六者協議の議長国の面子さえ保ってもられえば、二国間の合意に関しては黙認し、表面上は中国が汗をかいて解決したという構図になることを拒否する必要もない。もしろ、歓迎する方向だろう。
ここで、米国が核問題優先で、拉致問題を棚上げにすることもありうる。これまでのオバマ政権の言動やクリントン国務長官の発言の陰には、対話から生まれる緊張緩和を模索していると思われるからだ。北朝鮮さえ、核開発を放棄する姿勢を見せればいいのだから。
実際、日本政府の次の政権と目される民主党の副代表・前原氏は、日本は『拉致に固執しすぎて、核問題解決の障害になっている』と米国新政権と韓国新政権に伝えているのだから、日本の反発は受けないと思っているはずである。
だからこそ、今、我が国としては「六者協議」での話合いの中において、拉致問題の解決なくして一切の支援はないという立場を明確に再度強調していかなければならない。
そして、北朝鮮の核問題で妥協できないことは、核爆弾を何処に保存しているのか?何発製造してきたのかを、検証できる形で明らかにさせること。そして、不可逆的な形での核放棄を検証できる形をとることだ。
北朝鮮が核を放棄することなどありえない。この前提を認識しながら、交渉を続けていかなければ、再び、北朝鮮に騙されてしまう。
日本は、米朝の急接近に慌てることなく、泰然と自国の立場を強く発信していかなければならない。



2009.8.3

「よく心変わりされる方だ!」

 自民党の衆議院議員であった平沢さんが、ブルーリボンバッジを外された。おそらく決意の行動であろう。
 平沢さんは、かつて「拉致議連」事務局長として多大なご尽力をいただき、私たち家族会のサポートをしていただいた。それに関しては大きな感謝を申し上げたいと思う。
 が、2004年末、西岡救う会会長代行と一緒に、当時の北朝鮮の日本担当のソン・イルホ氏とチョンテファ大使と面談してから怪しくなった。その際に、ソン・イルホ氏などと数分間の秘密会議を持った。以降、ソン・イルホの携帯を知り、個人的に連絡できる方法を得た。(と、本人が言われていたのでそうなのだろう。)それ以降、ソンとの個人的なつながりの中で得た情報から、「拉致被害者は皆、死んでいる」といい始めた。この事実は、ある筋から得た情報だったが、読売新聞主催の懇談会(オフレコ)の席上、リップサービスなのか、口が滑ったのか、確かに「拉致被害者は死んでいる」と言っていた。(後に、読売社内で問題にして、犯人探しが始まったと言うが、私たちは新聞社からではなく、ある国会議員サイドから得た情報だった)
 これを受けて、名指しで死亡とされた「松木薫さん」の実弟や実の姉・斉藤さんを交えての話合いが行われ、また、救う会と私・家族会事務局次長(当時)との話合いが持たれ、そのような発言があったのかという質問に、明確に否定され、「今後は、誤解を受ける話はしない」と言って、「ソンとの秘密交渉はしない、事前に相談しながらやっていく」事を約束された。
 しかし、その約束をされた次の日に、山崎拓氏と共に大連への会談に、相談もなしに出かけられた。そして、山拓派に入られた。なぜ、山拓派なのかは定かではないが、家族会・救う会とは一線を画す山拓氏の会派への入会は、そこに意図的なものを感じざるを得なかった。
 以降、平沢氏も家族会・救う会と徐々に距離を置くようになり、会話をすることもなくなった。しかし、それ以降も、つい先日までは、(TVで見る限り)ブルーリボンバッジを付け、自民党拉致特命委員会にも出席されていたことを確認している。
 その平沢氏が、一月になるか、TV出演時のその背広から、ブルーリボンバッジが外されるようになった。長く、救う会と不協和音の続いた氏であるから、何年も前に外されても不思議ではなかったのに、ここに来て意を決された理由は何なのだろうか?
 ま、如何でもよいことだ。
 平沢氏の「死亡説」も、田原氏の「死亡説」も、ソン・イルホとの会談後にはじめたと思われるが、その根拠を糺しても、根拠を示さず、ただ、死んでいると言うことだけを口にしている。ソン・イルホとの話の中で、どの話が彼らを納得させてしまったのかはわからないが、平沢氏が先の懇談会で言っていたことは、「処刑説」である。「墓も骨もないというのは、大量に虐殺された人間の骨など残っていない」というもののようだが、もし、本当にそのような話があったのであるなら、そのときに、そのような酷い話に対して、怒りを突きつけ、糾弾してしかるべきだ。
 ところが、彼らのとっている行動は、「死んでしまったからしょうがない。後は、早く『拉致問題を終わらせて、国交正常化に進むべき』」という北朝鮮政府の言っている通りの行動を取っていることが信じられない。
 本気で、騙そうとしている「真面目な詐欺師・ソン・イルホ」の発言を信じて、根拠のない「死亡説」を繰り広げる彼らの、拉致問題解決への心底が垣間見える気がする。



2009.7.30

「新たな拉致!」

 韓国の漁船が北朝鮮の警備艇に拿捕されたという。GPSの不具合ということだが、これまで北朝鮮は、韓国漁船を拿捕、そのまま、北朝鮮国内に曳航して、乗組員を抑留し続けているケースが相次ぎ、未だに帰国できない船員を含め、韓国戦争後の韓国人拉致被害者の総数は、500人ほどになる。
 今回の船員も新たな拉致被害者としての登録となるのか?
 これまで、韓国人拉致被害者であった脱北者の証言では、韓国人漁船員の中でスパイ活動に適すると判断された人物は、スパイ活動に従事させられたケースもある。
 さすがに今回の拿捕による犠牲者をスパイとして従事させることはないと思うが、米国人ジャーナリストと違い、その待遇には格段の差が生じる。
 屈強な漁船員といえども、北朝鮮の過酷な環境の下に重労働をさせられることは、耐えられるかどうか、定かではない。
 先の、開城工業団地の職員の拘束問題も解決できないでいる現状で、新たな漁船員の拿捕問題では、韓国・李明博大統領も頭の痛いことだろう。
 しかし、このまま放置することは出来ないのではなかろうか?
 米国の軍事的同盟国である韓国国民が次々に拉致されている現実に、米国が如何対応するつもりなのか?
 米国人ジャーナリストの拉致もそうであるが、北朝鮮の強硬姿勢が窺える。一方で、米国との二国間対話を切望しているのだから、相変わらず理解不能な政権だ。
 どちらにせよ、これ以上の非道を続けさせることは出来まい。
 国連の藩基文事務総長が、北朝鮮の「二国間対話を臨む姿勢を評価し」・「時期を見て訪朝することも模索する」というのだが、国連の動きが鈍いことが気にかかる。
 開城工業団地職員拘束事件や米国ジャーナリスト事件、核実験と北朝鮮の強硬姿勢が見えたときにすばやく、動いていなければならない国連が、何の手法もとらずに、二国間政府の交渉に任せていたこと自体が、国連の役割を問われる問題ではないだろうか?
 人権を強調している国連で、人権の問題でもある北朝鮮の行為に対して、アクションを起こせない国連の存在意義とは何であろう。
 加盟国である北朝鮮の人権に関する問題で、何回も非難決議を採決していながら、安保理決議違反を繰り返す北朝鮮政府に対して、何の拘束力もない現状や、人道の問題という美名の下に、北朝鮮への支援を繰り返し、そのお金を軍事転用されていることも反省もなく、金正日を助けている国連の存在意義とは?
 藩事務総長が訪朝する際には、「今後も国連の最高議決機関である安保理決議に違反を繰り返すのであれば、国連加盟国からの除名を通達する」くらいの覚悟でなければ意味を持たない。
 それが出来るのか、国連内部の規則がわからないのだが、もはや、北朝鮮を甘やかしているときではあるまい。



2009.7.29

「米国との対話を望む北朝鮮」

 北朝鮮政府が米国との対話を強く望んでいるという報道があるが、米国と話をして、どのような結論を導き出そうというのだろうか?
 米国は、現在、中国の面子を守る形での「六者協議の枠組みでの二国間対話は可能であるが、単独でのそれはない」と方針を明らかにしている。また、クリントン国務長官との舌戦を繰り返している中で、北朝鮮に残された選択肢は「六者協議復帰」しかない。
 そして、六者協議の枠組みの中で欠かせないのは、対日関係の改善であることは、当然である。北朝鮮は、米国さえ押さえれば、日本は動かざるを得ないと考えている節があるが、現在の日本国民の意識の変遷を理解できていない北朝鮮の思惑である。
 政権がどのように変化しようと、現在、わが国民は「拉致問題の解決なくして、日朝国交正常化なし」・「拉致問題の進展なくして、いかなる北朝鮮への支援はありえない」という基本的な考え方は変わらない。
 どのような恫喝も通用しなくなっていることをわかっていないのではないか?
 昨年のブッシュ前米国政府の変節を垣間見た日本国民は、日米関係の重要性を認識し、日米同盟の下に行動していくことに変化はないが、我が国が主体的に「拉致問題」を解決しない限り、解決することは出来ないであろうことを認識し始めている。中国政府がどのように動こうとも、米国がどのように動こうとも、』我が国の問題を我が国の力で解決していくしかないという認識が芽生えたと思う。
 ここで、北朝鮮との交渉で必要な金銭的な優位を捨てて、六者協議の中に前のめりになることは、国民が断じて許すことはない。
 以上を国際的な流れから見越していかないと、北朝鮮政府は見誤る。
 現在では、北朝鮮が「核放棄」の道を歩むだけでは、北朝鮮の望む国際社会からの、特に我が国からの支援は得られない。真摯に、北朝鮮政府による人権問題を是正していくことを強いられていることを認識すべきだ。
 となると、我が国との対話、しかも拉致問題を全面的に解決する方向での対話を決断しなければ、北朝鮮にとって何の国益もないことを教えていかねばならない。
 我が国は、中国・米国・韓国に対して、さらに明確に自国の立場を表明していくべきだ。
 民主党の外交政策が二転三転する中で、北朝鮮政策は国民がどのように支持するかにかかっている。国民の意思がブレなければ、日本国政府がぶれることはあるまい。次の政権を担う政党は、国民の意識を捻じ曲げた政策をとることは許されない。
 もはや、時間的な余裕はない。北朝鮮も遊んでいる暇はあるまい。



2009.7.28

「民主党のマニフェスト」

 今日、民主党の政権政策が公表された。私に関心があるのは「外交」特に北朝鮮問題であるが、そこに書かれているものは、

北朝鮮外交の主体的展開
北朝鮮が繰り返す核実験とミサイル発射は、わが国および国際の平和と安定に対する明白な脅威であり、断じて容認できません。
北朝鮮に大量破壊兵器やミサイルの開発・保有・配備を放棄させるため、米韓中露などの国際社会と協力しながら、国連安保理決議に基づく貨物検査の実施や北朝鮮に対する追加制裁の実施も含め、断固とした措置をとります。
拉致問題はわが国に対する主権侵害かつ重大な人権侵害であり、国の責任においてその解決に全力を尽くします。

である。
 北朝鮮への対処では、「追加制裁の実施も含め、断固とした措置」と明記してあるが、現在政府が課している制裁の上にさらに追加制裁を課すという意味であろうか?もし、そうであるなら、全面制裁という言葉での具体的な記述が欲しいところだ。
 「国の責任においてその解決に全力を尽くします。」という文言には、熱意が感じられるが、ここにも具体的な提示がなく、精神論を述べるに留まっている。
自民党のマニフェストが出ていない時点での評価をすることは尚早であろうが、もう一つ、インパクトのある決意表明が欲しかった。
民主党のホームページを見ると、内閣の政策欄に、拉致問題の文言がないのだが、自民党政権の時のように、内閣府に拉致問題対策本部は設けないということであろうか?
それでは、何処で「拉致問題」を扱おうとするのかを明記してもらいたい。
2006年末に、安倍元総理の下におかれた内閣閣僚全員を入れた「拉致問題対策本部」の設置に関しても、内閣の欄に書かれていないということでは、設置せずということだろうか?官房長官の拉致問題担当相兼務もなくなるというのだろうか?外務省の専権事項にするつもりなのか?
全く詳細のないマニフェストに不安を感じている。
 鳩山代表は、横田早紀江さんにバッジをつけてもらったときに、「体を張ってがんばる」といっておられたが、「体を張る」意思が感じられない。
もっと、具体的な政策を書いてもらいたいものだ。
 これでは、絵に描いた餅になる。
「主体的な展開」の意味は?川上義博氏の「北朝鮮の仲のよう人との積極的な話合い」を意味するのであれば、拉致問題の棚上げにつながることを危惧する。



2009.7.27

「国会解散、戻っていただきたい政治家!」

 解散後の選挙戦も始まりつつあるようだが、私には、ぜひとも戻ってきていただきたい政治家がいる。
 拉致議連の幹部は勿論であるが、その中でも平沼会長、古屋事務局長、西村幹事長、中川昭一顧問、安倍晋三顧問などである。
 今回の選挙、民主党の先生方は私たちの支持がなくとも戻ってこられると確信しているが、自民党あるいは無所属の方の中に、厳しい選挙戦を強いられている方々がいることも事実だ。
 政権交代という風になぎ倒されて、拉致問題を真摯に考えてきていただいた代議士が国政の場から姿を消す可能性があることに大きな危惧を感じる。
 昨年、市川トミさんの葬儀の際に、参列いただいた西村先生に「弔辞」をお願いしたことがある。わざわざ、大阪から鹿児島の地まで来ていただいた先生に、弔辞を読んでいただきたいという思いであったが、西村先生はこうおっしゃった。
 「本来なら、拉致問題を解決できていない時点で顔をあわせることすら憚られる身で、弔辞など言わせていただく資格はない。静かにお詫びを申し上げようと参列いたしますので、弔辞はご遠慮させていただきたい」と。
 政治家の方々の多くは、慶弔の場に参列して名前を売る方が多いと聞くが、先生は、名前を売るためではなく、政治家としての矜持を示された点に信頼を置ける方と判断している。諸事情により、「改革クラブ」からの出馬となっているが、西村先生一人の闘いとなっている現実を見ると、何とか勝ち抜いて国政の場に戻ってきていただきたい。
 これだけの人士を失うことは、私にとっては大きな損失だ。
 もう一人、中川昭一先生は、今年の「酩酊会見」の影響をモロに受けて、また、政権交代の風に風前の灯火となっているようだ。週刊文春の選挙予想では、▼がうたれている。あの会見は確かに有権者に対しての印象は良くないのはわかるのだが、これまでの中川先生の政治家としての実績を見ると、保守政治家として抜群の実績を持つかただ。
 地元・帯広のことでも、いろいろなことを教えられ、よく地元のことを考えておられることをうかがわせた。さらに、私にとっては、拉致被害者救出には欠かせない実績と判断力をお持ちであることはいうまでもない。
 皆さん、厳しい選挙事情であろうが、必ず国会に戻っていただきたい。
 それでなくとも怪しい空気が漂うっている昨今である。強力のお二人には力を貸していただきたいと思う。



2009.7.24

「判っていないのかな?」

 以下の記事が載っている。

鄭東泳議員に鳩山民主党代表が親書届ける
【ソウル23日聯合ニュース】元統一部長官で無所属の鄭東泳(チョン・ドンヨン)議員に、日本の鳩山由紀夫民主党代表が親書を送った。 鄭議員側が23日に明らかにしたところによると、鷲尾英一郎氏ら同党議員6人は22日、鄭議員を訪ね北朝鮮による日本人拉致問題について面談した席で、鳩山代表の親書を渡した。鳩山代表は、この面談を機に日本人拉致問題に関し鄭議員との関係を深め、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記と面会した経験がある鄭議員の意見を聞きたいと述べた。また、民主党代表として政権交代を必ず実現させ、韓国とより良い関係を築いていくことを心から願うと強調した。 政権交代は間近だとする鷲尾議員に対し、鄭議長は「民主党が政権を取れば、拉致問題と核問題を分けて処理する新たな外交政策の展開を願う」とし、ワシントンと東京が足並みをそろえれば、李明博(イ・ミョンバク)政権もその政策に協調するしかないだろうと助言した。―――――――――19時22分  聯合ニュース

鳩山民主党代表が、韓国の李明博大統領の大統領戦時のライバルであった「元統一部長官で無所属の鄭東泳(チョン・ドンヨン)議員」に親書を届けたと言うことだ。しかも、>>この面談を機に日本人拉致問題に関し鄭議員との関係を深め、北朝鮮の金正日(キム・ジョンイル)総書記と面会した経験がある鄭議員の意見を聞きたいと述べた<<という。
 鄭東泳議員は、盧 武鉉政権時に統一省をやっていた人物で、盧武鉉よりも親北朝鮮よりの人物だ。だからこそ、金正日にも面会できた実績がある。
 その鄭東泳議員に、拉致問題解決の糸口を見出したいとの考えが、いかに危険なのかを教える人間が民主党にはいないのか!
 結局、>>「民主党が政権を取れば、拉致問題と核問題を分けて処理する新たな外交政策の展開を願う」・「ワシントンと東京が足並みをそろえれば、李明博(イ・ミョンバク)政権もその政策に協調するしかないだろうと助言した」<<とある。
 当然の結果であろう。即ち、北朝鮮が望み、中国が望み、盧武鉉政権が望んだ「拉致問題の棚上げ」を指南されたということだ。これで、拉致問題の解決が遠のく恐れを禁じえない。誰か、鳩山代表に助言をして欲しい。いや、もしかして、民主党内部の人物が助言し、鄭東泳議員に親書を送るように言ったのかも知れない。
 前にも言ったように、鄭東泳議員は李明博大統領の政敵である。彼に近づくということは、韓国の現政権と敵対関係にもなりえるということを考えておくべきではないか・
 でも、仮にも次期日本国首相になるかもしれないという方が、一議員に親書を送ると言うことはどういうことだろう。李大統領に親書を送るならわかるのだが・・・。
 危ない付き合いをする鳩山代表に、助言を。



2009.7.23

「六者協議にこだわる理由はない!」

 北朝鮮が「六者協議は終わった。」と言っている以上、北朝鮮を外した「北東アジアの平和構築」のための協議を進めることが優先されなければならない。
 ここで、北朝鮮の復帰まで協議が停滞するということは、北朝鮮に時間を与え、次の作を弄する間を与えてしまう。粛々と他の5カ国で協議を進めていくべきではないか?
 北朝鮮が六者の協議に戻らない以上、不利益を被るという事態を作っていくことのほうが効率的だと思うのだが。
 国連安保理にも逆らい、中国が議長国である六者協議にも逆らうことが如何に北朝鮮にとって不利になるのかは、北朝鮮も充分承知のはずだ。
 国連安保理、そして、5カ国協議の中で話し合う上で、当然議題にあげなければならない北朝鮮の不誠実な対応についての、5カ国での圧力強化策を打ち出すことによってのみしか、現在の北朝鮮の姿勢を変換させることは出来ないだろう。
 日本の国内外にも、北朝鮮人民の疲弊を考えて「人道的観点から、制裁を強化すべきでない」との声が上がるが、それでは、中朝国境付近で人権侵害を受けている脱北者のことは如何でも良いのか?
 今後、国際的な圧力が強化されて、次第に窮していくのは、主に金正日政権を支え続けている支配層のはずだ。ここに対する圧力強化を図っていくことが肝要ではないか?
 北朝鮮国内の人民の苦しみと中朝国境にいる人民の苦しみを共に緩和することが出来るのは、5カ国で真摯に人権問題を国益の観点ではなく、人道の観点から話し合うことだ。
 そして、5カ国協議では不足とあれば、モンゴルを入れた6カ国での話合いを模索すべきだろう。
 モンゴルを入れるというのには理由がある。
 私は以前から、モンゴルの広大な土地を借り受け(当然、我が国を含む5カ国が借地料を負担)、北朝鮮人民の難民キャンプ(その費用は、我が国が負担してもよい。しかし、金正日政権への支援は断固拒否する。)を設けることを真剣に話し合うときだ。
 北朝鮮人民が安心して暮らしていける場所を提供し、多くの脱北者を受け入れる体制を整えることにより、北朝鮮からの難民を増やすことが北朝鮮政権の弱体化につながる。
 なぜ、中国に作らないかというと、中国では管理する際の不正がはびこり、北朝鮮難民の権利が阻害される恐れがあるからだ。しかし、中国には、モンゴルへの脱出に対しては黙認していくことを要求する話合いが必要だ。だから、モンゴルを入れた6カ国協議を提案する。
 金正日の余命が論じられる中、北朝鮮国内の混乱を考えるとき、中国人民軍の介入を避けるためにも、北朝鮮人民の難民受け入れ先を作っておくべきだ。
 一応、モンゴルも「北朝鮮の核開発」への多大な懸念を表明し、批難する姿勢を見せているのであるから、土地提供に二の足を踏ませることはさせない。モンゴルは、同時に5カ国からの経済的な支援を取り付けることで、実質的な国益を生む筈だ。
 北朝鮮の六者協議への復帰よりも現実的な対応だと思うが・・・。
これで、北朝鮮が暴発するとなれば世界最強の米・中・露の軍隊を相手にすることになるから、暴発も出来まい。北朝鮮人民の苦境を一刻も早く取り除く方策を考慮していくときだ。
北朝鮮の出方を待つのはもうお終いにすればよい。



2009.7.22

「麻生総理の闘う顔」

 昨日、衆議院が解散となり、重要法案が廃案となってしまった。今後は、国民が主役の劇場場面になる。
 私としては、麻生総理には最後の最後まで「重要法案成立」に力をつくして欲しかったが、それもならずに解散と言うことに走ってしまったことは残念だ。
 解散を前に、自民党の両院懇談会が開かれたようだが、その中での麻生総理の「闘う顔」への変貌を見せ付けられた。また、解散後のぶら下がり会見時の総理の断固たる意志を見せる顔を見せ付けられた。この顔で、国内政治の運営を果たしていれば、現在の結果とは違ったものになったかもしれない。
 その顔は、それまでの「笑顔」とか「ぶれる総理の発言」とかではなく、戦う政治家の顔や発言に変貌していた。
 政治家とは、選挙と言う生死をかけるほどのイベントに対しては、重大な決意と信念で臨むもののようだ。一味違う総理の顔を見て、今後の選挙の流れが変化する可能性さえ見えるような気がする。
 方や、政権交代が目の前に見えてきたのか、民主党の先生方の顔に麻生総理のような「戦う顔」は見えていない。今後、戦闘モードに入る方もいるのだろうが、鳩山代表を始め、余裕が見えるような気がするのは私だけだろうか?
 安倍政権と福田政権、2代に渡り政権放り出しの現実を受けて、「世襲政治問題」がメディアを賑わせていたが、現在の両党のトップはともに、世襲の権化のような方々ではないか?それに対しての批判も批難もなく、「どちらの政治家が総理としてふさわしいか?」の質問に「鳩山」と答える国民が「麻生」と答える人の2倍にも及ぶことに驚愕する。
 なんにしても、4年の人気を与えるこのたびの選挙で、どちらの政権が今後の日本を担うにふさわしいか?冷静に見極める必要があると思う。
 選挙後に、どちらの政党が政権を担おうとも、「拉致被害者はすべて生存しているを前提の交渉」と「拉致問題解決なくして、国交正常化なし」の大原則を崩すことは許されない。
 政界に残って欲しい政治家はいるが、その政治家が今回の選挙で厳しい闘いを強いられていることは事実だし、今後の「拉致問題解決への道」にも苦難の道が広がる事も考えられる。
 国民が選択した政権であれば、どのような結果になろうが、私たちは被害者救出の手を緩めることは許されないことを肝に銘じなければならない。



2009.7.17

「政争の具にするな!」

 いい加減にしてもらいたい。民主も自民も国益を考えているのか?北朝鮮貨物検査特措法は、国際社会に対して、我が国が働きかけて勝ち得た「国連安保理決議1874号」に伴う、厳格な制裁を履行させるために必要な法案である。
 どれを忘れて、国内のごたごたで「審議拒否だ」・「解散だ」と廃案に追い込むことは、国際社会の信用を一気に失墜させる行為だ。
 今後、日本は国連の場で発言力を失うことは、民主党の国連主義の精神にも反するものであるし、麻生政権にとっては、自らが望んだ「厳しい制裁可決」に反するものではないか?
 麻生総理は党内事情もあったろうが、とりあえず「21日の週での解散」と言っているわけだから、月曜日に急いで解散しなくても金曜日でも問題ないはずだ。麻生総理には最後の最後まで、「重要法案の可決を目指して、直接の党首会談」を持ちかけてはどうだろう。
 それもせずに、党内事情に左右されて、「どちらの党が国を守る党かの信を問う」姿勢ではない。
 民主党は、国連中心主義と言いながら「国連安保理決議」を名前だけのものにするような行為をしていることを認識しているのだろうか?
 今後の日本の発信力を低下させることを認識しているのだろうか?
 これでは、国益を党利党略で犠牲にすると言われても弁解できない事態だ。



2009.7.16

「超党派」

 衆議院議員選挙を控え、家族会に会って話をしたいとの要請がある度、我々は、国政に携わろうとする方々の考えを伺ってきた。真剣に取り組むとの発言がある場合には、その姿勢に賛同し、早期解決に向けて行動していただくことをお願いする。
 しかし、誤解のないように申し上げておかねばならない。
 家族会が、特定の党や派閥を応援することはない。
 なぜならば、国家の最重要課題である「拉致問題」は、党や派閥を超えて、一丸となって取り組まなければならない問題だからである。
 家族会は、不偏不党の立場で、すべての国会議員に対し、一日も早い奪回の為に力を尽くしていただけることを要望し続けている。
 5年前、私が参議院議員選挙に立候補した際は、小泉元首相の第2回訪朝の結果を踏まえて、小泉氏のやり方に疑義を呈した家族会にたいするバッシングがあり、真意を国民の皆さんに伝えるためにも街頭での訴えも必要だろうし、国会に小さな波紋を投げかけて、大きなうねりを作りたかったからである。
 その点で、国会議員の中にも国民の中にも「拉致問題」が含む国家の問題の本質を正確に捉えていない方々がいる事は間違いない。
 家族会メンバーは、個々で、政党にとらわれずに候補者を応援してきた。組織的に応援することも、会として応援することも控えてきた。
 今後も、この基本的方針には変わりなく、どの党を応援していくとかではなく、どの人物が「拉致被害者救出」のために、国会議員として必要なのかを考えながら、個人的に応援していく。
 先ごろ、私、家族会事務局長が、特定の政党を全面的に応援しているという噂が流布されているということを耳にした。
 国政選挙においては、政党それぞれの考えを見聞きし、判断しているつもりだが、一つの政党を全面的に応援するということはありえない。
 政党の主張を理解し、「北朝鮮問題」部分に関しては共鳴する部位もあろうが、政党そのものを全面的に応援するということはない。
 だからこそ、今国会で成立してもらわなければならない「北朝鮮貨物検査特措法」が、政局に左右され、政争の具にされて、廃案になる可能性が出てきたことに遺憾の意を表明したい。
 民主党は、問責決議案が可決されたことを理由に、審議拒否を言い続けているが、それで、国際社会への責任を果たすことが出来るというのだろうか?麻生首相も14日解散を目論んでいたということだが、他の要素があるとはいえ、重要法案成立の為に「21日の週」と解散時期に幅を持たせていることを考えると、民主党の審議拒否→廃案という流れの責任は、偏に民主党にあるのではないか?
 民主党の中にも「拉致議連」の幹部もいる。是非、国連制裁決議を完全に履行させるためにも、重要法案の審議を始めるように党幹部を説得してもらいたいものである。責任政党としての矜持を示してもらいたい。
 解散日までは、数日ある。



2009.7.15

「真意を伝えよ!」

 電脳補完録に掲載された記事で、私が「自衛隊を北朝鮮へ進行させよ!」と主張としたものがあるが、これは事実と著しく違う話であるので、正確なところを記しておく必要があると思う。
 主催は、「村山談話の破棄を求める埼玉市民の会」である。その中で、田母神元航空幕僚長の基調講演のあと、シンポジウムに参加したものである。
 この中で、確かに「自衛隊による救出を主張する」モノもあったが、私は、「自衛隊の中に、拉致被害者救出PTを極秘でもよいから計画し、訓練をしておく必要性を述べ、現在の隊員の中には、命令さえあれば出動する気概を持った方はいる。しかし、闇雲に自衛隊を派遣しても『拉致被害者救出にはつながらない』、『先ず、日本政府が外交機密費や官房機密費といったものでもよいからお金を使って情報を収集することが重要であり、現在の中朝関係から考慮すると脱北者からの情報収集が用意に出来る状況であることから、情報収集に力をいれて欲しいし、そうすべき』と主張したに過ぎない。
 現在の北朝鮮の政治混乱を見るに、崩壊の可能性すらある中で、日本人拉致被害者を安全に確保・救出するためには、「何処に、どれくらいの人が、どのように暮らしているのか?」を正確に把握しておく必要があり、そのための情報収集を深めて欲しい。そして、北朝鮮崩壊という場合は、自衛隊の方々に救出に向ってもらうほうが、被害者救出が安全にできると考える。
 決して「報復」という意味での軍事制裁を言うのではなく、被害者救出のために訓練すべきだし、出動できるような体制強化を図るべきということを主張したに過ぎない。
 それが、あたかも私が「自衛隊の出動を報復目的で『戦争』をあおる人間のように意図的な記事を書くことは、家族会の主張を捻じ曲げて世論との乖離を諮ろうとする策動としか思えない。
 あの時の集会に、参加していたのであれば真意を測れたと思うのだが、聞きかじったもので記事を捏造することは、北朝鮮を利する団体や個人としか思えない。
 さらに最悪の書き方は、私が「バカ市長」などと発言したように書かれていることだが、私は、少なくとも人をバカ呼ばわりすることはめったにない。
 これだけは強調したいが、拉致問題の解決が我が国の力でなされるには、情報の収集能力を高めることが第一であり、その後の救出には「自衛隊」という組織が必要と思っていることは間違いないが、戦争行為を助長するような、戦争を美化するような発言はしない。
 最後に、私は「村山談話なるものは、国益を損なう最たる発言である」と感じているし、主催者の趣旨(村山談話を破棄する)には賛意を唱えたい。



2009.7.14

「国会運営を国のために正常に!」

 麻生総理が21日の週での解散と、8月30日の投票日を発表し、民主党は衆議院で「内閣不信任案」と参議院で「首相問責決議案」を提出。衆議院は否決したが、参議院では可決されて、民主党は参議院決での議可決後、国会での与党との審議拒否をし、重要法案である北朝鮮船舶を臨検するための『北朝鮮船舶検査特措法』が審議未了で廃案となる可能性が強くなった。
 国連至上主義であるはずの民主党が、「国連決議1874号」の履行のために必要な特措法の審議すらしないということでは、民主党の国連主義がウソになる。鳩山代表は、『特措法』には前向きと言われていたが、選挙後の社民党との連携を考えて、この法案を廃案に追い込むということでは、国連での発言権や信頼性を欠くことになり、国益を大きく害することになるというのに、政局優先で重要法案を審議拒否するということでは、今後の国策決定に関しても政局中心主義に陥る可能性を含め、危うい政権運営を国民に見せ付けてしまうことになる。
 今回の衆議院選挙を「政権交代」というお題目ではなく、日本国を国際社会でどのような地位につかせるかの選挙と捉えてもらいたい。
 国の先行きを国民に問うという意味での本来の選挙にしてもらわなくてはならないと思う私にとって、民主党の手法は国民に理解を得られるのかと問いたい。
 勿論、圧力を北朝鮮にかける意味でも、我が国が「拉致問題」の解決や「北朝鮮の核開発問題」を最優先に考えているということを目に見える形で示すためにも、政局を優先する方法は如何なものかと思う。
 これでは、民主党政権で「拉致問題」を本当に国の最優先課題として捉え、また、北朝鮮の核の脅威を「北朝鮮に屈する形ではなく」、毅然と解決する姿勢を見せていくのかご門煮感ずる。民主党政権になっても「北朝鮮問題」を毅然と解決していくことを実施していくのであれば、この法案だけは審議拒否せずに粛々と審議をしていくべきだろう。
 この法案は、日本国内だけの問題ではなく、北朝鮮の核の脅威を取り除くべく毅然たる姿勢を示している韓国政府や米国政府にも影響を及ぼす問題だ。
 それでなくとも、親日家のカート・キャンベル氏らを失望させかねない国防意識や日米同盟に関する意識しか見えないところがあるだけに、国民に対して国をどういう方向へ導くのかを示すべきだ。もし、反対ということであるならば、審議をしてどこが問題で、民主党は賛成できないということを国民に示し、選挙の選択肢の一つとして明らかにすべきだ。
国連至上主義というなら、この法案の審議に応じるべきだ。
 まだ、解散には日にちがある。民主党の最高を求めたい。
 自民党のドタバタを見て、次の総選挙での行方は見えてきているだけに、政局ではなく、大局にたった姿勢を見せてもらいたいものである。



2009.7.13

「金正日、余命1年?!」

 金正日が膵臓がんに侵され、余命5年も持たず、1年以内の可能性すらあるとの報道がでた。
 金日成の15周年忌に出てきた金正日の姿から、相当な重病であると思われていたが、膵臓がんという重い病気であろうとは想像していなかった。突然の報道で、驚いているが、金正日の生存中に謝罪を受けられずに解決に向うことになると思うと残念である。
 また、金正日ほどの最高幹部の健康すら管理できない北朝鮮で拉致被害者の健康管理がどこまで出来るかというと一抹の不安を感じる。
 さらに、金正日の死亡によってしか「拉致問題の解決」を図れない日本政府のだらしなさには、唖然とするほかない。
 東京都議選の結果が出たが、予想通り「自民党の惨敗」という結果に終わった。
 国民は、麻生総理の責任を追及しているのではなく、ここに来て「ドタバタ劇」を繰り返す自民党内部の様子を見て、うんざりしたのだと感じる。
 国政においては、麻生総理の政権運営において大きな失敗は見てとれない。これまで噴出している問題点は、小泉総理時代に構築された政策の歪なのであって、問題点なのであるが、それがあたかも麻生総理の失政と捉えられるのは偏にメディアの報道によるところが大きいと思う。
 昨日、私も投票所に行ってみたが、「さて、誰に投票しようか?」という段になって非常に迷ってしまった。何分にも、候補者の人となりに関しての情報が全くないからである。私の選挙区は一人区で、8期勤めた自民党候補と民主党新人女性候補と共産党候補の3人の戦いであったが、どの政治家とも面識がなく、どういう政策を推進するのかが理解できない人だから、投票行動に走る材料が皆無だった。前回、私は同じような状況で投票所には出向いたものの、結局候補者名を記す事が出来ずに抗議の意味での白票を投じた。
 今回は、このようなことはしたくなかったが事前に3人の人柄や政策を吟味する時間がなかった。そのような時に有権者はどういった行動に出るか?それは、国政での政党の動きを見て判断せざるを得ないということを痛切に感じた。
 都政と国政は明らかに違うのだが、結局投票する際に国政の様子で判断せざるを得ないことが多いのだろう。
 しかし、民主党は「政権交代」しか唱えていないし、その先に何があるか不安でたまらない。一回ぐらいは「やらしてみれば!」という考えもあると聞くが、過去一度、政権を運営させてみた「村山社会党総理」の下で、国益に生じた損害は計り知れないことを考えると、どちらの党にも、選挙後の日本の政治の運営をはっきりと提示して欲しい。
 政権交代という言葉だけが先走って、全く先の見えない政治を選択せねばならない国民が不幸である。



2009.7.10

「サイバーテロってテロ行為でしょう!」

 北朝鮮が関与していると見られる米国及び韓国の政府機関並びに民間コンピューターへのハッキングが起こっているという報道がある。
 ハッキングといっても、人海戦術を要する大量の送信によるコンピューターの一時機能停止ということらしい。あくまで、初歩的なアクセスで、米国国務省のコンピューターに進入するとか、機能を破壊するという類のものではない。いわば、子供だましのような手合いのものである。
 全く、ミサイル発射といい、サイバー攻撃といい、米国へのラブコールには飽きないほどの時間や人民を使ったやり方を踏襲している。
 しかし、この程度のサイバー攻撃といえども、これは犯罪であり、さらに、テロである。この認識を米国はもつ必要があるし、北朝鮮は悪戯ということで済まそうと考えているかもしれないが、政府機関へのサイバー攻撃は、宣戦布告をも意味することにつながることを北朝鮮は認識すべきだろう。
 米国上院へ、共和党ブラウン・バック上院議員らが、「北朝鮮を『テロ支援国』に再指定する法案」を提出したということだ。国務省は、昨年の段階で、前6ヶ月以内に「テロ行為及びテロ集団に対する支援をしている事実が確認されない」として、ライス国務長官率いる国務省が「テロ支援国指定解除」にひた走ったのである。しかし、現実に「サイバー攻撃」を受けたことで、「新たなテロ」との認識から、「テロ支援国」として再指定しやすくなったのではないだろうか?
 家族会・救う会が訴えても認めようとしなかった「再指定」を北朝鮮の愚行がその機会を作り出すきっかけになるかもしれない。
 また、米国は「北朝鮮によって、米国人ジャーナリスト2人」を拘束されている。そして、2人の人実を擁して米国との対話を実現しようと画策している。これも「人質をとり交渉するテロ行為」であることは明らかだ。この2つをもって、米国は北朝鮮を「テロ国家」と指定しなくて、どのような整合性を持つというのだろう。
 早期の「テロ支援国再指定」の実現をしなければならない。
 最近、北朝鮮に拘束されているジャーナリストから家族へ電話が来たということだ。その話の中で、「自分達は北朝鮮の法律を犯してしまった。自分たちを助けてもらうためには外交交渉が必要になる」との言葉を使わせている。勿論、北朝鮮政府の監視の下に余計なことは言わせないようにしての発言である。
 二人は、自由主義社会に生まれ、暮らしてきた国民である。数ヶ月といえども。北朝鮮の監視・管理の下で暮らしていくことのストレスを感じていないはずはない。決して、予断を許されるような状況下にはない。
 米国が実力行使で取り戻す確立は否定できない。



2009.7.9

「よっぽどのことだろう!」

 新疆ウィグルの問題がよっぽど中国にとって大きな問題となっているということだろう。胡錦濤国家主席がサミットの開催されているイタリア・ラクイラから予定を変更して帰国の途に着いた。
重要な国際会議をキャンセルしてまで駆けつけなくてはならない状況というのは、よっぽどのことである。もしかすると不安定な政権運営に歪が生じはじめるような大きな動きにつながると見ているのではないか?
報道では、管制されたものしか見えないために実際に起きている事実は、胡錦濤国家主席にとって収集を付けがたいものへ発展しているという判断がなされるほどの大きなうねりを見せ始めているということではないか?
ここまで、米国の経済事情にもプラス成長を見せていた中国の内部崩壊が現実の物となっているのではないか?
ウィグル自治区の動きを正確に報道して欲しいと思う。

その中で、米国国務省国務次官補カートキャンベル氏が駆け足で日中韓を訪問する。外務省の方に聞くと、カートキャンベル氏は、背骨と通った対北朝鮮製作を取ってくれる人物という評価であるらしい。
ヒル氏が酷すぎただけに、期待したい気持ちはある。先の訪米で米国保守派のシンクタンクの方が言っておられた「日米の北朝鮮政策において、ヒル氏が消えてくれたことは大きな収穫だろう」という言葉を思い出す。
キャンベル氏も現在の状況下で、宥和過ぎる政策をとるとは思えないし、中国に対してプレッシャーをかけるように動いてもらいたいと思う。
わが国では、選挙モードに入りつつあり、責任を持って拉致問題に取り組む現状ではないが、どの様な状況下であろうとも最優先課題として動いて欲しい。



2009.7.8

「中国の虐殺を止めないといかん!」

 連日、中国新疆・ウィグル自治区での暴動の様子が報道されている。中国政府は報道管制を敷き、自由な取材が出来ない模様であるが、それでも漏れ伝わる報道の中での、ウィグル人に対する非道な取締りが聞こえてくる。
昨日は、外国メディアの集まっているところに自然発生的に、女性たちが口々に「強制連行された家族の返還」を訴えていた。涙ながらの訴えに、中国の警察も外国メディアのカメラを意識してか、過激な暴力を振るうことなく、ウィグル族を悪と見せるべく映像操作を行っている。
しかし、デモ隊の彼女達の話が真実なら(いや、真実であろう)、突然、中国の武装警察が家に乗り込んできて、いきなり男女の区別なく引っ張っていたということだ。
官憲により引っ張られていった人たちが、どのような環境におかれるのか?中国4000年の歴史から推察すると虐殺の危険性もありうる。
このようなときに、国連の力を発揮できずに、何のための国連なのか?
今、非道に苦しむ人々を救出することが必要なのではないか?私は何が出来るのだろうか?

このような中、もう一つの非人道的政権である北朝鮮が、日本の報道に対して「軍事的恫喝」は日本の完全な捏造」との言い訳を始めた。
 これまでの北朝鮮では考えられない気の弱さを露呈し始めていることに驚く。
1990年代、北朝鮮の中央通信は、「ソウル・ニューヨーク・東京を火の海にする」とい宣伝を開始し、米国が軟化するまで恫喝を続けていたことを忘れているのだろうか。あの宣伝を「恫喝」といわず、何を「恫喝」と言うのか?馬鹿は休み休み言うものだ。
そして、「北朝鮮船舶に対し貨物検査を行うため、日本政府が特別措置法案を国会に提出する方針であることにも触れ、『北朝鮮を経済的に孤立、政治的に窒息させ、軍事的抑圧を行っている」と非難。これらの行為に対し、北朝鮮が手をこまねいて事態を傍観することはないと表明している。」などとさらなる恫喝の文言を使用している。
すでに、国会に提出されているのだが、北朝鮮はどうするつもりかな?国会での議決がなされた場合に再び恫喝するのか?行動に出るのか?張子の虎状態の人民軍でどこまでやるつもりなのか?
米国オバマ大統領には、「もし北朝鮮が米国と深刻な軍事衝突を起こせば、自分たちが制圧されることを理解していると思う」とまるで相手にされていない。
北朝鮮も当然、自身の武力と米韓の武力比較をして、徹底的にたたかれることを知っているから、これまでの「瀬戸際外交」の変換を考えているのか、言い訳のような「軍事的恫喝」は日本の完全な捏造」という言葉を使用し始めているのではないか?
これを読み解くと「私は闘えませんから、勘弁してください。制裁を解いて、お金をください。それで核開発しなければ体制がどうにも出来なくなってしまうんです」ということだ。



2009.7.7

「本当に大丈夫!?」

 「政府は、北朝鮮船舶などの貨物検査を可能とする特別措置法案(貨物検査法案)の条文を与党プロジェクトチームに提示し、了承された。海上保安庁長官と税関長に貨物検査の権限を付与。自衛隊法の海上警備行動による海上自衛隊の活動は海保巡視船の防護などに限定し、貨物検査は行えないこととした。法案の早期成立に向け、自衛隊の活用に慎重な民主党などの理解を得る狙いがある。政府は法案を7日夕に閣議決定し、国会に提出する。」
との報道がなされた。
 これによると、北朝鮮船舶の領海内での検査に権限があるのは海保であり、海自は後方防護に限定する言うことだ。これで、公海上での検査についてはあいまいな表現ではないだろうか?公海上においても海保を出動させて臨検を行わせようというのだろうか?それとも公海上は他国に任せて何もしないということだろうか?
 仮に領海内においての臨検ということであれば、現在、わが国は「北朝鮮船舶の入港禁止」という制裁を課しているわけだから、領海内に入った時点で主権侵害という犯罪であるし、その行為そのものが戦争行為にあたると思われるのだが、海保の武器使用だけで対処できるのだろうか?
 韓国の臨検のための訓練の様子をテレビで見たが、完全武装の韓国軍が、自動小銃を構えながら突入するという臨戦態勢そのものの訓練であった。これに比すとわが国の対応は余りにも軽微なものではないか?
 海保が信頼できないというのではない。海保の装備で戦闘に発展するかもしれない臨検に立ち合わせること自体が無謀ではないかということだ。
 おそらく、臨検という具体的な行動になることはないという安易な考えからきているのではないか?それでは、北朝鮮に厳しい姿勢で「国連安保理決議を履行していく」という言葉は空虚なものになりはしないか?
 戦闘を想定しながら、このような緩い閣議決定でお茶をにごそうとしているのであれば、臨検に立ち会わされる海保の方々の命の軽視ではないか?これまでは、このようなあいまいな戦略でよかったのかもしれないが、今後の北朝鮮の対応遺憾では覚悟をしていかなければならない。
 この国では、建前だけで国民の命や前線で命を張る人々の命を軽視するところがある。勿論、戦闘行為が起こることは避けねばならないが、いざというときの備えだけは万全でなければならない。政治家の思惑で命を捨てさせる政府に付き合う国民も哀れである。



2009.7.6

「北朝鮮、崩壊への序曲」

 北朝鮮がミサイル発射を続けている。
 国際社会は、この現状を厳しい目で見始めた。米国高官は、「北朝鮮は国際社会をなめている」とまで言い、北朝鮮の愚作を嘲笑った。
 金正日は一体どこへ行こうとしているのか?
 誰にもそれはわかるまいが、皆が北朝鮮・金正日政権の崩壊を身近に感じ始めているのではないか?
 家族会は、数年前から米国に対し、北朝鮮へのさらなる制裁を働きかけてきたが、結局、北朝鮮との交渉には「強い圧力」が必要であったことは明々白々となった。
 家族会・救う会の提言にも耳を傾けなかったクリストファー・ヒルの罪は大きい。大国・米国の権威を失墜させ、地位を低下させた外交官であることは間違いない。
 そのヒル氏が、現在は「イラク大使」として、米軍10数万人の生殺与奪権を維持していることに恐ろしさを感じる。
 米国はこのまま、ヒル氏に「イラク撤退の重要な時期」のイラク大使としての地位を与え続けるのだろうか?
 北朝鮮が今後、行える「挑発行為」は限られてきた。「核の再実験」か「西海での武力行使」だろうが、どちらにせよ、そのどちらも北朝鮮に大きな打撃を与えることを軍部は熟知しているから、そう簡単には踏み切れなくなる。
 ここで、国際社会は「次に核実験を強行した場合」の制裁措置を明示していくときではなかろうか?
 1998年のミサイル発射実験後、さらなる発射実験を目論んだ北朝鮮に対し、わが国は「ヒト・モノ・カネ」のすべてを止めると公言し、北朝鮮の発射実験を見送らした経緯がある。
その際に、見返り的なものを提示した可能性は排除できないが、今回は北朝鮮の望むような天界にはならない。
 米国が本気で「見返りは与えない」と公言しているからだ。あいまいなアジア言葉ではなく、明快な欧米言葉で公言しているのであるから、米国が見返り的なものを用意するとは思えない。
 現在のオバマ政権は、ブッシュ政権末期よりも強固な姿勢を貫いていることで、北朝鮮の崩壊を加速させている。
 この時期に、わが国では本気で「被害者救出のシナリオ」を考えておくべきだ。
 外交機密費を駆使し、脱北者からの情報収集を綿密に行い、被害者の生息している地域と人数を把握していくことが肝要だ。政局にとらわれている場合ではない。
 北朝鮮崩壊後、北朝鮮と汚れた取引をしてきた経緯や人物が浮き彫りになるであろうことも考慮して、今後の政権運営も考えるときではないか?



2009.7.2

「カンナム号迷走2」

 ミャンマーに向っていたと目される北朝鮮船籍の貨物船「カンナム号」が、方向転換して、北に進路を取っていることは昨日言ったが、米海軍はカンナム号が北転しても尚追尾し、監視を続けているということである。
 カンナム号は、給油のために寄港すれば、寄港地の臨検を受けねばならず、寄港することも出来ないまま、給油節約のために極めて遅いスピードで航行しているということだ。
 北朝鮮政府の指示を待っているのかもしれないが、ここまで強硬な姿勢を続けている北朝鮮政府がすんなりとカンナム号を帰港させるだろうか?カンナム号の燃料がどれほど積まれているのかは判らないが、先月17日に南浦(ナンポ)港を出港した北朝鮮の船が、どこまで給油せずに運航できるのか不透明であるのだが、然程大きな船でないのであれば、そろそろ寄港して給油しなければならない。
 ただ、カンナム号がミャンマーで大量破壊兵器との交換で食料を得るとか外貨を得るとかの予定だった場合、余分なお金は持っていないはずだから寄港することもママならない。
 目的を達せずに帰国の途についた場合、北朝鮮で収容所に入れられる危険性もある。どうすればよいのか判断できないのが実情だろう。北朝鮮政府の支持待ちであればまだいいが、北朝鮮政府はそんなに柔な政権ではない。「精神力で解決しろ!」と言いかねない政権である。乗組員もあとは亡命することしかないのではないか。
 北朝鮮に対する「国連安保理決議1718号と1874号」の効果が出始めていると思う。
 米国では、イージス艦ジョン・S・マケインによる貨物検査実施を検討していると報道があるが、その際の北朝鮮の反応に対し、警戒をしていくべきだろう。
 折りしも、北朝鮮が日本海でミサイル発射実験を行ったという報道が「たった今」なされた。詳細は今後の報道を注視すべきだが、愈々、困窮していることは否めまい。
 北朝鮮も拳(こぶし)を振り上げては見たものの、振り下ろすことも静かに下ろすことも出来ずに悪あがきしながら、米国や関係国が譲歩してくれることを待っている。
 しかし、米国を始めとする国際社会は今回に関しては、放蕩を止めさせる代価を与えることをしないといっているのであるから、国際社会にお願いしていくしかあるまい 
 そんな中で、北朝鮮人民が「雑草で上を凌いでいる」という記者会見をWFP北朝鮮事務所長に北京で記者会見して、国際社会への食料支給を訴えさせた。当然、北朝鮮政府の思惑だろう。北朝鮮から出国する際には、北朝鮮政府の許可がいるわけだから、所長に出国させた北朝鮮の思惑を考えると困窮の度合いが理解できる。
もう少しの辛抱だ。



2009.7.1

「カンナム号迷走?!」

 米海軍が追跡していた北朝鮮船籍の貨物船「カンナム号」が、当初目指していたとされるミャンマーからの入港を拒否されて迷走を始めた。
 重油のない北朝鮮船が予行演習とか実習とかの名目で船舶を運航させるべくもなく、何らかの目的があったのであろうが、ここに来て行き場を失った格好なのだろうか?
 おりしも、日本国内の貿易会社が北朝鮮への輸出が禁止されている「大量破壊兵器関連」の装置をミャンマーに輸出しようとしていたとして逮捕された事件とオーバーラップする。
 北朝鮮がミサイル開発関連や核開発関連物資をミャンマー経由で手に入れようとしたのか?ミャンマー政府が北朝鮮政府の貿易会社を通して、国際的に禁止されている物資を輸入しようとしたのかは、現在はっきりしない。
 もし、北朝鮮が迂回で大量破壊兵器関連物資を調達しようとしていたとしたら、わが国は今後の監視対象を拡大して厳しい検査をしていかねばならない。
 北朝鮮の金正日は精密な日本製品を好んで買い付ける傾向があるといわれる。特に、大量破壊兵器関連物資については、以前より日本製の部品が使用されている可能性が高く、また、製品としての完成度が高いため好んで用いている。これの流れを阻止していくためにも日本国内の業者の取締りを強化すべきだろう。
 依然として、わが国には国土を焦土と化すことの出来る武器輸出やその資金たるお金の流れを取り締まってこなかったと思われることがある。
 なぜか日本は、自身の安全保障の問題で緩い考えを支持する人たちが多い。「北朝鮮が攻撃するはずがない」・「中国がわが国を攻撃することはありえない」等、楽観論が跋扈してきた。だから、国民自身も安全保障に関連する機密や部品を法に反すると知りつつ、危険な国に渡してきた。経済優先での考えなのか、それとも、確信的な取引だったのか、今回の逮捕を受けて、警察は核心に触れる捜査をしていってもらいたい。
 梅原仙台市長が、時期市長選への立候補を断念したという。梅原市長は、保守本流の道を歩まれ、経済産業省の官僚時代から、特に、2003年、家族会が訪米し米国政権に対してのアプローチをしてきたときに、在ワシントン大使館の公使として、お世話になり、また、心身両面で家族会の活動に御協力いただいた方だけに残念である。市長となられてからも「拉致被害者救出」のために奔走していただいたことを感謝している。そのような方が、左派の策謀により市長選出馬を断念せざるを得ない状況になったことは残念である。私は、政治家というものは、特に、首長という方々はその地域の安全を考えて行動すべきという考えであり、もとより、他者からの暴力的な不安定化には厳しい措置を取るべきと思っている。経済も福祉も必要だが、安全が保障されなければ経済も福祉も関係ない地域となることを忘れてはならないと思っている。事実、私の家族は現在、日本の経済的な繁栄も福祉の恩恵も受けられない状況である。
 梅原市長には,捲土重来を期し、再起をお願いしたい。



2009.6.30

「取りあえず座り込み回避」

 7月15日に計画していた「特定失踪者問題調査会」と失踪者家族による官邸前座り込みが回避された。官房長官がしばらくペンディングしていた失踪者家族との面会を了承したということで、座り込み回避となった。
調査会の荒木代表は、そのニュースの中で、
「既にお知らせした通り、官房長官との面会は当初3月17日の拉致議連総会の後に予定されていました。直前になって国会の関係で延期になったまま、その日程が決まらなかったものです。すでに3ヶ月余り経過し、依然日程が決まる様子がなかったため、面会の意志なきものと考え、昨日のニュースでお知らせしたように「7月15日官邸近くで座り込みを実施」と発表したところ、日程が決まった次第です(まあ、座り込みとは関係ないのかもしれませんが)。 こうなると何となく強硬策に走る北朝鮮の気持ちが分かったような気がします(「調査会が核保有宣言でもしたら政府は拉致被害者救出に動くだろうか」とか)。一方で政府が私たちにこんな弱腰で北朝鮮相手に大丈夫なのだろうかと不安にもなります。それはともかく、官房長官がお忙しい中会っていただけるのは大変ありがたいことでもあり、当日は参加できないご家族の分までしっかりとお伝えしてくるつもりです(可能な限り文書でお渡しし、その文書は公表します)。なお、これにともない7月15日実施を発表した座り込みはいったん取り止めとします。」
 取りあえず良かったという所だろう。
 官房長官も政局混迷で忙しい中で、面会をするという英断を下したことに胸をなでおろす。
 家族会も何回もお会いしているのではあるが、その効果が表れないことに苛立ちを覚えるのだが、調査会の荒木さんがどのように政府に迫るのか注視しておきたい。
 座り込みという手法はそう何回も使えるものではない。
 3年前、家族会も業を煮やして官邸前座り込みを敢行したが、結局、何も始まらなかったし、何も動かなかった。では、次はどうすればよいのか?
 最終的には、解決までのハンストを官邸前で行うしかなくなる。
 私たちの被害者を救えという要求は、それほど理不尽なものであろうか?そうではあるまい。しかし、実際に動かそうとする政治の決断はあいまいで、昨年は米国の「テロ支援国指定解除」に関しても、政府は容認の形式をとり、家族の気持ちとはかけ離れたものであることを露呈した。
 政府首脳が、家族と同じ思いを共有できないことが残念でならない。
 もう、ミサイルや核開発で「制裁の発動」をするときではなく、「拉致の進展がないことや北朝鮮の誠意のない対応」に対し、全面制裁を課すべき時が来る。
 昨年、8月11,12日の実務者協議で取り決めた合意に違反している北朝鮮の姿勢に対し、政府は何らかのアクションを起こすべきだ。



2009.6.24

「北朝鮮船舶臨検に海自も!」

 政府与党は、「北朝鮮の貨物検査に関するプロジェクトチーム(PT)」を開き、北朝鮮に出入りする船舶の貨物検査を可能とする特別措置法案について、海上保安庁と海上自衛隊の双方が日本領海と公海の両方で検査活動を行えるようにすることで一致した。」ということだ。
 愈々、北朝鮮船舶の臨検方法が固まってきたという感じだ。民主党の鳩山代表も法案成立には協力するということだったので、今国会中の成立が可能となってきた。しかし、そうすんなり「海上自衛隊が出動する法案」が通過するかは不透明だ。
 先ず、社民党と共産党が反対することは見え見えだから、民主党が社民党の反対を抑えることが出来るかにかかっているだろう。
 民主党は社民党との共闘や選挙後の連立まで視野に入れているから簡単には無視できまい。これが、民主党政権になったときの安全保障の点での試金石になることも考えられる。
 もともと、民主党は「国連至上主義」のところがあるのだから、国連決議1874号について履行する方向性で動かなければ、これまでの主張と矛盾を生じる事になる。
 政権担当能力が問われかねない問題となる。
今日付けの産経新聞「【侵食される守り 沖縄米軍基地】(下)チュチェ思想と反基地運動
の中で、驚くほどの北朝鮮よりの人たちの存在を知る。記事はこうである。
(前略)「日本キムイルソン主義研究会が今年4月に発行した雑誌「キムイルソン主義研究」(129号)に「未来社会をさし示す朝鮮社会主義」と題する座談会が掲載された。 出席者は2月12日から3月4日まで21日間にわたって訪朝したチュチェ思想研究訪朝団(6人)団長の高良有政氏と副団長の仲村芳信氏。さらに司会役には沖縄チュチェ思想研究会員で同全国連絡会会長の佐久川政一氏の姿もあった。 その報告座談会を読むと、まず佐久川氏が「アメリカや日本は(人工衛星を)ミサイルと決めつけ、反朝鮮キャンペーンをあおっています。こういう状況の中でチュチェ思想を広め、日朝友好を進めるものです」とあいさつ、さらに「北朝鮮には失業者はいない。政治と人民が一体となった“理想国家”」「外国の侵略をはねのける武力が不可欠」(仲村副団長)、「世界中が不況の中で不況知らずの北朝鮮は100年に1度の奇跡」(高良団長)といった、かつて共産圏国家でよくみかけられたプロパガンダ(宣伝)が続いた。
 佐久川氏は沖縄における反戦平和、そして反基地運動の中心的人物の一人で、自身が学長だったこともある沖縄大学公式サイトでは「憲法を専門としながら沖縄の地に根ざした平和運動を一貫して続けた」と紹介されている。昭和57年、基地撤去を目指す団体として「一坪反戦地主会」が結成されると即座に参加した。(中略)
 沖縄の反戦平和が、その対極ともいえる核開発やミサイル実験に力を注ぐ北朝鮮をなぜ擁護しなければならないのか。この疑問に対して佐久川氏は次のように答えた。
 「それは沖縄問題を考える上で(北朝鮮前国家主席の)金日成のチュチェ思想が非常に参考になると考えたからです。『沖縄と日米』『北朝鮮と日米』という類似性に気づくと非常にわかりやすい。北朝鮮は主体的に植民地支配を脱した。かつて大田(昌秀)知事は私たち学者を訪米団として派遣し、そんな北朝鮮はアメリカにとって脅威ではないと説明して回ったことがあるほどだ…」
 当時の県教育文化資料センター事務局長の久高賢市氏は「敵は社会主義国北朝鮮にあらず、脅威論を展開し軍事的緊張関係を継続させようと喧伝(けんでん)し、沖縄の米軍基地を固定しようかとする輩(やから)にあるのだ」(後略)―――――――――。
 いやはや、驚く内容だった。この中で面白いと感じたのはこの言葉だ。―「北朝鮮には失業者はいない。政治と人民が一体となった“理想国家”」「外国の侵略をはねのける武力が不可欠」(仲村副団長)、―
 おそらくこの方は、日頃から「日本の自衛隊」の存在を否定し、日本が海自を使って臨検を行おうとするときには、戦争につながる法案には反対と唱えるのだろうが、北朝鮮が武力を持つことには大賛成と読み取れる。全く、どこの国の人間なのかわからない。日本は侵略されようと破棄されようと武力を行使してはならないが、北朝鮮には権利があるということだ。
 さらに、「理想国家」とまで礼賛し、強制収用所で苦しむ人民が存在しないかのような発言ではないか。北朝鮮人民が苦しんでいることは周知の事実であるが、それにも目をつぶり金正日を褒め称えている。理解に苦しむ考え方だ。
 正直、沖縄大学に進まなかったことを良かったと思う。ま、北の大地にも似たようなところはあるのだが・・・。



2009.6.23

「弱気になった?北朝鮮!」

 北朝鮮の『労働新聞』は22日論評を発表し、「米国は全く存在していない脅威を口実に、韓国に対して『核による保護』を行うことは、朝鮮半島で核戦争を引き起こすためだ」と非難した。論評は、「米国は韓国に『核による保護』を行うことは、先制核攻撃を行おうとする企みであり、北朝鮮が核兵器を放棄することを求めている。北朝鮮はすでに核保有国であり、米国はこの事実を無視し、朝鮮半島で戦争を引き起こそうと挑発すれば米国も無事では済まない」としています。
 北朝鮮の労働新聞での論評だから、あくまで参考としているのだが、これまでの北朝鮮当局の論調で、本気で戦争を仕掛けるときには、もっと激しい言葉を投げかけるか?もしくは、粛々と作戦を遂行するものであったが、余程米国の武力を恐れたものであろう。脅しをかけて、何とか米国の制裁をはずそうと必死な気持ちに満ち溢れている。
 悲しくなるほどの哀れな気持ちが見え隠れする。
 現在の力関係で、韓米軍と北朝鮮軍では人員こそ北朝鮮は総動員して120万とも言われる軍隊を有するが、重油不足で走らない装甲車や戦車、訓練すら出来ない空軍がF16やF22といった近代兵器に勝ることはありえない。
 唯一、核ミサイルだけが最初の一撃で打撃を与えることが出来る。しかし、2回の核実験ではその性能は疑わしい限りだ。
 勿論、私は反戦論を唱える。私が許せないのは金正日政権とそれを支える一部の為政者達だ。だからこそ、脱北者との連携を試み、北朝鮮人民の悲哀を嘆いている。
 日本では、北朝鮮人民の言葉を無視して、北朝鮮に対して融和的な論調しか述べない人たちがいる。家族会が唱える当たり前の「制裁論」さえ否定し、当たり前の要求をすべきではないという。
 しかし、人は家族を守るものだ。仮に目の前で娘が乱暴されようとしているときに、遠回りに「止めろ!やめろ!」ばかりいって何もしようとしない家長がいたとしたら、其の家長は家族の信頼を失い、家族の中での地位を失っていくことは明らかだ。
 家族がおぼれていたら、先ず、水の中に飛び込んで救い出そうとするはずだ。
 私には、現在のところ、家族を救う手段が「制裁」という圧力しか浮かばない。それが、家族を救う一番の早道と思うから。
 リスクを考えながら、怖い思いをしながら、家族が「制裁」を説いていることを考えて欲しい。



2009.6.22

「追い詰められている北朝鮮!?」

 このような論評が表れ始めてきた。北朝鮮の暴走が不可解なところからくる憶測と思われるが、本当に北朝鮮は追い込まれているのだろうか?
 これは、誰にもわかるものではないが、もし、そうであるなら北朝鮮政権の崩壊も見えてきているということだろう。
 国際世界食料計画(WFP)の発表で、「餓死者の発生が危ぶまれる」とある。WFPの発表は常に「北朝鮮は食糧不足」、「早期の食糧援助が必要」というものである。
 北朝鮮住民から「米国の食糧支援に関する話や質問が多く聞かれ、米国の食糧支援が中断された理由を尋ねたり、何時再開するかという質問を受けることも多い」と報告している。確かに、北朝鮮の食糧事情が良くなっていないことは事実だろうが、ここで、考えてみなくてはならないことは、北朝鮮公民は外国人と自由に話をしてはいけないことになっている。もし、それが出来るとすれば意図的に北朝鮮政府が人民の口を通して言わせている場合が考えられるということだ。北朝鮮政府の許可を受けた人民ということは党幹部か軍幹部の関係者ということになる。
 これまで、WFPはモニタリングを完璧にこなしてきているといってきているが、脱北者たちの話では、そういった「支援米」を見たことはないというほうが多い。見たという人の中でも「配給された食糧は、モニターが去っていったら直ぐに軍部に持っていかれた」という話を聞いている。どちらが本当なのかは誰も知る由もないが、北朝鮮政府が核実験やミサイル実験を即座に止めて、其の費用を国民の職を保全するために回せばよいことではないか。
 これまで、世界中の善意が金正日政権に利する状況を生み出してきたことを考えるべきだと思う。WFPも金正日政権に対して提言を行うべきで、やるべきことをやるべきだ。
 政治には関与しないというが、目の前で餓死者が出る状況と「核開発」で多額のお金を散在することをみていたら、政権担当者に対して提言して行くことが必要だろう。
 WFPがそのような提言をしてきたとは思えない。
 以前、国境なき医師団のフォラツェン氏が「北朝鮮国内にいるNGOやNPOのあり方」に疑義を呈したことを思い出す。
 目前で「おぼれる人たちがいて、体制だけを救う方法しか選択していないのではなかろうか」
 本当に、餓死者の心配があると言うことであれば、金正日政権に対して、世界中から集めた食料の炊き出し方式を持ちかけることも考えられる。
 これを了承させることが出来れば「やさしい日本人の中には協力する方々がいる。」
もし、本当に北朝鮮が炊き出し方式の食糧援助を認めるのであれば、私もボランティアとして北朝鮮国内に入ってもいいとさえ考えている。



2009.6.19

「不思議な現象!?」

 蓮池透氏があちこちで、「制裁より宥和」と説いて回っているようだ。彼の言い分では、以前は冷静でなく、よく理解しないで「制裁発動」を提言していたが、冷静に考えると「制裁より宥和」・「先ず、わが国が北朝鮮に対し譲歩をするとき」との論調らしい。
 しかし、家族会の総意は家族会総会で確認していることだが、1、訪朝はしない。2、すべての被害者を救出するには「制裁の発動」という圧力が不可欠。というものであることは間違いない。
 即ち、家族会の総意とはかけ離れたいや全く逆の論調を張っていることになる。
 ここで、不思議なのは、未だ帰国をはたしていない「拉致被害者」の家族が北朝鮮に対し、厳しい制裁を望み、帰国をはたしてしまった家族会の一部が「宥和」を唱えていることだ。
 帰国していない被害者の家族は、北朝鮮にいる被害者に危害が加えられるかもしれないというリスクを持ちながら、「制裁の発動」という厳しい道を選択し、リスクを持たない帰国被害者家族の一部が、有識者然として「宥和」を叫んでいることだ。
 リスクを持たない人が北朝鮮寄りの発言をし、リスクを有する家族会が「制裁」を叫んでいることだ。
 これは、金賢姫の件とも似たところがある。金正日の命令で家族を失った家族の一部が、「金賢姫は偽者」と叫び、本来ならば無罪を主張してもおかしくない元被告が「私は有罪!」と叫んでいる。
 ともに、金正日の犯罪を糾弾しようとする側が厳しい意見を言い、リスクを負いながら世論に訴えている。
 日本国内では、何のリスクもない方達が「宥和」を叫ぶ構図が北朝鮮を利するものだということがわからないのだろうか。
 彼らの論調では、「制裁の発動で、核実験は止められないではないか。核実験を止めるためには対話をしていくべき」ということだが、北朝鮮のペースで交渉をしていっても何等うることのなかったことは歴史が証明している。
 勿論、家族会も「対話していかなければならない」という思いは強い。しかhし、北朝鮮ペースでの対話は意味がないことを何回も経験している。だからこその圧力優先の制作が是を思っている。極めて冷静に判断しているのだが。
 今、北朝鮮が「核実験」や「ミサイル実験」をしているのは、制裁のせいではあるまい。なぜなら、ブッシュ政権末期に米国が示した路線に沿うようにしていけば、いずれ六者協議の中で圧力を唱える日本政府に対し、米・韓・中・露から日本政府へ譲歩を求める圧力がかけられていたはずであるが、北朝鮮はそれを模索せずに瀬戸際外交を選択している。
 これは、偏に北朝鮮の国内事情によるものとしか思えない。加えて言えば、融和的に動いた結果が「核の開発の時間」を与えてしまった事実を無視してはいないか。



2009.6.17

「やはり確信犯のようである。」

 6月13日付けの朝日新聞に「オピニオン寄稿北朝鮮と交渉せよ」と題し、田原氏が論評している。北朝鮮問題での考えをまとめたもののようだ。
 田原氏といえば、先の「朝まで生テレビ」の中で、「横田めぐみさんも有本恵子さんも死んでいることは外務省も知っている」という舌禍事件を起こした人だ。
 其の田原氏が、朝日という然もありなんという紙面で今度は、「5月19日、中曽根弘文外相が記者会見で、『外務省は安否不明の拉致被害者はすべて生存しているとの立場、前提に立っている』と表明した。この言葉を条件にする限り、北朝鮮が交渉を受け入れるはずがない。つまり、事実上交渉を先延ばしすることに気づいてないのだろうか。北朝鮮と交渉しないことを強硬姿勢とでも錯覚しているのだろうか」ときた。
 では問いたい。この言葉を条件にしないでどの言葉を条件にせよというのか?
 「死んでいるということを知っているから、どうやって死んだのかを納得させる方法で証明しろ」を条件にせよといっているのか、それとも「被害者の生死は関係なく、『国交正常化を推進すると』いう条件にせよといっているのか?
 文章を深く洞察できない私には、後者に聞こえる。つまり、被害者は如何でもいいから話し合いを持とう」ということを前面に出すということだ。
 本当にそれで北朝鮮の交渉が正しい方向に持っていけると考えているのだろうか?
 -それでは、北朝鮮は喜んで再び虚偽の説明を繰り返し、威嚇をしながら交渉のテーブルに着くことだろう。
 私たち家族も北朝鮮との交渉はあってしかるべきと考えるが、最低の原則を崩すような形での交渉は日本に何等利することはないから、圧力をかけよといっている。
 最低の原則とは「拉致問題の解決なくして、日朝国交正常化なし」という国民の多くが当然、思っていることを言う。
 これでは、国交正常化のためには被害者の犠牲はやむをえないと聞こえる。
 もともと田原氏は、北朝鮮の宋イルホとの長時間の話合い(酒を交えたものたであろう)の中で、真面目な詐欺師の言葉を信じきった形跡がぬぐいきれない人物だ。
 それならば、宋から何を聞いたのか。何が田原氏を持って「被害者の死」を納得させる説明であったのかを明白にしていくべきだ。其の根拠も示さずに、日本政府でさえつかめない被害者の安否を日本国民に垂れ流すことは、北朝鮮の工作員と言われても仕方なかろう。その根拠は宋との約束で示せないということであろうか?
 守秘義務というものが在ることは知っているが、国益に沿わない約束をしてくるべきではなかろう。
 はっきりと根拠を示し、納得のいく説明をしてもらいたい。
 それが出来ないなら、北朝鮮のプロパガンダに走る人物は、金正日政権の擁護者であり、確信的に日本を危ない方向に持っていくことになる。そして、北朝鮮人民をも見捨てる非人道的なジャーナリストとなる。



2009.6.16

「日本政府が単独制裁を強化」

 今日、閣議決定によって、わが国単独の北朝鮮に対する制裁強化がなされた。国連に先んじて制裁強化を開始すべきだったが、遅くなったとしても、閣議決定されて実施されることは評価したい。
 一部有識者といわれる方がたは、「日本の経済制裁は効果がない」という声もあったが、脱北者の話によると実際は効果があるということなのだ。
 何時だったか、テレ朝の「朝まで生テレビ」に出演した際、オープニングに入る前、田原氏が吉田康彦氏に対して、「ついに『制裁解除も真近い』と言っていた」事を思い出す。
 どうしても、制裁解除して欲しかった側の人たちからは、昨年の8月の「日朝合意」から「制裁解除」に向っていることを喜ばしく思っていたことは間違いなかろう。
 現在では、制裁解除どころか強化という方向に向っていることを田原氏はどのように思っているのだろうか?
 今、わが国がやるべきは、日本の意思を明確に打ち出していくことであろうし、効果がないということであったなら、効果があるように実施していくことを心がけるべきだ。
 外務省の一部には、「今回の安保理制裁決議の発動を受けて、更なる強硬路線をとっていくことが考えられる。そのときに、日本独自の制裁強化案を残しておくべきである」と鋳物があるが、追加制裁には現行の法律で出来るものはまだまだ多く存在する。
 例えば、送金停止・北朝鮮に渡航した在留外国人の再入国許可を拒否するなどなどだ。
 それでも北朝鮮が動かないというのであれば、実効性を伴うように中国に対する圧力を強化する方法もある。
 確かに、中国の巨大市場は魅力のあるものかもしれないが、国を売るような商取引を励行するような行為に関しては厳しい目を向けていく方向で考えることも必要だろう。
 最終的には、平成14年9月17日に小泉元総理が訪朝し、サインした「平壌宣言」を無効と表明することだってありうる。
 元々、北朝鮮は宣言破棄を繰り返しているではないか?それでも北朝鮮政府が「平壌宣言破棄」を明確にしていないということは、北朝鮮にとって必要な宣言だからであろう。
 その宣言をわが国から、北朝鮮の宣言違反を理由に無効をちらつかせることだって出来るはずだ。
 家族会は、北朝鮮人民に対して何等敵対心を抱いているわけではない。北朝鮮人民の解放を願っていることは間違いないし、人民に対する憐憫は維持し続けている。
 間違った為政者をもった北朝鮮人民に対し、同情している。だからこそ、金正日政権に対する厳しい制裁を願っている。
 国際社会がもっと、北朝鮮内部で起こっている「人民に対する虐殺」に目をむけ、動いていかねばならない。



2009.6.15

「戸籍回復」

 昨日、日曜夕方、鹿児島家庭裁判所から判決文が届いた。昨年から申したてていた姉・るみ子の戸籍回復の結果である。
 判決文は以下に記しておく。
申立人      増元照明
事件本人     増元るみ子  昭和28年11月1日生まれ

主文
鹿児島家庭裁判所が昭和61年8月19日にした事件本人に対する失踪宣告を取り消す。
理由
第1 申し立ての趣旨
   主文同旨
第2 当裁判所の判断
 1 一件記録によれば、以下の事実が認められる
(1) 事件本人は、昭和53年8月12日、鹿児島県日置市(当時日置郡吹上町)で、友人の市川修一と共に消息を絶った。
(2) 事件本人の実父は、事件本人に対して、失踪宣告を申立て(当庁昭和60年(家)第ーーーー号)、鹿児島家庭裁判所は、昭和61年8月19日、事件本人が昭和53年8月12日以来7年以上生死不分明であるとして、失踪宣告の審判をした。同審判は同年9月14日に確定し、事件本人は除籍された。
(3) 朝鮮民主主義人民共和国(以下「北朝鮮」という。)は、平成14年9月17日、第一回日朝首脳会談において、事件本人を含め、昭和50年代に行方不明となった複数の日本人の拉致を認めた。
(4) 北朝鮮から提供された情報によれば、事件本人は、昭和56年8月17日に死亡したとされているが、日本政府は、事件本人について北朝鮮から提供された情報には、客観的な裏づけに欠けるなど疑問点があるとして、事件本人について現在安否不明としている。 
 なお、事件本人は、平成15年1月1日に施行された、北朝鮮当局によって拉致された被害者等の支援に関する法律(平成14年法律第143号)2条に基づき、内閣総理大臣によって、いわゆる拉致被害者として認定を受けている。
(5) 北朝鮮に拉致され平成14年10月に帰国した蓮池祐木子は、昭和53年10月か     ら昭和54年10月25日まで事件本人とともに平壌市内の招待所で同居していた旨の陳述をしている。
2 上記認定事実に加え本件にあらわれた一切の事情を考慮すると、事件本人については上記失踪宣告の審判において生死不分明とされた昭和53年8月12日以降における生存の事実を推認することができる。本件申立てを認めるのが相当であり、主文のとおり審判する。
   平成21年6月11日
     鹿児島家庭裁判所
      家事審判官  ○  ○  ○  ○
  上記は謄本である。
同日同庁
  裁判所書記官    ◇  ◇  ◇  ◇

裁判所の判決文にしてはわかりやすく思える。
今後、失踪宣告を受けている「特定失踪者」の戸籍回復に向けての道筋を付けたいと思ったが、判決文にあるように「政府が認定」あるいは「北朝鮮が認めた」というハードルが解消されるか疑問だ。
 やはり、早期にすべての被害者を取り戻すことが喫緊である。



2009.6.11

「中国の制裁決議に対する躊躇は中国の勝手な国益だ」

 国連安全保障理事会で、今般の北朝鮮による「核実験実施」を受けた「制裁決議」が合意を得たようだが、北朝鮮の核実験から3週間近くを要した国連安保理制裁決議だが、迅速に対応できない国連の機能が現在の北東アジアの現状を生んでいる。
 偏に、中国の国益だけの問題で「拒否権」を発動する姿勢の問題点を露呈している。元より、国連のあり方事態が問われ兼ねまい。
 戦勝国を中心に形作られた国連と言うシステムだが、国の形や利益が変化している状況において、何時までも主要5カ国が政策決定や決議に強い拒否権を行使できる形式はあらためるべきではなかろうか?
 戦勝国といっても、本来、中国共産党は世界大2時対戦の戦勝国とはいえないと思うのだが、主要5カ国として地位を占めていること事態が不思議だ。さらに、泥棒のように終戦真近に参戦し、略奪を繰り返したソ連の後を継いだロシアの世界の平和を構築しようとする国連という組織での発言権の強さも異常だと思う。
 国連そのもののあり方や組織編成を根本から変えていかなければ、今後の世界の平和を構築する上で大きな障害となることは明らかだろう。
 はたしてこれまで国連という機構が世界中で繰り返される紛争の終結にどれだけ即効性のある働きをしてきたというのか?
 中東や欧州での紛争には力を注いできたが、アフリカや東アジア特に北朝鮮国内での異常な人権侵害に関しては、何もできなかった。
 中朝国境では、現在でも脱北者の悲惨な状況が放置されている。これも中国政府の人権に関する世界の意思と反する行動である。
 今回の安保理決議に当初入れてもらうように要請した「北朝鮮による拉致問題」も「人道的問題」とあいまいな文言に終わったのも、中国の大きな反意があったと聞く。
 日本の外務省は、日本国民に対し「六者協議の中でも、世界中に日本の立場を理解いただいている」と説明してきたのだが、結局、何の理解も得られていなかったと言うことだろう。
 外交の世界で通用する美辞麗句も、国益が錯綜する真実の舞台では一顧だにされないことが露呈した。「もはや、理解されている」という言葉で国民をはぐらかすことをして欲しくない。
 世界に理解されていない問題に対して、日本国が独自で解決していく方向を見出してもらわねば、これから先、何年かかって被害者救出に結びつくのか、途方にくれることになる。



2009.6.10

「北朝鮮の本音」

 北朝鮮の政府機関・労働新聞の中で「米帝国主義は戦争という賭けを行わないほうが良い。自滅を招くだけだ」と主張している。
 この真意は、「アメリカさん、戦争などという武力攻撃で私たちをいじめないでね。私たちは戦いたくないし、戦う力はありませんので、お願いだから武力攻撃だけはしないでね。」という解釈になる。

 東方早報など中国メディアによると、北朝鮮内閣機関紙の「民主朝鮮」は9日、「わが国への先制攻撃には、先進的兵器の先制使用で応じる」などとする記事を掲載した。
同記事は、「核抑止力は地域の保護と平和、及び報復のための強力な手段だ。朝鮮(北朝鮮)は尊厳と主権を侵害する者を容赦しない」などと論じた。
中国メディアは、国連安保理で制裁方法が、早ければ10日にも決まるため、北朝鮮が「核を先制使用すると大言壮語(揚言)している」と評した。
 中国メディアはこのところ、北朝鮮側の強硬な主張を「揚言」と評することが増えている。中国語の「揚言」は、「声を張り上げて言いふらす」、「大言壮語する」、「デマを流す」といったニュアンスだ。
――――――――――――――――――――サーチナ引用

 中国でさえ、「大言壮語」と言う判断をしているこの言葉を通訳するとする。
 以前、調査会の荒木代表は「北朝鮮の発表はすべて裏があると思ってよい。その真意は、逆のことを意味することが通常である」と言っていた。その言葉から類推すると冒頭の解釈となる。
 北朝鮮が報道でも何でも、米国に対する言葉は苛烈なものだったが、「米帝国主義は戦争という賭けを行わないほうが良い。」というのは、これまでになく弱気な発言であると思う。
 これまでであったら、「しないほうが良い」と言う代わりに「やったらやり返す」としか言ってこなかった。それが、「しないほうが良い」という少しトーンを落とした言葉を使うこと事態、北朝鮮が米国の武力制裁を恐れていると言う心の表れだろう。
 世界の常識として、北朝鮮の武力と米韓の武力を分析すれば圧倒的な差があり、北朝鮮が少々抵抗したとしても、結果は見えている。
 そこまで北朝鮮政府も軍もおろかではあるまい。かといって、北朝鮮のことだから安心は出来ないのだが、北朝鮮の恫喝に屈しては今後何も解決を見ないのは歴史が証明している。
 本当に厄介な集団である。



2009.6.5

「金正日は死亡したのか?」

 マカオにいる金正日の長男・金正男の側近が平壌で粛清されつつあるとの報道がある。金正男が、後継者レースから外れたということが大きな要因と見えるのだが、金正日が生存していて、息子である金正男をパージできるのだろうか?
 確かに、金正日自身、腹違いの弟・金平日を国外へ追放するような形で、ポーランド大使として赴任させているのだが、殺すことはしていない。
 現在の状況で、金正男の側近をパージしているというのは、どうも解せない。これが事実なら、北朝鮮にいる金正男の側近達の多くが亡命を試みるであろうし、マカオの側近達も北朝鮮へ帰らずに亡命することも考えられる。
 そのような事態を金正日が生存中におこさせるとは考えにくい。
 もっとも、まともな集団ではないので、私のような凡庸な人間の考えもつかない自体が起きる可能性もあるだろうが、解せない。
 これが事実であり、政権中枢にいた人間が多く「脱北者」となっていけば、拉致被害者に関する情報があらゆるところから飛び出てくる可能性が高くなると思う。
 また、金正日の健康に関する情報も噴出していくだろう。
 私自身は、情報の噴出を願うものであるから、北朝鮮の粛清の動きは興味深いものだ。



2009.6.4

「自民党は自ら政権を手放すようだ。」

 自民党が「世襲問題」で再びぶれた。
 次の選挙から実施しようとした「同一選挙区の世襲候補の公認を認めない」という案を自ら覆し、次の選挙では見送る方針を示した。
 世襲に関しては、私にもその功罪はわからないが、一度、示唆した方針を変更するという姿勢は、その世襲という議員本人の利益にもつながるといわれた問題である。
 民主党は、すでに「世襲議員の制限」を公約としてあげている中での、自民党の混乱は、有権者に生嫌悪ブレを感じさせ、総理の指導力の低下を感じさせる。
 良きにつけ悪気につけ、国民は強いリーダーシップを持った総理を望んでいるのは明確だ。そこで、政権政党がこのように右往左往していては国民の支持は受けられまい。
 鴻池氏の問題といい、今回のドタバタといい、自民党は次の選挙で勝とうとする危機感が余りにもなさ過ぎる。
 そんな中、本日、北朝鮮では先に拘束した米国人記者2んの裁判が始まる。
 4日午後3時から、北朝鮮の平壌において今年3月に北朝鮮政府に拘束された米国人記者2人の裁判が開始されると北朝鮮の朝鮮中央通信が伝えている。
 これに先立ち、米国ニューヨークで「2人の解放を求める集会」が開催された。その中で、拘束されている記者・ローラリンさんの姉が音声で参加、伝えたことによると、「リンさんは、非常に怯えており、スウェーデン政府の計らいによりなされた電話会談の中で『米朝による直接対話が2人の解放につながる。他国の関与がない米朝対話だけだ』と訴えていた」というものだ。
 北朝鮮では、北朝鮮政府の許可のない発言は出来ないし、電話することを許可したこと事態が、北朝鮮のメッセージを伝えるためのものであることは明らかだ。
 しかし、北朝鮮はここまで追い詰められているということではないか?
 卑怯な北朝鮮が拘束した2人の記者を利用し、米朝対話につなげようとする姿勢が見える。拘束記者の口を通じて、米国を恫喝している現象は、中東のテロリストグループが誘拐した人間を使い、政治的な要求をしていることと全く変わらない構図である。
 そのような策まで弄して、米国に振り向いてほしいというのは、自国の状態が切羽詰った状況によるものだと喧伝しているのだから、北朝鮮政権の危うい状況が見てとれる。
 これで、拘束が完全なテロであるという事実を浮き彫りにしたわけだが、これに対し米国はどのような反応をするのであろうか?
 直接の北朝鮮との対話は非常に危うい面もあるが、救出するまでは北朝鮮の要求に従い、直接対話をせざるを得ないだろう。その対話の中で、北朝鮮の弄する罠に陥らなければ良いが、お人よしの米国民主党政権が陥る可能性はきわめて高い。
 今日の裁判の結果次第では、2人の記者の救出に武力を使用することも考えられるが、現時点でその選択肢はあるまい。
 わが国は、なんと平和なのだろう。



2009.6.2

「朝鮮総連の見解」

 昨日のHPで朝鮮総連が今回の「核実験」に関して、どのような見解を示しているのか?
という疑問を呈したが、あるところから、国会議員への呼びかけとして、5月29日付けの「北朝鮮外務省スポークスマン談話」を「今後の朝鮮半島の行方を見極める上で非常に重要な文献と紹介し、全文を送りつけている。
 その内容は、「核兵器開発が当然の権利」と嘯き、4月5日の「ミサイル発射」をあくまで「衛星」と言い張り、核保有さえ「正当防衛措置」として正当性を言い連ね、制裁強化を考案中の国連安保理に対し、恫喝を加えているものだ。

参考:北朝鮮スポークスマン談話抜粋
われわれは領土も小さく、人口も少ないが、政治・軍事的には堂々たる強国だという自負と胆力を持っている。
 第2に、国連安保理が宇宙条約に違反し、主権国家の自主権を侵害した罪に対して謝罪し、不当に作り上げたすべての決議と決定を撤回することを求める。  「国際平和と安全に対する脅威」がどんなものかということを規定する権限が拒否権と核を持つ常任理事国にだけ与えられているかぎり、国連安保理はこれらの国の威嚇行為に対してはいつになっても問題視できないようになっている。
 国連安保理がわれわれの正当な要求に応じないかぎり、われわれは今後も理事会の決議と決定を認めないだろう。  第3に、国連安保理がさらなる挑発をしかけてくる場合、それに対処するさらなる自衛的措置が不可避になるだろう。
 世界規模での冷戦終結は大国間に限るものであって、朝鮮半島では冷戦がそのまま持続している。
 国連安保理が作り上げた「国連軍司令部」は朝鮮停戦協定を締約した一方である。
 国連安保理の敵対行為は停戦協定の破棄となる。世界はこの先、われわれが国連安保理の強権と専横にどのように最後まで立ち向かって、自らの尊厳と自主権を守るかを見ることになるだろう。

 この文章を国会議員へ送りつけているということは、朝鮮総連も北朝鮮政府と動揺の見解であり、立場を鮮明にしたということである。
 即ち、総連は世界中から批難されている「核実験」を擁護する立場にあるということだ。
日本人と同じ領土に住み、北朝鮮の核攻撃からも同様にさらされる総連の組織員をも危険にさらすことに賛成ということだ。
 これを国会議員に送りつけて「北朝鮮の危うい性格」を言い張り、弱腰の国会議員たちの「北朝鮮擁護論」を引き出そうとしているのであろうが、今後も恫喝が功を奏すると考えているようでは見誤る。
 国際社会は、小国の北朝鮮が核を保有することを認めることはない。特に、米国は北朝鮮の核保有を認めることは、イランの核開発を促進させることになると警戒するから、絶対に認めない。そのような中で、わが国も自国の安全保障の問題で引くことは出来ない。
 総連のおろかな行為に呆れる。



2009.6.1

「ならずもの集団「北朝鮮」」

 北朝鮮がここに来て、挑発的行為を繰り返している。呆れてものも言えないが、日本在住の朝鮮族は何も反応していない。朝鮮総連の機関紙「朝鮮新報」では、北朝鮮政府の論調を掲載し、朝鮮内部での各地祝賀会の模様を伝えるだけで、批難も批判もしていないところを見ると、朝鮮総連も北朝鮮政府と同じ考え方であるということだろう。
 しかし、考えてみよ!
 仮に、北朝鮮がわが国領土に向けて「核弾頭付きミサイル」を発射した場合、わが国に居住する朝鮮族の人間も被害をうけることになる。北朝鮮の核は、現在のところ数発と言われており、そのすべてを打ちつくしたとしても、わが国を完全に破壊することは出来ない。
 その場合、当然のように米軍や韓国軍が国際的な支持を受けて、日本の自衛隊と共に北朝鮮への報復攻撃に出ることは明らかだ。また、日本国内にいる朝鮮族の人たちに対する日本国民の非難の目は厳しいものになる。
 そうなったとき、朝鮮族の人たちはどのような行動に出るのだろう。
 今は、総連も北朝鮮の暴挙に対して非難の声と抑制の要請を発していくべきときではないか?
 最近、北朝鮮内部における「朝鮮総連」の立場は著しく低下していると聞く。北朝鮮政権は、日本国内にいる朝鮮族のことなど歯牙にもかけず、非道な行為を断行する可能性もある。
 このまま、北朝鮮政権が危険な「チキンゲーム」を続けるというのであれば、国際社会の軍事オプションをも含む制裁が過熱する可能性すらあるというのに、祖国の存亡を座して見過ごす総連の罪は重かろう。



2009.5.25

「盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の死後に核実験」

 韓国の前大統領・盧武鉉氏が自殺して、韓国国内に動揺が走っている状況下で北朝鮮が「核実験」を断行したことは、韓国社会の左派への裏切り行為となるのではないか?北朝鮮は、これを機に韓国社会にさらなる動揺を与え、李明博政権を追い詰めていくことまで考えての行為ではなかろうか?
 しかし、これは逆作用として韓国社会に働きかけることになる。李明博政権は、これまでの北朝鮮の挑発外交に屈することなく、北朝鮮への圧力強化に動くであろうし、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の進めてきた「宥和政策」に対する批判が大きくなることにつながる。これでは、盧武鉉(ノ・ムヒョン)前大統領の自殺を受けて李明博せ意見を追い詰めようと画策する韓国の左派勢力の勢いを削ぐことになり、左派勢力にとっては困った事態につながっていく。それを無視して「核実験」を断行したことで韓国国民がさらに目覚めることを願う。
 勿論、米国に対するメッセージでもあるが、さすがのオバマ政権も、勧告を無視し、暴走を続ける北朝鮮に対し、「対話路線」の見直しをせざるを得なくなる。
 どこまで迷走を続けるのか、国際情勢の分析能力に欠ける北朝鮮の政権が追い詰められることは間違いなかろう。
 北朝鮮が「核実験」を強行するという予測や観測はなされていたにもかかわらず、国際社会、特に中国が何も動いてこなかったことは大きな問題だ。
 先の安保理でも北朝鮮を擁護して来た中露の責任は大きい。



2009.5.22

「朝鮮総連の役割」

 今朝の産経新聞に、「北の経済「宮廷」と「人民」に分離 元外貨管理部幹部が証言」と題した
記事が載っている。北朝鮮には、宮廷経済と人民経済とが存在し、日本の朝鮮総連がこの「宮廷経済」を支える主柱の一つであったことを告白している。
告白しているのは、北朝鮮中枢の外貨管理部門で長年、働いていた金光進氏である。金氏は、
「金光進氏は朝鮮労働党組織指導部の国家保険機構で主要諸国の大手保険会社から外貨で高額保険金を獲得して総書記に供する任務にあたっていたが、2003年に国外に亡命し、韓国などを経て今年春からワシントンの「北朝鮮人権委員会」の研究員となった。金氏はまず北朝鮮の近年の経済構造について「内閣が統括する一般の『人民経済』と、外貨を得る企業、産業のほぼすべてと兵器産業を統括する『宮廷経済』が存在し、外貨に依存する後者は労働党中央委員会から金総書記に直結し、その政治・軍事独裁体制を支えている」と解説した。金氏によると、日本の朝鮮総連による送金などの財政貢献はすべてこの宮廷経済を支える財源となっており、外貨全体の実に20〜30%が日本からの送金、寄金でまかなわれてきた。
同氏はさらに日本に関連して、(1)北朝鮮の外貨送金受け入れの朝鮮合営銀行は事実上、朝鮮総連の財政支援で運営されてきた(2)朝鮮総連系の保険会社「金剛保険」は北朝鮮の国家保険機構と連携し、不正手段をも含めて金正日体制への外貨稼ぎに協力してきた(3)金総書記の拉致自認後、日本からの資金流入や貿易収入は減り、金総書記個人への大きな打撃ともなったが、韓国からの外貨流入の増加でなんとか危機を乗り越えてきた(4)北朝鮮の兵器産業は核やミサイルを含めて関連の技術、部品、資金を1990年代末まで日本から広範に得ていたが、現在では中国からがほとんどとなった−などと述べた。」

と述べたと書かれている。
これが事実とするならば(おそらく事実であろうが)、朝鮮総連は北朝鮮の犯罪を補助する立場にあったということだ。特に(2)朝鮮総連系の保険会社「金剛保険」は北朝鮮の国家保険機構と連携し、不正手段をも含めて金正日体制への外貨稼ぎに協力してきたことは問題である。金氏がいうように「不正手段を含めて」というのであれば、朝鮮総連は日本に拠点を置き、世界の主要保険会社から詐欺まがいの行為までしていたことになる。
 日本の警察はこの情報をどのように活用していくのであろうか?金正日の資金の多くを朝鮮総連が調達していたことを考えると、その下部組織であった「朝鮮銀行の破綻」に伴い、日本人の血税がつぎ込まれた(1兆4000億円ほど)事実はどうなるのであろう。
 この血税の導入に力を入れていた政治家がいたということも事実として認識しなければなるまい。日本は、かつて「テロ国家・北朝鮮の支援国」であったということだ。



2009.5.19

「外務省ははっきり否定!」

 今日の外務大臣定例記者会見において、「田原氏の発言」に対する外務省としての公式見解が出された。

田原氏発言は全くの誤り、努力している多くの方に対して失礼−中曽根外相
中曽根外務大臣会見要旨
○北朝鮮問題
【問】テレビ朝日の番組で田原総一朗氏が、横田さんと有本さんが亡くなっている、そして、外務省も生きていないことが分かっているという趣旨の発言をされたようですけれども、外務省の見解は如何でしょうか。
【大臣】私もこのことを聞いた時には大変遺憾で、残念に思いました。非常に誤解を与えるような発言で、外務省の立場は皆さんもご承知の通り、外務省作成の拉致問題のパンフレットにも明記されていますけれども、北朝鮮側による納得のいく説明がなされていない以上、安否不明の拉致被害者は全て生存しているとの立場、前提に立って、北朝鮮側に対して全ての被害者の安全の確保、即時帰国、真相の究明、被疑者の引き渡しを強く要求するもので、それが我が国の立場であります。従って、田原氏の、外務省も(拉致被害者が)生きていないことは分かっているなどという発言は全くの誤りであり、大変遺憾であります。私たちとしては拉致被害者の一日も早い帰国を実現すべく努力をしている訳であります。新聞にも釈明みたいなものが載っていますけれども、ご本人ははっきりとした釈明をしていないのではないでしょうか。新聞によりますと、「人の生死に関する問題を具体的な情報源を示すことなく発言したことは深く反省している」ということで、情報源を示すことがなかった言い方をしていますけれども、大変重要なことでありますし、一日も早い帰国のために努力している多くの方に対して失礼なことではないかと思います。

 こうなると、田原氏の先の発言「外務省も知っている」というものは、田原氏の偽りであるということになる。田原氏が真実であると言うなら、外務省と対峙してでもご自身の発言に対しての責任を果たさねばなるまい。
 日頃、「説明責任」と言う言葉で政治家を追い詰めているメディアの方であればなおさら、ご自身が率先して「説明責任」のやり方を示していくことが肝要だ。
 今日、ここに至っても田原氏ご自身の説明や、「死亡」と流布した根拠は示されていない。自分には甘いのが人の常とはいえ、残念である。
 しかし、何故、この時期に「死亡説」を強調するような行動をとったのかが疑問である。
 北朝鮮が、国際社会からの批難を浴びて、金正日の健康不安説も流れる中、拉致被害者の「死亡説」を日本のジャーナリストの言を借りて流布し、日本国内の「拉致問題追及」の手を緩めようとした結果であろうか?
 大集会において、「北朝鮮自由放送」の放送局長・金大均(キン・デソン)氏は、「日本の経済制裁は効いている」と断言している。
 北朝鮮の焦りが、日本への工作の急務の理由であろうか?



2009.5.15

「田原氏の発言」

 4月24日深夜の番組の中で、MCを勤める田原総一郎氏が、下記の発言(注1)を行ったことに対し抗議文を送ったことに対し、「日経BPネット」の中で説明として反論している。(注2)
注1:(前略)まともに交渉するということは、日本は横田めぐみさんと有本恵子さんは生きている前提でやっているわけだ。ところが北朝鮮は繰り返し、「生きていない」と言っているわけ。外務省主生きていないことはわかっているわけ。そこで生きていないという交渉をやると、山本さんたちにコテンパンにやられる。(中略)北朝鮮は本物だと言った骨が、日本の3ヵ所で調べて、2ヶ所で判らない。帝京大学だけが偽者だといった。しかし、「ネイチャー」という雑誌に、「自分は全く自信はない」と言った。その後、彼は警察に囲まれて、一切取材に応じない。
注2:(前略) 拉致された横田めぐみさんら8人が、生きている、生きていない、ということが記事では問題にされているが、私が提起したかったことは、まず、日本の政府がだらしないということだ。(中略)私の言葉が足りなかったのかもしれない。 「被害者が生きていない」と私が発言したということだけが大きく取り上げられているが、私の主張は、北朝鮮と本格的な、本気の交渉することが政府の責任であり、それが被害者家族の方々に対しても責任を果たすことになる、ということだ。
詳しくは、此方を参照s
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090514/152541/?P=10
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090514/152541/?P=11
http://www.nikkeibp.co.jp/article/column/20090514/152541/?P=12

注1にあるように、書面に起こすと、田原氏は「死んでいる」と言っているわけではなく、自分に責任が向かないように、他人の言葉としてしか発言していないが、ビデオで見ると明らかに、「死んでいる」と言うことを見る人に植え付けていくような流れであることは間違いなく、巧みに、視聴者に「死んでいる」という伝聞が事実であるかのように発言していることはいうまでもない。
注2では、真意として「外務省が本気で交渉してこなかったことが駄目だ」と言っている。と弁明している。明らかに、他人に責任を押し付ける手法で小賢しい。
 しかし、田原氏は「宋イルホ」と北朝鮮・平壌で6時間会って聞いたとして、あちこちで「死亡説」を披露している。明らかに確信犯である。
 私たちは、「死亡」とするなら、その根拠となるものを提示して欲しいと言っているのだ。宋から聞いただけで、「正しい取材」としてその言を信用し、我々の「生存説」を信用しないのか、わけがわからない。北朝鮮の政府関係者は、「真面目な詐欺師」であることは周知のことであるにもかかわらず、それについては目を閉じて反論せずに帰国してきたようだが、一つ一つの死亡情報に関する質問をしてきてはいない。
 宋に関していえば、北朝鮮での地位はとても低く、上層部の意思に反論できる身分でもなく、それに従わない「自己の意見」を言うことは出来ない。当然、面談の際には「盗聴器付きの部屋」で行われたものであろうから、懸命な詐欺師に説得されたと言うことだ。
さらに、「ネイチャー」の記事を誤読し、鑑定自体が捏造であるかのような発言をしている。
私の聞いた限りでは、「ネイチャー」の記者の電話取材において、「100%ということではない」と言っているに過ぎない。これは、「99%の自信はあるが、現段階で100%と言うことはいえない。」という意味であったと言うことなのだ。
 聞きかじった情報で、断じていることが問題なのではないか?



2009.5.14

「プログが書けませんでした。」

 先月末の訪米報告とか、全国集会とか、民主党の政治家の発言とか、田原氏の発言とか、いろいろ書くことはあったのだが、PCに向っても何を書いていいか判らなくなっていたので、指が動かなかった。
 先ず、整理をつけて見たいと思ったが、結局纏まらずに、のびのびになってしまった。
 今日、民主党次期代表に立候補した「岡田氏」にあうことが出来た。
 これは、先月訪米した際に、米国側政府関係者から聴いた話として、「岡田・前原両氏が、米国を訪れた際に、『日本は拉致に固執しすぎて、北朝鮮の非核化の進展の妨げになっている』という話を聞いた」と記者会見で述べたことが、岡田氏側からそのような発言をしたことはないとの問い合わせがあり、先週末にセッティングされた面会であった。
 しかしながら、今週月曜日に「民主党・小沢元代表の辞任会見」を受けて、代表戦立候補と忙しい立場になった岡田氏が面会する時間が作れるのか疑問視したが、立候補するその日に一時間ほど、飯塚代表と私、平田全国協議会事務局長との面会を実現したことを見ると、私たちの発言が岡田氏の政治新城とは違うものであるとの認識から面会を実現したいと言う強い思いがあったと思う。
岡田氏との会談内容に関しては、全国協議会の14日付の「救う会ニュース」http://www.sukuukai.jp/でご覧いただきたい。
 なかなか会えない民主党の代表に候補とはいえ、次期代表になるかもしれない岡田氏に会えたということは、訪米時の記者会見での発言も無茶なものではなかった。
 岡田氏は、自身のプログの中でも反論しているが、「拉致が非核化の障害」という表現は使っていなかったのは事実であろう。しかし、「訪米の際に、米国の国益から『米国がテロ支援国指定解除』を実施したとしても、日米関係がおかしくなるとは思わないと発言したに過ぎない」ということらしいが、米国サイドの保守系の人間から見ると、日本の新政権になるかもしれない中枢の人間が、平沼会長を始めとした議連の先生方が強く主張した「日米同盟がおかしくなる」との言葉とは違う主張をしたことが誤解を受けてしまったことは否めまい。
 日本国民の世論は、今回の米国の措置については「はしごをはずされた思いである」ことは間違いなく、米国に対する信頼を損ねていっているという事は明らかだ。日米同盟の重要性は理解していても、最終的に米国は「米国の国益」で動くと言うことを見せ付けられ、日本の安全保障についていざという時、米国は動かないであろうと言う認識を植えつけたことは間違いない。これは、遠からず米国不信の気持ちを大きく膨らませることになるから、日米関係がギクシャクすると言う認識は持つべきであり、日本国民にとっては重要課題である「拉致被害者の救出」への協力要請をする際に、日本が纏まっていないという印象を与えてしまったことは残念だ。
 前原氏は、これに関して発言していないので、私たちが米国で聞いた風評は会ったのであろうと思われるが、直近で訪米した前原氏と同様の印象を与えてしまったと言うことだろう。



2009.4.24

「悲しいまでの対応!」

 米国クリントン国務長官が米議会の公聴会の席上、「イランに対する厳しい制裁案」を持ちながら交渉するという内容の発言をしている。一方、北朝鮮に対しては、「関係国の強力な支援がいつかは実を結ぶ」とし、「北朝鮮の挑発行為に惑わされず、『力強く、忍耐強く、一貫した』態度で臨む」と強調している。
 妥協はしないという言葉は評価するが、「イラン」と「北朝鮮」に対する姿勢の違いが存在することは明らかであり、ここが米国の外交姿勢であると言うことは間違いない。
 露骨にアジアと中東への取組姿勢が違うことに虚無感を感じる。
 今後の米国の協力はどのようになるのか、今回の訪米で見極めたいと思う。
 今国連安保理での米国の対応もそうであるが、オバマ新政権になって中国よりの姿勢が際立つ。米国の経済事情から、中国に米国国債を買ってもらうことが必要との判断からかもしれないが、中国が台頭するまで、米国経済を支えてきた日本の評価はないのだろうか?
結局、日本は米国にとって都合の良い「ATM」でしかなかっという事だろう。
 日本が世界に対して通用するのは、その卓越した経済力であったはずだが、その力をも使用せずに、唯々諾々とカネをばら撒いてきた結果が現在の状況を作っているとしか思えない。
 日米同盟の重要性を認識していながらも、今後の米国の対応には失望する場面が増えていきそうだ。
 中国は、その軍事力と経済力で世界を治める日が来ることを予感しているかもね。
 中国がまともな国なら、わが国の問題を連携して解決に導く方法もあろうが、残念ながらそうではないことはこれまでの中国政府の対応から明らかである。
 中国・北朝鮮という厄介な国を隣国にしているわが国の危うさが露呈しつつある。
経済が落ち込み、国民が疲弊していく中で、国連への投資額の変更も視野に入れるべきだ。



2009.4.15

「中国よ、如何動く」

 今回の「安保理議長声明」については、中国・ロシアの抵抗にあい、当初日本政府が目指した「新たな制裁決議」にいたらなかったものの、「議長声明」の中に、「明確に『安保理決議1718号』に違反」という言葉と、「実効性を伴う1718号の制裁遵守のために『制裁委員会』において、『制裁企業リスト』の作成と関係各国への遵守を呼びかけている」点で評価せざるを得まい。
 勿論、国連のあり方についての疑問が払拭できるものではなく。今後の「国連の存在意義」に関して、加盟国で真摯に話をしていくべきである。
 しかし、現在の日本政府のポジションからは、ここまでが限界なのだから、今後のわが国の国連へのかかわり方を含めて、国内で議論があってもおかしくないのでは?
 又、この「議長声明」に対する北朝鮮の反応は予想していたことであるので驚きはないが、ここまで北朝鮮を擁護し、「六者協議」優先で推進してきた中国は、議長国として今後の対応を問われることになる。「えさ」をちらつかせて、北朝鮮を「六者協議」の場に出させる方法をとるのだろうが、米国との二国間協議を望む北朝鮮が果たしてそれに応ずるかは疑問だ。ここはやはり、最初に北朝鮮を「六者協議」の場に引き出した手法、即ち、「北朝鮮への中国からのライフライン―石油や食料―を止めていくこと」が必要だ。
 ここまで、中国のプライドを傷つける「北朝鮮の挑発」を放置していくのか、積極的に北朝鮮を「六者協議」に参加させるために動くのか、見物ではある。
 中国が、明らかな「安保理決議違反」を犯した北朝鮮を擁護した以上、今回の北朝鮮の反発を許しておくことは出来ない。直ちに、北朝鮮を牽制し、誠実な対応をさせるべきだ。
 北朝鮮は、これまでの「恫喝外交」が利いて、米国の「テロ支援国指定解除」を勝ち得たと考えている以上、これからも恫喝を続けることはいうまでもなく、関係国がこれに屈するかどうかが問われることになるが、屈していった場合、「北朝鮮の核保有」を認め、「ミサイル開発」を促進させることになることを肝に銘じなければならない。
 米国のボーズワース北朝鮮担当官が「直接、北朝鮮と協議する用意がる」とのコメントを出してきているが、「二国間協議」でいつも北朝鮮の歓待を受け、騙された歴史から見ていくと、次の「直接対話」で同様のことが起きないという保障はない。「対話優先」の米国が北朝鮮の本質を見誤ることが危惧される。
 同じ過ちを繰り返してはならない。
 日本外務省が「耕一郎さんの金賢姫への手紙」を放置していたことについて、外務省の「拉致問題」への認識度合いや対応からすれば、驚くことはない。こんなものなのだ。だから、拉致問題が進まないのである。本気で「取り返そう」とする姿勢が垣間見えない表われだから・・・。何処に要請すればよかったのかと思う。メディアに頼んでいたほうが良かったのだろうか?
 家族会では、内閣府に対して度々「金賢姫との面会」を要請していたことから考えると、そのたびに外務省に対して、「手紙の顛末」について聞いてもおかしくなかったと思うが、それもしていなかったということだろう。残念だ。



2009.4.13

「国連の機能!?」

 米国で調査会社ラスムセンが行った世論調査で、北朝鮮のミサイル発射に対して、国連が有効な手段を講じると思う米国人は3割にしかならなかったようだ。
 「国連は敵か味方か」の問いに対しては、「味方27%、敵17%、敵と味方の中間は49%であったということだ。非常に面白い結果であったし、面白い質問をするものだと思う。
 これは、先の藩其文事務総長の国連の分担金を滞納している米国を「最大の踏倒し屋」と批判してから以降、米国での「国連論」を問いたいということからなされているのではないだろうか?
 日本でも同じような世論調査はないものだろうか?日本国民が「国連」という組織をどのように思っているのかを知りたいと思う。
 私自身は、アフリカでの国連軍や国連組織の活動を評価している部分もあるが、その性格上、どうしても正しく機能し得ない不十分な部分も感じている。
 国連の活動でいままで、世界に存在する「紛争」や「非人権的な行為」を止められているかは疑問であるし、「常任理事国」の中にも、国内外において「人権」という観点から疑問を感ずる国もある。そのような国が「拒否権」という特権もち、世界の平和構築上、障害が出ていることも感じている。
 今回の「北朝鮮のミサイル発射実験」に対して、事前にそれを阻止することは出来なかったし、北朝鮮国内で繰り広げられる「人権侵害」についても、改善の兆しさえ見えない。
北朝鮮が国連の一員であるにもかかわらず、ここ数年「人権理事会」で採択された「北朝鮮非難決議」に何の拘束力もなく、放置されていることを考えると、本当にこのままでよいのかという思いもある。
 わが国もこの組織の運営費として、その20%負担を強いられている。しかし、未だ「常任理事国」という立場を得ることは出来ず、発言力も薄いと感じている。
 日本国内でもっと、議論が繰り返される必要があるのではないか?



2009.4.10

「ご成婚50周年おめでとうございます。」

 天皇・皇后両陛下のご成婚50周年が迎えられた。
 当然のように、幼かった私には当時の記憶がない。思い返すと当時の我が家にはテレビなるものがなかったのであるから、画像としての記憶があるはずがないし、文字も読めない年齢であったから、新聞報道にも記憶がない。致し方ないか・・・。
 2002年、皇后陛下が拉致問題について言及されたお言葉が忘れられない。
「同じ共同体の問題として、関心がもてなかったことが残念」というやさしさあふれ、国民を思うお気持ちが嬉しかった。
 その「ご成婚50周年の日」にわが国は、北朝鮮への新たな「経済制裁の追加」を発表したのだが、与党自民党の「拉致問題特命委員会」の求めた6項目に対し、3項目だけの追加制裁であったことが残念である。
・ 北朝鮮への「全面輸出禁止」条項が除外されたのである。
 確かに、北朝鮮との貿易は年々縮小され微々たるものになってはいるが、制裁の発動というものは、確かなメッセージ性を帯びるものでなければならず、今回の「追加制裁」がその確かなメッセージ性を帯びるかは疑問だ。今でも境港からは、大きなチャーター船で北朝鮮に大量の「家電製品(冷蔵庫・洗濯機)や自転車」が送られている。輸出禁止ということであれば、このような光景を見ることもなく、むなしさを覚えないですむ。
 今回の送金額の引き下げで、報告が正確にされるのかどうか?その監視体制が正しく働くかどうかも不透明では「ざる」になってしまう。
 又、北朝鮮へ渡航した「在留外国人(日本の永住資格を持つ)」の日本への再入国を認めないという制裁も入らなかった。
 西岡救う会会長代行の話では、昨年10月ころから3人の「ミサイル・ロケット燃料関係」の専門化(在日)が北朝鮮に渡航し、一月ほど滞在していた事実があるという。時期から見て、今回の「ミサイル発射」に何らかの技術供与があったことは否定できない。
 その3人は、ともに「科協」のメンバーであり、東大や京大という日本有数の大学を卒業して、「ミサイルエンジンの専門家」である。
 このような事態を把握しているはずであるのに、積極的に彼らの渡航を阻止するような制裁をかけないというのであれば、今後も北朝鮮が「ミサイル技術」を向上させることを止めることは出来ない。
 わが国の安全保障の面からも考慮しなければならない。
 さらに、今後、北朝鮮が「拉致問題」で不誠実な対応を続けるときには、更なる「制裁」を課していかねばならない。
 米国が「はしご」をはずそうというときに、わが国が弱腰になることは、北朝鮮の暴挙を容認することになる。



2009.4.9

「揺るぎないメッセージを!」

 政府が揺れている。北朝鮮のミサイル発射を受けて、「国連安保理での新決議案」を目指していたはずの日本政府が、「議長声明でも容認か?」との報道が見られた。
 又、わが国独自での制裁追加に「輸出全面禁止」の項目が抜けようとしている。
 北朝鮮がミサイルを発射したことを容認できないとして、「明確な国連安保理決議違反」としてきた日本政府が、このように揺れていく理由が理解しがたい。
 外交とは妥協の産物であろうか?いや、国益を損なうような事態に対しては、妥協してはいけないものである。
 それでは、北朝鮮のミサイル発射は、わが国の国益を損なわないものなのだろうか?
 確かに、実被害はなかった。しかし、今後も北朝鮮の暴挙を容認する姿勢を見せることは、将来に禍根を残すことは確実である。
 北朝鮮は、「核保有国」としての地位を確保し、米国との有利な交渉に持ち込もうとしていることは確実である。そのような時に、明確な「非難」のメッセージを表することが出来ないということは、北朝鮮に侮られ、国際社会の中でのわが国の地位の低下を生む。
 これでは、「拉致被害者」が存在し、その救出を求めていく国家としては、余りに脆弱な姿を見せることになる。
 わが国は、国民を守ろうとしても出来ない、何も文句を言えぬ国家と成り下がってしまう。どのような妨害が入ろうとも、強いメッセージを出すことを怯んではいけない。
 「輸出全面禁止」については、中国と北朝鮮の貿易の増加から効力がないという判断というが、これは違う。わが国は一切の援助も支援もしないという姿勢を示していくことで、北朝鮮に猛省を促していくべきなのだ。
 もし、効力がないというなら、これまで効力があるように、決議違反をしている中国に対して物申してきたのか?韓国に物申してきたのか?これまで、何もしないでおいて、「効力」が問われて発動できないというのはおかしい。
 短期的には、北朝鮮による拉致問題の解決は遠ざかるかもしれないが、究極では、厳しい姿勢を示していくことが早期の被害者救出につながることを考えてもらいたい。
 TVでは、相変わらず「田中均氏」がしたり顔で登場しているようであるが、一度、日寄った人間は最後まで日寄るのであるから、彼の発言は何も生みはしないことを感じながら、腹立たしく見せられた。
 1998年の「テポドン1号発射」後、北朝鮮が再度「ミサイル発射実験」を敢行しようとした際、わが国は「野中広務大幹事長」の時でさえ、「ミサイル発射を繰り返した場合、『ヒト・モノ・カネ』をすべて止めると強いメッセージを発していた。制裁を独自では出来ないときにもかかわらず(制裁法案がなかった)、強いメッセージを送っていたではないか>
 正しい判断をしてもらいたい。



2009.4.8

「チャチイ衛星管制指揮所」

 北朝鮮がビデオで発表した「ミサイル発射の瞬間」と「衛星管制指揮所」であったが、なにか40年前に私がTVで見たことがあるような米国のTV番組「タイムトンネル」の管制指揮所を見ているようだった。とても、衛星を管理監視できるようなものではなく、北朝鮮の技術や監視体制の稚拙さをうかがわせるもので、「ミサイル発射」の瞬間だけ見せて、「管制指揮所」は秘匿しておいたほうが良かったのではないかと思わせる。
 しかし、一昨日「衛星監視システム」を公表すべきというメッセージを書いたトタンに「管制指揮所」を公表していることに驚いた。まさかとは思うが、私のHPを読んでいることはあるまい(笑)が・・・。
 よほど、国連安保理での「新たな制裁決議」が怖いのだろう。中国・ロシア・米国に事前に発射時間を通告していたこと等をあわせ考えると、国際社会の反発が怖かったとしか思えない。(しかし、米国は其の通告をわが国に事前に伝えていないということだが、それで同盟国といえるのかな〜。)
 中国に媚を売って、「安保理決議の妨害」をお願いしたのだろうが、プライド高い国家のやることではあるまい。ここまで、落ちるとは金正日体制の崩壊も早いのではないか?
 わが国の衆参両院で「北朝鮮が『人工衛星』だと主張して弾道ミサイルを発射したことを非難する国会決議」において、共産が反対、社民が棄権したようだ。
 共産党の反対理由は報道によると。(1)発射されたものがミサイルと断定すべきでない。(2)ミサイルが発射されたとの断定を前提に、国連安保理の決議違反と断定すべきでない。等の考え方から与党案に反対の立場をとることを決定したようだが、共産党はあれが本当に「衛星」であったと考えているのであろうか。もし、本当にそうであるなら、とんでもない判断違いをしていると断じざるを得ない。このような見通しで、わが国の安全保障を任せるわけにはいかないだろう。これでは、「ミサイル開発の継続を容認する」ことになり、今後も北朝鮮のミサイル開発を助長させるものである。何をか況やである。
 北朝鮮報道では、「衛星は現在、『金正日を讃える歌』を流しながら、地球の軌道を集会しているらしいが、人民が飢えに苦しむ中、『歌』を流すために3億ドルとも5億ドルともいう費用を浪費したというのであれば、救いようのない政権であることは言うまでもない。
 共産党は「人工衛星」であろうと、人民を苦しめることにつながる行為に対してだけでも非難声明を独自に出すべきではないかな。
 官房長官の弱気な発言についても、わが国はあくまで「新たな国連安保理の決議」を目指すべきで、それが達成できない場合は「外交敗北」であることを認識すべきである。そして、仮に「外交敗北」の事態が生じた場合、外務省の体制改革を含め、外交の強化を図ってもらいたい。このままでは、何時までも敗北続きで「北朝鮮問題の解決」を外交交渉に任せてはおけなくなるのではないか?



2009.4.7

「やはり中国か!」

 国連安保理での会議が難航しているようだ。やはり中国が「国連安保理決議」に反対している。それは「北朝鮮を刺激して『六者協議』開催が難しくなる」という論理だ。
 しかし、元々このような事態に至ったのは、中国の指導力のなさと北朝鮮への影響力の低下であるということではないか。
 影響力の低下でないとすると、北朝鮮が核を保有するということが中国の国益に叶うということで、北朝鮮の核保有を黙認する姿勢であるという証明であろう。それでは、世界の平和のために活動する国連の「常任理事国」としての責任放棄であり、世界各国が目指すべき「核廃棄」への道を閉ざす行為だ。
 影響力の低下というのであれば、中国は「六者協議の議長国の器ではない」という証明になり、直ちに「議長国」をおりて米国かロシアに議長国を要請すべきだ。残念ながら、わが国と韓国は六者協議の議長国たり得ないので致し方ない。
 意図的に北朝鮮の「ミサイル発射容認」の立場を中国がとるのであれば、これはこれでわが国の安全保障上の問題となるゆえ、わが国としては中国に対して抗議を進めていかなければならない。
 しかし、わが国政府にその気概があるかというと少なくとも私にはあると断言する材料がない。わが国がその気概をもてないのであれば、国民がその意思を示していくことが必要になる。
 日本国民は、中国のこのような姿勢に対して大きな危惧を抱いているという意思表示をそれぞれが示していくことで、中国政府に国民の意思を伝えていく必要があるのではないか?
 中国も元は「一党独裁」の共産主義国家であるから、国民の声を無視し続ける国であるという点で、北朝鮮と然程変わらないということを認識し、世論というものを知らしめることは出来ないのであろうか?
 日本国民は「北朝鮮のミサイル発射」という蛮行に対し、国連という場での厳しい決議を求めているという声を広げていくことが出来ないか?
私たちは北朝鮮の蛮行を容認することは出来ないし、それを後押しするような国に対しては危惧を感じているという意思表示をしていくことによって、日本国民の声を直接聞かせることが出来るのではないか?
 中国政府は「拉致問題」に関しても「理解」とか「協力」とかのリップサービスだけで実質的には北朝鮮を擁護していることは問題がある。
 元々、私は「パチンコ」をやめているが、今後は「メイドインチャイナ製品」も買わないという意思表示をしていく。確かに中国製品は安価であるが、魅力的なものではなく、食品に関しては安全性も問われている。
 わが国の経済力の低下はあるが、国民の購買力は未だ旺盛であることは事実である。其の市場から中国製品が拒否されると言う事態になれば、中国もわが国の力を認めざるを得まい。



2009.4.6

「手ぬるい対応」

 今日、自民党拉致問題対策特命委員会(古屋圭司委員長)が開催され、外務省の「ミサイル発射」を受けての「北朝鮮に対する措置の継続について」というレポートが公表された。
 当然、これまでの「制裁措置」の継続を検討中であるのだが、「追加制裁」に関しては言及されていない。質問の中には、「措置の継続」の中の文章で、「『試験通信衛星』の打ち上げを強行」という文言に、「余りに迎合した文言ではないか。『衛星』などという言葉ではなく、『ミサイル』と言及すべき」であり、「『国連安保理等における国際社会の動き等を踏まえ』などの手ぬるい言い回しではなく、先ず、わが国としてどのような姿勢を示していくかを言うべき」との指摘があった。そして、「『安保理議長声明』などのようなものに終わるのであれば、しないほうがいい」と言った意見も聞かれた。
 又、「安保理に『制裁強化』を求めていくのであれば、先ず、わが国が率先して厳しい姿勢を示して、安保理に求めていかなければならない」等の意見が相次いだ。
 出席した政府関係者は、官僚的答弁に終始したようだが、麻生総理が他国の同行など関係なく、「追加制裁」に言及していくことが必要だ。
 北朝鮮があくまで、「衛星」と言うのであれば、北朝鮮は、「衛星管理システム」を公表し、衛星が管理下におかれていることを実証しなければならない。「衛星監視のためのアンテナも施設も見えない、」中、「衛星」といっても通らない。
 国際社会は、「衛星」であるという証明を北朝鮮に求め、それが出来なければ「ミサイル」と断じていかなければならない。
 前回の核実験を踏まえ、「安保理決議1718号」を決定したのであるが、今回の北朝鮮の暴挙で、安保理決議が何の意味もなかったことを知らしめた。このまま、北朝鮮のわがままに適切な対応が取れない国連であったなら、その存在意義が問われてもおかしくはない。
 中国の対応は特に酷い。
 「六者協議の開催」を優先させるために、「北朝鮮を刺激すべきでない」という考え方は本末転倒といえる。六者協議を継続させるために、北朝鮮のわがままに対し、物言えないのであれば、六者協議を開催する意味がない。六者協議は「北朝鮮の核開発阻止」のための枠組みである。「北朝鮮を刺激して、北朝鮮が六者協議参加しなくなるから困る」という姿勢では、本当に北朝鮮の核廃棄という難問を解決できるのか疑問だ。
 今回の北朝鮮の暴挙に対しては、先ず、毅然と対処し、それで、北朝鮮が六者協議への参加を渋るようなら、参加させるべく、さらに厳しい対応をとるべきだ。
 六者協議への参加を渋った北朝鮮を六者協議の場に戻したのは、米国のBDAへの「金融制裁」の存在ではなかったか。
 今回の「ミサイル発射」で、中国とロシアが国際平和のためのリーダーとして、安保理常任理事国の資格を持ち得ないことを明確にした。
 このような国々が「安保理常任理事国」である国連の役割をも問われていくべきだ。



2009.4.3

「どちらにしても・・・。」

 北朝鮮が「ミサイル」を発射しようがしまいが、北朝鮮が追い詰められていくことは間違いない。
 今回の「発射騒ぎ」で、オバマ政権も昨年の北朝鮮との交渉自体が誤った方向性を向いていたことを認識するであろうし、ここで、イランの関与が明確になれば、「北朝鮮を再度テロ支援国指定」する目もありうる。
 そこまでいくと、北朝鮮も今回の発射騒ぎがもたらしたものを実体験することになる。
 これまでは、北朝鮮の恫喝に屈してきた国際社会だが、何時までもこのゲームに付き合うことは出来ないことを分かっている。
 各国は、経済的な問題を抱え、極東の小政権である「北朝鮮政府」の動向など目に入らないし、わが国は「拉致問題の解決なしには、一切の経済支援をしない」と明言している。韓国は、「ミサイル発射」ならば、直ちに「PSI参加」を打ち出している。何処からも相手にされない北朝鮮政権が窮地に追い込まれることは明白だ。
 それでも、迷惑なのは「北朝鮮人民」だろう。愚かな為政者のために今後の生活がさらに苦しくなるのであるから、たまったものではない。
 北朝鮮が衛星として発射すると言う言葉をそのまま受け入れる国はないが、仮に「衛星」であった場合、これまでの「ミサイル発射」失敗の実績からいくと、新たな試みをしなければならないことから、かえって危ういことになる可能性が出てくる。
 他国の領空を侵してまで、危ない実験をするリスクを考えない身勝手を許すことは、今後の北朝鮮を国際社会に適応させるためにも容認してはなるまい。
 兎に角、明日以降の「ミサイル実験」後は、わが国の対応如何では、麻生政権の支持率の浮沈にかかわってくる問題となろう。
 救う会・家族会では、「ミサイル発射」の場合、直ちに抗議行動に入ることを決めた。
 人民を飢えさせ、5億ドルもの資金を使い、他国の領空侵犯を犯し、拉致問題でも誠実な対応をとろうとしない北朝鮮に毅然と抗議の声を上げていくことが、強いメッセージとなることを望む。
 今回は、「容認」好きのわが国も、「容認する」とは言えまい。



2009.4.2

「馬鹿馬鹿しい威しである」

 北朝鮮が日本の迎撃体制に対し、批判を繰り広げ、恫喝を始めてきた。この手法も1993年の「ミサイル実験」の時と同様の恫喝である。
 当時、北朝鮮の恫喝は、「ソウル・東京・ニューヨークを火の海と化す」というものだったが、今回のそれは、日本をターゲットにしたものである。
 拉致被害者の解放にも応じず、北朝鮮人民の苦境をも省みない「北朝鮮のミサイル実験」を強行して、尚且つ、日本を恫喝するとは相変わらずやの〜。
 呆れて物申せず。といったところか。
 日本では、緊張をあおるような報道が続くが、然程気にすることはあるまい。
 現在の北朝鮮軍の威力は「張子の虎」同然であり、いったん戦端を交えたら、強力な現代兵器の餌食となることは間違いない。北朝鮮軍部も北朝鮮政府もそれを承知である。
 原油の不足から、北朝鮮軍の航空機、戦車は動かすことは出来ない。動いたとしても、とても戦争を維持することなど出来ない。金正日が怖いのは、自分の政権が崩壊することにあり、自滅の道をたどることは考えられない。
 日本政府は、「わが領土に落下する場合、迎撃する」と言っているのであるから、日本国民の安全のために、わが国領土内において処理することであり、北朝鮮が何等異論を唱える状況にはない。粛々と実行していけばよいことである。そして、国連安保理違反として対処していくべきものである。
 それにしても、総連は北朝鮮の「迎撃には報復」という姿勢に対して、未だ、一切のコメントを出していないようであるが、報復がなされた場合、日本領土に点在する在日の危険について何も考えないのであろうか?
 ここは、総連自体が本国に対して「ミサイル実験中止要請」を展開しなければならないのではないか?わが国が戦火に見舞われた場合、在日同胞(北朝鮮にとって)をも巻き込んでしまうことを伝えていないのは何故だ。総連本体でさえ、危ういことになるのに不思議なゲームに加担している。
 わが国国内事情を熟知している総連が、正確にわが国の、わが国民の感情を伝えていくことを怠ってきたから、このような事態を生んでいる。
 以前、韓国に脱している「北朝鮮自由放送」の代表、金・ソンミン氏が言っていたが、ソンミン氏が北朝鮮にいたとき、「日本の総連関係者達(在日同胞)は、金正日総書記の庇護の下に守られている。と思っていたが、実際には、総連が金正日体制を維持する役割を担っていたと知った。北朝鮮人民は事実を何も知らなかった」と言っていたが、今回の北朝鮮の対応は、政権を助けてきた総連関係者をも見捨てる表明である。
 これに対しても、何も逆らうことなく、粛々と受け入れる人々を理解することはやはり難しい。



2009.4.1

「デジャブー!」

 衆参両院で、「北朝鮮のミサイル発射実験に対し、発射の自制を求める国会決議」がなされたようであるが、その決議の原案から、「国連安保理決議に明白に違反」とした文言を削除させるという事態が起こった。
 社民・共産と国民新党の野党3党の要求によるものだという。社民・共産両党は、決議原案の「明白に違反」という項目に対し、「北朝鮮は人工衛星と称しており、『明白に違反』といえるのか」と難色を示したためという。国民新党は「中国・ロシアが新たな安保理決議に慎重な構えで、外交面の配慮も必要だ」との理由ということである。
 何か、以前聞いたような言い回しではないか・
 2002年9.17以前、社民・共産両党は、「北朝鮮は『拉致』などしていないといっている。『北朝鮮による拉致』はあくまで『疑惑』の段階であり、この段階での決め付け方は良くないし、硬化することなく北朝鮮と交渉をすることが必要である。」等の論陣をはって、日本国民に「拉致問題」の存在を疑問視する姿勢を見せて、結果、被害者救出運動を阻害してきたのではなかったか?
 国民新党は当時存在しなかったが、自民党の一部にも同様の姿勢が見え、北朝鮮を刺激せずに国交正常化を目指すべきといった勢力がいたことを思い出す。
 この国の政治家は、全く成長しないというか、学ぶことの嫌いな方々が多いような感じである。拉致問題で不誠実な対応をとる北朝鮮に対し、厳しい姿勢を見せることなく、新たな外交を展開することに専念し、国民の生命に関する問題で、逃げ腰に見える方向性しか示せない。彼らには、国民を守るというより、北朝鮮の立場を優先し、北朝鮮人民の苦難に関しても無視をし続けてきた反省もない。
 外交面の配慮というが、北朝鮮の暴挙を見て見ぬ振りしているロシアや中国に対して、はっきりと示していくことがわが国の国益を守ることだろう。
 中国やロシアに阿って、日本の国益を守ることが出来るのか?
 何方か言っていたともう画、外交は「戦争そのもの」である。そこでは、命がけで日本の国益や日本国民の生命を守るという気概を持っていなければ達成できないのだ。
 拉致問題でも、「協力する」という言葉だけで、何もしようとしないロシアや中国のやり方を見てきたはずだ。そんな両国に配慮して物言えなくなるようでは、何の国家であるか。
 「シビリアンコントロール」、国益を守ろうとしない政治家が統治していくことの危険性が問われる。
 政局の具に使用されてきた「拉致被害者の命」の二の舞となりかねない。



2009.3.27

「UNDPを廃止すべきだ。」

 北朝鮮の慈成男(チャ・ソンナム)駐英大使が、今回の衛星(?)発射実験に対する、韓国の千英字(チョン・ヨンウ)駐英大使の「暮らしに窮しながら宇宙開発に資金をつぎ込むのは理解できない」と指摘したことに対して、「ロシア、中国、日本など周辺の大国が皆打ち上げているのに、我々がすることだけを地域平和を害すると騒ぐのは納得できない」
と反発したらしい。
韓国大使が「衛星」と北朝鮮サイドのプライドを損なわないように、ミサイルとわかっていながら問いただしたにもかかわらず、「我々が衛星を打ち上げるのは平和的宇宙開発であり、貧しいから宇宙開発は出来ないという国連決議はない」と反論した。
プライドを刺激しないようにという配慮からも、国際社会が「ミサイル」とほぼ断定しているものを衛星と言い換えてまで、持ち上げてやったにもかかわらず、白々しい反論であるが、そこまで言うのであれば、国連が計画中の「UNDP(北朝鮮プログラム)」を廃止することを考慮すべきではないか?
韓国大使が言う様に国民を飢えさせている政権が、多額のお金を使い、ミサイル開発することなど考えられない。世界中の善意が北朝鮮人民のために使われずに、金正日政権の脅しの道具を与えるために使われるのは本意ではない。
このUNDP資金の多くにわが国の血税が入っていることを重要視し、ミサイル発射という事態になったら、わが国は即座に「UNDP計画」を廃案に持ち込む必要がある。
もともと、ミサイル発射実験は、北朝鮮の外貨稼ぎのために強行されているが、地域の安全を脅かすものに使われることは問題だ。
元来、飢餓に苦しむ北朝鮮人民を尻目に、「平和目的」という名目で「核開発」を続けてきた北朝鮮が「核実験」まで行い、核武装宣言までしている現実を見るとき、彼らの「平和利用」がまやかしであったことを裏付けている。
今回だけは、北朝鮮の暴挙を許していくべきではない。このようなことが繰り返されれば、北朝鮮を甘やかす結果となる。(中国は相変わらずだが)
もはや、北朝鮮のわがまま放題を放置していく段階ではない。国際社会のルールを示すために、発射した場合、国連からのすべての援助や支援を廃止し、ミサイル開発や核開発をする余裕があるのであれば、国際社会からの援助も要らないはずではないか?」という疑問を投げかけ、支援廃止という結果を突きつけるべきだ。
北朝鮮は、すべての支援や援助を拒絶して開発を行っていけば良い。
もっとも、わが国は「衛星実験」を繰り返していた中国に、開発途上国への支援であるべきODAを長く継続していたのであるから、何もいえないのかもしれないが、政府が誤った政策をしているとき、国民が声を上げていくべきだ。



2009.3.24

「ミサイルだけでいいのか!?」

 連日、北朝鮮の「ミサイル発射実験」の報道でにぎわう日が続いているが、北朝鮮問題で懸念すべきことは、本当に「ミサイル問題」だけでよいのか?
 「核問題」も勿論。「拉致問題」も勿論だが、世界にとっては大きな問題となる「バンデミック」の問題を無視できないのではないか?この問題に関しては、以前にも提起したが、その後も一向に問題視する発言が出てこないので、再度、提起したい。
 脱北者の証言から推察すると、現政権下では、人民の健康に関して重大な関心を持っていないことがわかる。そして、北朝鮮国内では再び「飢餓問題」が発生する可能性さえみえている。
 このような時、もし、北朝鮮国内で「鳥インフルエンザ」が発生した場合、北朝鮮政府がその出来事に対して、多大な関心を払うとは思えない。さらに、情報の入らない人民にとって、飢えた人民にとって、目の前の鳥が「新型インフルエンザ」にかかっていようがいまいが関係なく、食べられるものなら食べるのではないだろうか?
 何処の国にもいるが、自分のことしか考えずに、インフルエンザにかかった鶏を通常の価格より安価で北朝鮮人民に売る人間が出てくる可能性さえある。
 そのとき、飢えた人民がとる行動は火を見るより明らかだ。
 世界が現在心配していることは、「鳥→鳥」の感染経路がいつか「鳥→人」の新型に変貌し、そのウイルスが「人→人」へ感染するものへ変貌する脅威ではなかったか?
 管理された社会であれば、情報もいち早く入って、その根絶のために懸命に動くだろうが、北朝鮮の場合、如何だろう。
 このことを思うと、世界は北朝鮮問題の早期の解決に真剣に取り組むべきではないか?
 ミサイルや核は、その性質上、保有しても使用できるものではないが、ウイルスはいったん発生してしまうと爆発的な広がりで、世界に脅威をもたらすことを認識すべきだ。
 北朝鮮の劣悪な医療環境や、生活環境及び、強制収容所での劣悪な生活環境を考えると放置していていいはずはない。
 しかし、金正日政権が健在である限り、この脅威に対する予防が完全に出来ることなどありえないことを認識すべきだ。
 ミサイルだけではなく、北朝鮮政権の問題を、根本の問題を考えるときである。



2009.3.21

「異常な痩せ方」

 金正日総書記の写真が公表された。その姿の異常さに驚く。何故、あのように痩せた姿を公表するのかという疑問も生じている。
 その写真が合成に見えるのだが、もし、合成写真であのような老いさらばえた姿を公表する北朝鮮の意図は何処にあるのだろう。
 これは、金正日政権の崩壊を示しているのではないか?
 もし、金正日が健康で政務を執行することが出来るのであれば、威光を示すためにあのようなやせ衰えた姿を公表することはありえないと思うのだが。
 専門家による写真の検証をしてもらいたいものだが、それにしても何故今?という疑問は残る。
 米国人女性記者が北朝鮮軍に拘束された。
 ミサイル発射で国際的な非難を浴びようとしている時期に、米国という大国を相手に威嚇を続けるところにも疑問を感ずる。本当に北朝鮮は破滅への道を走ろうとしているのだろうか?
 迷走する北朝鮮政府が、人民を巻き込みながら、破滅への道を歩むとき、日本人を含む被害者をどのように救出するのか、考えて、行動するときが来ていると思う。
 北朝鮮がどのようになろうとも、被害者の救出は必ずなされなければならない。
 安全に救出することを日本政府は模索し、実施していかねばならない。
 一国も猶予もない状況を感じて、動く政治家はいないのだろうか?
 国内で政局をもてあそんでいる暇はあるまい。



2009.3.19

「NYタイムズへの意見広告 」

 2月25日、外国人記者クラブにおいて、「意見広告7人の会」が、「意見広告ふたたび」という呼びかけを開始。一月もたたない3月9日、当初目標としていた掲載料650万円を突破、19日現在も多くの国民の方々が募金をしていてくださることに感謝したい。
 金正日が拉致を認め、「拉致問題」が社会問題化した2002年、最初の呼びかけが開始され、2002年12月24日のNYタイムズ紙上に掲載されたことは記憶に新しい。
 その後、6年以上も経過したにもかかわらず、2002年から一切の進展を見せない問題に対する国民の苛立ちや腹立たしさが募ってきていることを感じる。
昨今の国内事情及び報道の減少等による「拉致被害者救出運動」の停滞を懸念していたが、前回と変わらぬペースでの多くの皆様の募金に感謝するとともに、そして力を下さったことに対して、この問題への日本国民の関心度の高さを感じている。
 北朝鮮による拉致被害者家族連絡会としては、3月7日の臨時総会において、「7人の会」の呼びかけに謝意を申し上げることを決めると共に、家族会としても国民の皆さんと共に闘って行くという意思表示を示したいということから、この「意見広告」への参加を決定した。その後、飯塚代表と耕一郎事務局次長の訪韓もあり、募金参加を表明する時期が遅れてしまったが、本日、外国人記者クラブでの会見の席上、発起人の有田芳生氏と高世仁氏の同席の下、寄付をお渡しすることが出来た。これは、家族会メンバー一人一人の解決への意思として、お渡しした。
 8日、家族会と救う会では合同会議において、今年も「オバマ新政権」へのアプローチを行うべく訪米団を組織することが決定され、今後も「オバマ大統領を始めとする新政権の中枢」に対し、北朝鮮の非道といまだ「拉致問題」が解決していないことを強くアピールしていくことを運動方針の一つとしてあげているが、それに先駆けて「7人の会」が始めた米政権への働きかけにも期待している。
 出来れば、日本政府にも米国新政権への「拉致事件の解決への協力」の働きかけを強化してもらい、官民一体となって、日本国は「北朝鮮による日本人拉致及び12カ国におよぶ外国人拉致」の解決への協力を促していきたい。
 日本国民が、北朝鮮の非道に対して厳しい見方をしていることを、「融和的な政策」を掲げる米政権に伝えていくことの重要性を訴えたい。
 日本国は、米国にとっても重要な同盟国であることを強く認識させ、昨年実行した「テロ支援国指定解除」が日本国民への米不信感を植え付けた愚策であったことを示していきたい。日本国にとって、「核問題」と同様に「拉致問題」が非常に重要であり、どちらかが優先されるべき問題であるというものではないことをはっきりと認識させていかねばならない。
 そして、人権という観点から「拉致された人たち」の救済に関して、米国の努力を要することを伝えていきたい。



2009.3.17

「UNDPって?」

 今日、自民党の拉致問題対策特命委員会(古屋圭司委員長)の席上、「UNDP(国連開発計画)」の北朝鮮問題プログラム問題への対応について、外務省から説明があった。
 昨年、「UNDP」北朝鮮プログラムは、一時凍結という報道があったことは知っていたが、今年に入って再度審議した結果、UNDP執行理事会において承認済みであった停止されていた2005―2006年プログラムの未実施事業のうち、「持続的な人現開発目的」の物に限って、厳格なモニタリング体制の下、再開することが決定されたらしい。
 この北朝鮮プログラムとは、1981年「国連開発機関」として初めて北朝鮮にて活動を開始した。(食料精算、環境、経済セクター管理等の事業を中心に実施。全体の規模は年間訳300〜600万ウ)。2006年9月、UNDP事務局は執行理事会に対し、総額1791万ドルの北朝鮮支援の3ヵ年(2007〜2009)プログラムを提案。(同理事会において、わが国は、拉致問題に誠実な対応をとっていない北朝鮮に対する国際機関の支援は被援助対象者に直接届くような人道的見地に立ったものに限定して実施されるべきであると主張(各国の同調を得るため、人道的活動は容認。)これに対し北朝鮮からは、理事会は政治的な論議をする場ではないと反論する等、激しいやり取りがあった。)2007年1月、わが国は主要執行理事国に働きかけを行い、UNDP史上初めて、北朝鮮プログラムの再審議を実現し、国連憲章を遵守しない北朝鮮当局を支援するようなプログラムは受け入れられず、支援を人々に直接届く人道的見地に立ったものに限定すべきと改めて主張し、北朝鮮プログラムの内容を人道的性格なものに変更し、外部監査を実施すること等をコンセンサスで決定。
2007年3月、北朝鮮がこの決定を受け入れず、執行理事会の決定が実施できないとして活動停止を決定された。2007年5月、UNDP平壌事務所を閉鎖(これにより2005―2006年プログラムも含め、北朝鮮でのUNDP活動を全面停止。)していた。
 2008年末、北朝鮮当局が2007年1月の決定を受け入れ表明し、2009年1月、停止されていた2005―2006年プログラムの未実施事業等農地、「持続的な人間開発目的」のものに限って、厳格なモニタリング体制の下、再開することが決定された。
 再開予定の事業内容、「2005―2006年プログラム1,597万ドル農地、対外援助の効果的管理のための能力強化等北朝鮮当局が直接被益する可能性があるもの、貿易分野の能力強化当北朝鮮の産業基盤につながるものを除く1,246万ドル(約12億2千万強)も事業。」
 農村における持続的なエネルギー。持続的農業生産向上。食料・農業に関する情報の集積。収穫後の損失の逓減(徐々に減る)。小規模風力発電。MDGs関連統計(生活水準等に関する報告書作成を通じ、人民の生活の現状を明らかにし、人民の生活に資するもの。)
環境プログラム支援。(環境分野のプロジェクトを専門に取扱う言質職員を育成するもの)

* 尚、上記以外の事業でも、UNDP総裁は、2009-2010年の間、持続的人間開発を目的とする事業に限り、執行理事会に然るべく報告の上で実施を決定できる。実施体制として、UNDP平壌事務所を再開し、国連職員7名及びUNDPの審査により採用する言質職員(北朝鮮からの派遣職員は排除)12名を配置。事業は北朝鮮当局には委託せず、UNDP又はその他国連機関が直接実施し、事業サイトへの定期的立ち入り、事業の定期的報告の厳格なモニタリング体制を構築。
以上、概要である。

報告によると、「わが国はこれまで、北朝鮮人権法を踏まえ、北朝鮮当局に直接被益する事業が行われることを阻止するため、『UNDP』の北朝鮮における活動は北朝鮮の人々に直接届く持続的な人間開発を支援するものに限定されるべきである」との立場に立って、UNDP総裁以下のUNDP幹部及び米国をはじめとする主要国に対する働きかけを精力的に行う等、対処」・「本年1月の執行理事会では、理事国ではなく、今回の決定に直接参加する立場には無かったが、我が方国連代大使(原文ママ)より、2007年1月の決定を踏まえたわが国のこれまでの立場を改めて表明。コレラの努力の結果、再開できるプログラムの内容及び実施体制はわが国の主張に沿ったものとなり、プログラムの全面再開が決定されることを回避。」との説明があった。
 ここで、重要な点がある。わが国はUNDPへの拠出額において、6番目に位置し、4年理事国として発言してきたが、今年は理事国には入っていなかった。来年再び理事国になるのだが、この間隙をついて「北朝鮮プログラム再開」を決定されたことになる。これは、日本が非理事国のときに駆け込み決定した感が否めまい。つまり、反対する日本を想定し、「鬼のいぬまの・・・。」ということではないか?これでは、謳っている「持続的人間開発を目的とする事業に限り」という項目が確実に実施されるかわからず、「UNDP総裁は、2009-2010年の間、持続的人間開発を目的とする事業に限り、執行理事会に然るべく報告の上で実施を決定できる」とあり、総裁の権限で何でもできるということだ。
 又、「環境プログラム支援。(環境分野のプロジェクトを専門に取扱う言質職員を育成するもの)」の中に「実施体制として、UNDP平壌事務所を再開し、国連職員7名及びUNDPの審査により採用する言質職員(北朝鮮からの派遣職員は排除)12名を配置。」とあり、この北朝鮮職員とは、北朝鮮当局の巣宣するものを排除し、出来るだけ北朝鮮政府の影響を受けない人物を選定するという。北朝鮮国内で、北朝鮮当局の命令に否をいえる人物がいるのかということになるのだが、文面上は「影響を受けない人物」と限定している。
 如何にまやかしの言かは、お分かりだと思うが、そのほかのプロジェクトにしても「モニタリング」の厳格な実施を含めて、結局は北朝鮮当局の言いように使われる危惧が否めまい。
 このような状況で、わが国の税金から支払われる「UNDPへの出資金」が使用されるということは、北朝鮮に血税を吸い取られかねない状況であるということだ。



2009.3.13

「北朝鮮のミサイル」

 北朝鮮が「衛星」と称して、ミサイル発射実験を開始する。予想では、来月4日〜8日の間であろうということだ。
 ここに来て、各国が北朝鮮に自制を求めるような発言が相次いでいる。
「ミサイル発射なら、国連安保理違反」とか「ミサイルでも衛星でも安保理違反」というものだ。
 日本政府もアメリカ政府も当初、「ミサイル発射なら迎撃する」という言葉で圧力をかけてきたが、北朝鮮の「衛星を迎撃したなら、『戦争行為』とみなす」という脅しに対し、トーンダウンし、わが国は「ミサイルがわが国に落下するようなら、迎撃する」といい始めた。全く、北朝鮮の脅しに屈した形の表明である。
 ミサイル発射が、国連安保理違反であり、わが国の領土を危険に陥れるものであることを明確に認識して、迎撃するとの姿勢を示すことが出来るかどうかによって、北朝鮮の思惑をくじくことになると思うのだが、どうも北朝鮮の術中に嵌りそうな感じだ。
 北朝鮮のミサイルは、その技術の未熟さゆえに、何処に着弾するか、示されたルートを忠実に通るかは、誰もわからない状況だ。
 仮に、航行中の航空機に被害が出た場合、日本政府は如何対処するのか?このままでは、最悪の場合でも、北朝鮮の違反に対して何もできないということだろう。
 被害を受けたほうが、加害国に対して毅然と対処できないことを繰り返すのだろうか?
北朝鮮が、「制裁の発動」という脅しに屈するとは思えない。国際社会のさらに厳しいメッセージを送るときであろう。
 麻生総理が毅然と対処できるかによって、わが国の主権を守れるか如何かの基準を示していくことになる。
 中国・ロシアを含めた「国連の常任理事国と非常任理事国」すべてのメッセージを送らなければならない。
 そうするためにも日本が今主導して、各国に動くときではないだろうか?
 国内で政争をしている場合ではあるまい。



2009.3.11

「念願が叶う」

 金賢姫元工作員との面会の場面が、昼過ぎから何回も流れ、その感動的なシーンを見るにつけ、拉致問題の悲劇の深さが蘇る。金賢姫元工作員もまた、親兄弟との再会を果たせず、その安否さえわからない状況なのだ。
 金賢姫元工作員は、金正日の命令により「工作員教育」を受け、大韓航空機を爆破するというとんでもない犯罪をしてしまった。その自身の犯した罪に払いきれぬ苦しみから、社会とのかかわりを避けながらひっそりと暮らすという決断を余儀なくされた。
 そして、韓国社会の左傾化に伴い、彼女自身の存在さえ否定され、北朝鮮の酷い体制を支持する政権により、更なる苦境に追い込まれた。
 これは、特殊なケースなのであろうか?
 独裁者の命令は絶対であり、命令にそむくことは許されない。従って、彼女の犯した罪は、独裁者の罪となる。実行犯の罪は軽減されるべきものなのだ。
 しかし、この独裁者の犯罪を見逃し、独裁者の行為を正当化する輩が存在することは、独裁者と同じ罪とならないのだろうか?
 韓国社会のゆがみの状況がそこにあるのだろう。
 方や、日本ではどうか?この時点においても「北朝鮮の行為は、致し方ないものとして、先ず、謝罪から始めよ」という輩が存在する。
 北朝鮮から命からがら逃げてきた「脱北者」の心を思うとき、無責任な評論から、そして、無責任なヒューマニズムから発言している有識者や、確信的な団体の罪は重いと感ずる。
 脱北者は、今、祖国の民主化を望み、少ない収入の中から「北朝鮮自由放送」の活動を支え続けている。
 この人たちの、懸命な努力をあざ笑うことが出来るのか?
 わが国のお金によって延命してきた金正日政権とその指導部のことを考えると、わが国の罪も重いのではないだろうか?
 金賢姫元工作員の悲劇を繰り返さない、親子が引き裂かれている状況を改善すべく、隣国のわが国が責任を持たねばならないのではないか?



2009.3.10

「金賢姫の証言 」

 金賢姫元工作員は、マカオから拉致された「孔令※(※は貝貝の下に言)(コウ・レイエイ)さん」にも中国語を教わり、中国語までマスターしていた。という事実には驚いた。
 いや、驚くというより北朝鮮の「拉致被害者」を利用し、テロを仕掛けていたということにあきれる。酷い政権である。
 私は、もとよりあの政権に支配されている土地に関して「国家」とは認められないので、政権といっているが、それでも行き当たりばったりで愚策を考え実行されるということに驚きを感じる。(それに対して、国際社会が何の手立ても打たないということに国連の力の無さを痛感すのだが・・・。)これが独裁政権の本質であろう。
 孔さんの父親と実弟に会ったのは、4年前になるか。当時、行方のわからなかった姉の情報をもたらしてくれたことを感謝された。その後、孔さん親子は、韓国まで出向き、崔銀姫(チェ・ウニ)さんに直接会って、北朝鮮で目撃された女性が間違いなく「孔さん」であることを確認できたのだが、人権のない国となった中国領マカオに住む孔さん親子は、礼インさんの救出に具体的な動きをとることなどできずに、救う会・西岡さんや家族会の活動に期待を寄せている現状であった。
 その中で、飛び出した「金賢姫元工作員」の証言である。
 この報道が中国で大きく報道されることはあるまいが、せめて知らせてやりたいと思う。
 長く離された肉親の情報は、どのようなものでも聞いておきたいというのが家族の心情である。孔さん親子に関しても同じ思いであろう。
 金賢姫元工作員が表に出ることによって、思いもよらぬ情報が出てくることもありうることであろう。韓国・ノムヒョウン政権下で押さえられてきた北朝鮮の内部情報が噴出していくことを期待したい。
 北朝鮮が再び恫喝外交を始めた。
 日米の防衛筋から出てきた「ミサイル発射なら迎撃」という言葉に対し、反応した。今度は、「迎撃したら戦争とみなす」ということである。
 勝手にミサイル実験をやっておいて、危険なものを打ち落としたら世mm奏功意図みなすとは何事か?
 ミサイル実験で他国の領空を侵犯することこそ「戦争行為」そのものではないか?
 この北朝鮮の暴言に「麻生総理」はどのような対処をするのだろうか?
 先の方針通り、「ミサイル発射なら迎撃」出来るのか否か?
 この対処の仕方によって、麻生政権の支持率の変化が見られるのではないだろうか?
 毅然たる姿勢を見せて欲しい。



2009.3.9

「金賢姫との面会実現」

 本日政府発表により、「金賢姫元工作員と飯塚さん親子の面会」が確定した。待ち望んでいた面会であることから、喜ばしいことである。
 金賢姫元工作員にとっても、待ち望んでいた面会であった。彼女が、韓国に入国して以来、北朝鮮での教えが間違っていたことを知り、さらに、自分に「日本語や日本人としての振る舞い」を教えてくれた田口さんを救いたいという思いから、日本への呼びかけを行ってきたことを考えると長い年月が過ぎてしまったものと思う。
 日本政府がもっと、「李恩恵(リウネ)」に重大な関心を持ち、「拉致被害者」について真剣に取り組んでいたら、とうの昔に実現していた面会であることを忘れてはなるまい。政府には猛省をしてもらいたいと思う。
 家族会は、7日に「臨時総会」・8日に救う会との合同会議を経て、今年の運動方針を確認した。その中で、やはり日本政府の「拉致被害者救出」への素早い動きが感じられない。もっと、すばやい動きを促すために運動を展開していくべきとの意見が強かった。
 私は、昨今の「テポドン―衛星―発射騒動」について思うのだが、日本政府も「ミサイル(衛星?)発射なら、『安保理違反』として、直ちに制裁をする」と言明し、ミサイル発射を牽制するようなメッセージを送っている。しかし、実害のない「ミサイル発射」に関して即座に「朝総連施設や北朝鮮関係の資産凍結」まで言い出して北朝鮮に圧力をかけているが、実害がはっきりした「拉致問題」を理由に「追加制裁」や「全面制裁」を言うことは無かった。
 これは、1998年当時の「テポドン1号・2号」発射実験の際と同じ動きである。当時も、ミサイル発射を受け、即座に国連の制裁決議に伴い制裁発動をし、さらに、翌年の発射実験準備の際には、「モノ・ヒト・カネ」を止めるとまで言って、北朝鮮に強いメッセージを送っている。しかし、拉致被害者を救出するためには、何もしていなかったことと同じではないか。
 「追加制裁をする」と、ミサイル発射で言えるのであるなら、昨年の北朝鮮の不誠実な姿勢に対して、即座に「追加制裁の発動」を言えた筈であるが、何もしてこなかった。
 10年前と変わらぬ日本政府の姿勢に、デ・ジャブー感覚である。
 同じことを繰り返す政治家の言動に無力感を覚えてしまう。



2009.3.6

「金賢姫報道」

 飯塚家と北朝鮮元工作員・金賢姫との面会に関する誤報が流れすぎている。現時点では、日程その他、一切決定していないというのが本当である。
 朝日も他社も二人の面会に神経質になりすぎ、韓国サイドの情報としての誤報を垂れ流し状態である。スクープという形での報道競争に走りすぎている問題であろう。
 韓国サイドも、面白おかしくリークしてくるので情報が錯綜しているようだ。
 金賢姫の意向も含め、韓国政府の対応が決まっていない状況のようで、面会まで高いハードルが存在していることも事実である。
 ここは、飯塚さん親子と金賢姫の面会を最優先と考えて貰えないだろうか?
 救う会では、面会前と面会後の記者会見を考えているということであるので、それを静かに待って欲しいと思う。
 ここで韓国の新聞・東亜日報に掲載されたインタヴュー記事を転載しておく。

 離婚後、1人で2人の子どもを育てていた田口八重子さんの行方が分からなくなったのは、1978年6月。耕一郎さんと2才上の姉は、突然孤児になった。耕一郎さんが1才の時だった。耕一郎さんは、伯父の飯塚繁雄さん(拉致被害者家族会代表)の養子となり、姉は伯母(田口さんの姉)が引き取った。
伯父は、耕一郎さんが養子という事実を隠した。衝撃を受けることを心配したからだ。祖母、伯父、伯母、家族皆が20年間、口を閉ざした。
姉は、母親の記憶がかすかに残っていて、田口さんが実の母親だという事実に気づいていたが、姉も耕一郎さんには一言も語らなかった。
真実は、21才の秋に突然訪れた。98年、米国出張のためにパスポートを作る時に、戸籍謄本に「養子」という文字があったのだ。
「ショックでした」
その直後、伯父は、「実は、お前の母親は別にいる。北朝鮮に拉致された田口八重子が、本当の母親だ」と言った。もう一度、衝撃を受けた。
耕一郎さんが世間に向かって、「私が田口八重子の本当の息子です。拉致問題に関心を持ってください」と叫ぶまでには、それから6年の歳月が必要だった。その間人知れず涙を流し、悲しみに耐えた。
実は、耕一郎さんは母親の記憶がまったくない。写真や金賢姫(キム・ヒョンヒ)氏の本を通じて母親に接したのがすべてだ。そのため、金氏との出会いを大変に期待している。母親が、耕一郎さんがお腹の中にいた時に作った帽子や健康手帳、へその緒も持っていくという。自分と母親を結びつける唯一の絆だからだ。
離れていた月日を埋めようと、耕一郎さんは、母親が拉致される数ヵ月前に一緒に撮った色あせた家族写真を常に持ち歩いている。
耕一郎さんは、母親が86年に交通事故で死んだという北朝鮮の主張を信じていない。「北朝鮮が出してきた交通事故調査書には、母親の名前もなく、半分が黒く消えていた。帰国した拉致被害者の中には、86年以降に母親を見たという人もいる」というのがその理由だ。
04年に息子であることを公表したことについて耕一郎さんは、「6者協議で拉致問題の進展がない状況で、国際社会に早期解決を訴えるためだった」と語った。この時から、耕一郎さんは拉致問題解決のための活動に積極的に立ち上がった。
同年、金賢姫氏に会いたいという手紙を日本外務省を通じて送った。しかし、手紙は金氏に伝わっていないようだと、耕一郎さんは考えている。
耕一郎さんは、「離れ離れで暮らさなければならない拉致被害者家族の悲しみに耳を傾けてほしい」と語り、韓国国民の関心を求めた。

早期の面会実現を願う。



2009.3.5

「金賢姫の手紙」

 今日付けの産経新聞に、「金元工作員」の手紙が掲載されていた。
 ご存知のように「金元工作員」は、大韓航空機爆破事件の実行犯として逮捕され、「死刑判決」を受けた後、恩赦により釈放され、韓国政府の庇護の下に置かれていた人物であったと思っていたが、先の手記により、ノムヒョン政権下で迫害を受け、北朝鮮の暗殺から逃れなければならなかった境遇が明らかにされた。これは、ノムヒョウン政権が如何に「北朝鮮政権寄り」になっていたかを表す明らかな証言といえる。
 その元工作員が、日本人拉致被害者「田口八重子さん」の家族会との面会を心待ちにしているという。「この出会いが個人的な喜びに終わるのではなく、韓日両国がお互い理解し協力する空間に拡大することを信じます。また今回の面会は、北韓(北朝鮮)によって離れ離れになった両国の離散家族にとって、家族会とは国家に劣らず大切で貴重なものであるということを教えてくれるでしょう。」と綴られている。
 「国家に劣らず大切な存在」と北朝鮮の元工作員がはっきりと言明しているにもかかわらず、日本の国会議員には「カネで解決すればよい」とか、元家族会の人間を使って、個人的な野望を果たそうとする輩がいることが残念である。
 北朝鮮の拉致というのは、歴史認識が如何だとかいう問題ではなく、明らかな「犯罪」であることを忘れてはならない。犯罪が行われた場合は、その背景を忖度する以前に、犯罪を質し、原状回復させることが先決である。
 平沢議員が以前言っていたが、「イギリスがインド支配した時期があったが、インドが国策によってイギリス人を拉致してよいなどということはない」
 犯罪は、その罪を認めさせ、改めるところからはじめなければなるまい。
 その手法としての問題には、いろいろな考え方があるだろうが、北朝鮮相手では単なる「話し合い」が奏功しないことは明らかだ。
 既に帰国した被害者の家族の言葉を利用し、「話し合いでの解決」を家族会の言葉として受け取られることは心外である。
 横田御夫妻の訪朝を促しているようであるが、それに対する横田家の反応は冷ややかなものであることを言っておきたい。
 横田家のある方は、「孫に会いに行け」という言葉に対して、「全く論外であり、筋違いであり、余計なお世話である」と明言している。
 「ヘギョンさんが何を言おうと、否定すれば良い」というが、北朝鮮は横田夫妻との面会前にヘギョンさんに対し、数ヶ月の厳しい教育を行うことに関して、横田さんは懸念を言っておられるし、「孫の発言」を否定する状況というのは、横田夫妻に「孫はうそつきだ」と世界に発信させることにつながることを忘れてはならない。
 そのようなつらい状況を私は容認することはできない。



2009.3.2

「北朝鮮の思惑 」

 北朝鮮が北朝鮮と在韓国連軍司令部は2日午前、軍事境界線上の板門店で将官級軍事当局者会談を行った。北朝鮮側が会談を申し入れ、「軍事的緊張の緩和問題」についての協議を提案した。と報道されたが、北朝鮮の宥和政策なのか、強硬姿勢を裏付ける行為なのか、協議内容が判明していない時点では判断しづらいが、私は、前者ではないかと思う。
 一昨日の名古屋での講演会において、荒木調査会代表が、今の北朝鮮の「ミサイル騒動」について、次のようにいっている。
 「皆さんも経験がおありと思うが、小学生時代にとても好きな異性がいるのだが、此方を向いてくれないので、どうしても向かせたいとき、消しゴムを投げるとか、気付いてほしいという行動を敢えてするときがあるが、あの行為に等しいものである」と。
 北朝鮮としては、米国に北朝鮮の方を向いて欲しいと思っても、向いてくれないから「ミサイル騒動」を起こしたが、米国や国際社会の批判が相次いだことや、駄々をこねて危険な水域までいきたくないから、事前に協議をして、何とか駄々っ子の悪戯程度の考えてくれると嬉しいというメッセージを送ろうとしているのではないかと。
 現在の国際環境の中で、ミサイルを打つということがどのような結果をもたらすかは「推して知るべし」である。北朝鮮軍部といえども馬鹿ではあるまい。ミサイルの一発が自国にどのような事態をもたらすかは明らかだ。だからこそ、脅しを掛けたり、なだめたりしながら生きながらえてきた政権ではないか。
 朝鮮戦争の結果、大々的な打撃を被ったことは軍部の幹部達は知っている。そして、北朝鮮の旧態全とした武器能力で、戦争を戦い抜くということは出来ない。過去の日本のように、世界列強と戦う能力が無いことは明らかだ。(日本も無かったが・・・・)
 だからこそ、軍事力の劣勢を覆すために「核開発」に勤しんだ。その結果、北朝鮮人民の飢えを招いてしまったのだが、人民を飢えさせてまで開発した「核兵器」の完全廃棄はありえないと思っているはずだ。
 打つぞ!打つぞ!といいながら、決定的な事態には至らないように画策してくるであろうと思うから、今回の将官級会談の要請もその類であろうと思う。
 そこでも、連合軍に対して「脅し」を掛けるかも知れないが、現在の米韓連合軍がひるむことは無いと思えるときに、情勢を見極めない「威嚇」は北朝鮮のためにならない。



2009.2.24

「麻生総理の訪米」

 世界のトップの誰よりも早く、日本の総理が米国のホワイトハウスに招かれたと、メディアでは、これが米国の「日本重視の姿勢」を表しているという。方や、懐疑的に「総理のいち早い面会とその後の食事会や記者会見もない」ということから、米国が麻生政権を軽視している証と見る向きもある。
 どちらが正しいのかは、その後の米国の対応が明らかになることで判明するであろう。しかし、現時点で早期招待に対する見返りとして、日本政府の米国経済や国際貢献が求められるであろうが、日本は何を出来るかを示していかなければならない。という論調だ。
 しかし、この会見の場で、麻生総理が言うべきは、昨年の米国国務省の推進した「テロ支援国指定解除」の誤りを正し、再度の指定を促していけるかどうかではないか。
 米国が日本に対し、「テロとの闘い」でのアフガンへの貢献を深めよというのであれば、米国は日本の「テロとの闘い」である「北朝鮮問題」で、どのような貢献をしてくれるのかを問いただして貰いたい。
 それをせずして、日本へ貢献を求めてくることは、いくら米国といえども片手落ちであることをしっかりと主張してもらいたいと思う。
 「拉致問題の解決無くして、日朝国交正常化なし」
 これは、わが国の国家的政策であり、譲ることの出来ないものであることを強く主張してもらいたい。
 片一方だけの要求に応じることは、外交の基本としても間違いであろうし、同盟国としての当然の要求である。米国に遠慮して、ヒラリー国務長官の最初の訪問国として日本を選択したことや、最初の招待が日本国首相であったことで何らかの寄与を約束させられることは間違いだろう。
 「行動対行動」の原則からも、訪問と資金援助や自衛隊の派遣というのは余りにも釣合わないものである。
 北朝鮮が、射程3000キロの中距離ミサイルの実戦配備が完了したとの報道を受けて尚、北朝鮮の行為を許すということであれば、米国の東アジアにおける影響力の低下につながるし、北朝鮮の思惑通りの結果となる。
 ヒラリー長官のアジア歴訪の際の、北朝鮮への主張を実質的なものにするためにも、日本との連携を深める上でも、重要案件に対する米国の姿勢を示してもらわねばならない。



2009.2.23

「それでも、中川昭一さんに期待している。」

 メディアでは、ローマでの会見を受けて、中川元財務省のバッシングが繰り広げられている。確かに、世界中のメディアが注目していた「G7財務相サミット」でのしどろもどろの会見は、よろしくないのだろうが、中川氏の政治生命までをも奪おうとする姿勢は如何なものか?
 中川昭一代議士は、二代目新拉致議連会長として始めてお会いしたのだが、その意思や国家に対する思いをみて、信頼できることが出来たし、その後の「拉致被害者救出」のための行動には感謝している。
 失態は失態として認めるが、中川さんの実績は何もなかったのかというとそうではあるまい。元興銀マンとして財務に明るい知識を生かし、世界と伍して物言う代議士であった。
 経産相として、中国の尖閣諸島での油田開発に対してもハッキリと意を唱えてきた数少ない代議士の一人である。中国政府に媚びる政治家の多い中で希少な存在であったと思う。
 醜態は醜態として、今後の反省を求めて、次なる機会に期待していくべきではないか?
 私は、このような人物を失うことは、日本国の大きな損失であろうと思っているので、
 現在のTVの報道は合点が行かない部分もある。
 
 久しぶりに姉るみ子の夢を見た。
 私は、夢の内容をほとんど覚えていない質なのだが、今回の夢は鮮明に覚えている。
 姉は、帰国後の歓迎昼食会に出席していた。そこには、5人の被害者もいて、旧交を温めていた。
 姉は、幾分、年齢を重ねてはいたが、昔の面影を色濃く残し、少し痩せてはいたが元気そうであった。ベージュのスーツに身を包み(私の夢はカラーではないのだが、なぜか「ベージュ」と断定している)、市川修一さんと共に笑顔を見せていた。私は、兎に角、帰国してくれたことに嬉しく思っているのだが、その姉に対して、厳しく「北朝鮮での生活や目撃した日本人のこと」を問いただしている。その問いに姉は、「今は言えない。」と答えていた。北朝鮮での生活を話したがらない様子だし、他の被害者の事を話すことをためらうような様子に、再び、厳しく問う自分がいるのだが、何も答えようとしないし、悲しそうに「今はいえない」を繰り返す姿に、追及の矛先を向けることの出来ない自分がいた。
 久しぶりに見る「るみ子の姿」に感動を覚えながらも、解決に向けての証言が得られないことに対する疑問や苛立ちを覚える自分がいることもあることから、帰国できてからも大変なことになることを暗示するような内容だった。
 それでも、夢に見ることが出来たことを嬉しく思う。



2009.2.20

「先ず、動くべきは米国ではないのか?」

 ヒラリー国務長官の微笑み外交が終了した。メディアは、今回の国務長官の就任以来の初外国訪問国として、アジア、とりわけ日本を最初の訪問国に選んだことは、オバマ新政権の日本に対するメッセージであろうとの論調がみえる。
 このヒラリー国務長官の訪問という「日本重視」の姿勢を見て、米国が今後、アフガンでの日本政府の貢献を求めてくる際に、日本がどのように対応していくのかが問われるであろうということだ。
 しかし、先ず、最初に動くべきは米国ではないか・
 昨年、ブッシュ政権末期、対北朝鮮外交の大転換の産物として、「テロ支援国指定解除」という米国の国益優先を示した政策を突きつけられ、日本の重要課題である「拉致問題の解決」への米国の協力が得られなかった事実を突きつけられた日本国民が、米国の対日重視の姿勢がリップサービスに過ぎなかった現実を突きつけられ、「核の傘下」での安全保障の問題にも疑問を呈せざるを得なくなった。
 多くの日本人が、米国のこの姿勢に失望し、信頼を出来ないという思いにいたったことは確実である。さらに、多くの国民が「米国大使館」に対し、「テロ支援国指定解除」に反対の立場を示していくことにより、オバマ新政権に深刻な状況を知らしめた結果が、異例の「日本を重視する」というメッセージと「拉致被害者家族会との面会」という現実を作り出したと思う。
 2001年.わが国は「米国のテロとの闘い」の提唱により、テロとの戦いの場で、米国支持の立場をいち早く表明し、インド洋での重油提供を継続していった。然るに、米国は北朝鮮という「テロ国家」と相対峙している日本の闘いに共に共闘していくという姿勢を放棄し、独自の対北朝鮮政策を持って日本を孤立化させる北朝鮮の意図に心ならずも協力したのではないか?
 米国が、日本の国際貢献及び米国の闘いへの協力を求めるのであれば、先ず最初に示すべきは、米国も日本国民の命の問題である「テロ国家」との交渉や解決のために、どのような姿勢をとるべきかは、自ずと認識しなければなるまい。
 それは、前政権初期に見せた「拉致はテロである」という立場を確認し、北朝鮮をテロ支援国リストに再度戻すべきだ。
 この姿勢を見せない限り、何時又、米国が独自の外交政策をとり、日本が不利益を被ることにならないとも限らない。
 日本国民も、日本のメディアも先ず、米国がわが国の優先課題である「拉致被害者の救出」への闘いへ貢献したかによって、米国の要請に対する答えを考えるべきではないか?



2009.2.17

「ヒラリー長官との面会 」

 北朝鮮について、「非常に残酷な国」と言っていました。「前から深く気になっていて研究していた。米国としてもどう圧力をかけていくか検討したい」と言われました。他方、「話し合い」ということばもありました。
 横田早紀江 「ブッシュ大統領が私に会ってくださったのにテロ支援国指定が解除されたことは残念だった」とお伝えしました。また、「解除は暫定的なものと聞いていますが、変えるようにしてほしい」とお話したら、「調べてみます」というお答えでした。ヒル国務次官補が同席され、クリントン長官も発言を勧められましたが、何も話されませんでした。
 これは、「救う会ニュース」の一部だが、しっかりと言うべきことを述べられたと感じた。今後は、米国が同盟国としてどのように対応していくかを見極めるしかなかろうが、米国の国務長官が「拉致問題は重大な懸念で人類の悲劇」、「日本だけの懸念ではなく、6カ国協議全体の懸念」として重大視していることを強調」としている中、日本の小沢民主党代表は、ヒラリー長官と面会が決まった直後、「日米の間には、現在、特に政策的課題はなく、顔合わせということではないか」とのコメントをしている。
やはり、小沢代表にとっては、国民の生命の問題を重要な問題と捉えていない節が見える。
 野党の党首といえども、米国の国務長官との面会を、北朝鮮が「ミサイル発射」を模索している時期、又、「拉致被害者の救出が急務である」時期に、「顔合わせ」との捉え方をしているとすると残念でならない。
 ヒラリー長官が被害者家族にあうというパフォーマンスを日本国民に向けたのも、昨年の「米国のテロ支援国指定解除」から、日本国民の米国に対する失望感が激しいことを受けて、重要な懸念と感じたからに他ならず、日本国民向けの米国のアピールであったと思えば、日本国民の声を重要視した結果といえるのだが、小沢氏が、北朝鮮問題に触れず、拉致問題にも触れないということであれば、ヒラリー長官に対するアピール度を下げる結果になるのではないか?
 すべての国会議員が、「拉致問題」を重要視しているという姿勢を米国に見せ付けることが必要と思われるのだが、小沢氏がどこまで拉致問題を考えているのかわからない。ヒラリー長官との会談で、「拉致問題」を話すことがあるのかによって、小沢氏の総理としての資質も問われるのではないか?国民の命を軽視するようでは、政権交代後の日本の行く末が案じられる。



2009.2.16

「ヒラリー国務長官との面会」

 家族会・飯塚代表と横田前代表夫妻との面会が実現しそうだ。クリントン国務長官は、「国務長官としてではなく、妻として、母として、娘として、姉妹として」との言葉を添えての面会実現である。
 個人としての同情ではなく、勿論その思いも大切なのだが、私は、日本の同盟国の国務長官として「拉致問題」を重要な課題と捉えて面会して欲しいと思う。
 米国は昨年、家族会の要望や日本政府の要請を無視し、「テロ支援国指定解除」に踏み切った。このことが日本国民の米国への不信となって表れていることを、「国務長官」として捉えて欲しいからだ。
 「拉致問題を忘れていない!」この言葉は、ブッシュ政権のときにも聞いていた言葉だ。私には、米国のリップサービスを望む気持ちはない。具体的にどのような協力が出来るのかを知りたいし、米国国務長官としての解決への協力を要請したい。
 来日前の講演の中で、クリントン国務長官は「北朝鮮が核兵器開発計画を完全に放棄する準備ができていれば、米国は北朝鮮との関係を正常化する用意がある」と明らかにした。これでは、北朝鮮が核さえ放棄する用意をすれば、米朝国交正常化をするということではないか。日本政府は現在、「拉致問題の解決なしに日朝国交正常化なし」との強い立場を堅持している。米国が本当に「拉致問題を忘れない」というのであれば、同盟国・日本の姿勢を支持するというのであれば、「米朝国交正常化」のカードも「拉致問題の解決」に使うべきではないか?これでは、北朝鮮に対し「核さえ放棄すれば、他の問題は不問に付す」という誤ったメッセージを送っていることになってしまう。
 米国は、「北朝鮮の核放棄」に対し、「テロ支援国指定解除」というカードを切っているではないか。「テロ支援国指定解除」のカードを切って、北朝鮮の核放棄を断念させる約束ではなかったのか。先に、「米朝国交正常化」を持ち出すことは対北朝鮮外交としては間違いであることを学んでいないのであろうか?
 もし、ヒラリー長官が「米国が米朝合意を反故にしたから、北朝鮮が核開発に走った」と考えているのなら、それは明らかな認識違いであることを認識して欲しいと思う。「米朝合意」を反故にして核開発を行ってきたのは、北朝鮮である。
 出来れば、2003年、家族会が訪米した際にアーミテージ国務副長官が示した「拉致はテロ!」との認識に立ち、「テロ支援国」ではなく、「テロ国家」として「テロ支援国指定」を復活させて欲しいと思う。



2009.2.6

「テポドン発射準備!?」

 北朝鮮が何を考えて行動しているのか理解に苦しむ場面が多々あるが、今回の「テポドン2号発射準備」にもわからないことがある。
 韓国の李明博政権に対する牽制であるとかいわれるが、今、韓国政府が北朝鮮との無謀な戦いをしないと判った上で、このような示威行動を起こすこと事態が国際社会での地位を危うくすることであるとの認識が生まれないのは、北朝鮮政権内に政策能力のない人間しかいないという事だろう。
 将軍様の言付けとはいえ、今、ミサイル発射実験を行った場合、中国すら庇いきれない状況が生まれるし、米国新政権ですら、「融和的な対北政策」の見直しをせざるを得まい。
 日本・韓国・米国がそろって北朝鮮に対し妥協しない方針を打ち出したなら、北朝鮮政府も見直しをせざるを得ない状況になると思うのだが、それでも「瀬戸際外交」を続けざるを得ない現実が何を意味するのか、考えていくべきだろう。
 それとも、北朝鮮の動向を完全無視していけばそのように出るのだろうか?
 ヒラリー国務長官のアジア訪問日程が決定したようだ。先の中曽根外相との電話会談で、ヒラリー国務長官から「拉致問題」に言及していることを考えれば、訪日の際に「家族」にあっていただくことも考えていく。
 ヒラリー国務長官も日本における「拉致問題の重要性」を認識してはいるのだが、日本人の国民感情は理解していないと思われる。家族とあって、直に「被害者への思い」や「被害者救出の喫緊性」を訴える場が提供されることを望みたいが、過密日程のために、その実現には困難が伴うだろう。
 しかし一昨年、チェイニー副大統領が来日した際に、時間のない中、早朝、横田夫妻に面会の時間をとられたことを考えると不可能ではあるまい。
 直接会って、北朝鮮との交渉には圧力が必要であることを訴えたいと思う。
 米国だよりではなく、米国に北朝鮮の現実を知ってもらうことが必要だろう。
 アジアの極東で、大きな人権侵害や貧困に苦しむ人民が助けを求めていることを。
 日本には、切迫感が無いから危機感を認識してもらうつもりだ。
 米国国防総省では、北朝鮮政府を「核保有国」として認識する方向に向いつつあるが、これでは、北朝鮮政府が喜ぶ方向になる。
 あくまで、「核保有国」として、北朝鮮を認めるべきではないことを認識させねばならない。当然、わが国は、北朝鮮の脅威に対して、万全の備えをしてもらわなくてはならないが、実態以上の「脅威論」を煽るようなことは、北朝鮮政府を利するものと思う。



2009.2.5

「ヒル氏、イラク大使への転身」

 クリストファー・ヒル国務次官補が、外交実績をかわれたのか、イラク大使への転身となった。米国でのクリストファー・ヒル氏への評価は、割れていると聞いていたのだが、やはりジョセフ・バイデン副大統領の後押しがあったためなのか、イラク大使と言う大役を担うことになった。イラクに展開する米兵10万人強の兵士の命運が、ヒル大使の手に握られることになった。
 しかし、この現象は私にとっても無関係ではない。オバマ新政権でのヒルへの評価が高いということは、ヒルの敷いてきた「北朝鮮外交」が新政権でも推進される恐れがあるということだ。
 ヒル・ライス主導で展開されたブッシュ政権末期の「北朝鮮外交」は、あまりに融和的というより、北朝鮮ペースで進められたことは否めまい。その路線を評価されるということは、今後の「対北外交」も同様な路線を踏襲されるということだ。
 オバマ大統領は、米国内の経済対策で手一杯であろうから、外交に関しては、バイデン・ヒラリーの両者の思惑で動いていく可能性が高い。となると、北朝鮮を利する結果を生みかねない。これは、即ち、「拉致問題」の解決を遠のかせることになる。
 しかも、ヒラリー国務長官は、「クリントン政権下」での北朝鮮との友好関係構築が、ブッシュの強硬路線によって破棄されたと思っている節がある。これが本当だとすると、ブッシュ以前に戻ろうとすることが考えられる。
 私は、民主党政権いやヒラリー・クリントンも「クリントン政権下」での失敗に学び、確実な「核廃棄の検証」を実施しない限り、金正日政権に対し妥協はしないだろうと予想したのだが、どうもそうではないらしい。
 再度いうが、北朝鮮は「核廃棄」など考えていない。数百万の人民を植えさせて作った核兵器を手放すはずがない。もし、今、北朝鮮が核兵器を放棄すると、国際社会の中で「最貧国」の土地ということで、国際社会から相手にされなくなるからだ。この正確な分析がなしえないで、北朝鮮と向き合うということは非常に危険なことである。
 ヒラリーは、中曽根外相との電話会談で「拉致問題」をヒラリーサイドから持ち出し、関心の高さを強調したというので、多少の期待感を抱いていたのだが、相変わらず米国は単なるポーズとして、関心をもっているように振舞っているということである。
 北朝鮮や総連が、米国新政権に対し大きな期待感と喜びを持って迎えているということもうなずける。
 日本政府が、何処まで同盟国のアメリカを此方(こちら)サイドに引き寄せられるかが、今後の鍵となるのだろうが、これまでの外国姿勢から、米国を引きこむ外交を展開できるかは不透明だし、絶望的な気持ちになる。



2008.1.30

「金正男の行動」

 金正日の長男・金正男が中国からマカオに移動するときに、日本のマスメディアに捕捉され、インタビューを受けている映像が流れた。
 拉致問題に関する報道や「めぐみさん」に関する情報を問われたのだが、一切知らないといっていた。「一切知らない。情報を持っていない」という回答は予想外であった。北朝鮮政府のように「拉致は解決済み」・「被害者はすべて死亡」という文言を繰り返していないことに面白みを覚える。
 金正男によると「金正日の健康問題」に関しては、「報道を見たでしょう?」と答え、健康に関して言及しなかったことや、「後継者問題は、父が決定すること。自分は興味がない」と言っていること等、奇異な感じであるが、こと「拉致問題」では、北朝鮮当局の発表どおりに答えなくてはならないはずだ。しかし、彼は「知らない」とだだけ答えている。
 これは、北朝鮮当局の「拉致問題」にかすうる変化の兆しと見られるのではないか?現在、宋イルホ北朝鮮大使の動向が聞こえず、再教育させられているという情報も飛び交う中、金正男のこの回答は、日本への対応が決定していないために、方針が示されずにいることの表れではないか?
 国会では、総理の施政方針演説が行われた。北朝鮮問題は「すべての拉致被害者の一国も早い帰国の実現に向け、早期に全面的な調査のやり直しを開始するよう、具体的な行動を強く求める」と言っているのだが、日本政府が具体的にどのように動くのかは示されなかった。
 外務大臣は「調査のやり直しと生存者の帰国につながる成果が得られるように引き続き真剣に取り組む」といって、日本国民に対してのポーズとも受け取れる言葉しか聞こえてこない。
 日本政府はどうやって、「拉致問題」の早期解決を図るのか、国民に示していく必要がある。
 北朝鮮がどうであろうと、日本政府が動いていかなければ「拉致問題」は動かない。早急の対策を願いたい。



2009.1.21

「オバマ政権始動」

 今日未明、米国の新大統領オバマ氏の就任式があった。
2001年、私は、共和党・ブッシュ政権の誕生に期待した。平成9年に始まった『家族会』結成後の救出運動も閉塞感が漂い、クリントン政権の親北政策(ソフトランディング政策)のために、北朝鮮政権がゆとりを持ち始め、日本でも野中氏を始めとする親北政治家が幅を利かせていた時代であった。外務大臣は河野洋平氏、平成12年、家族に「私が責任を持って、コメ支援を行い、『拉致問題』の解決に尽力を尽くす」と言いながら、後に、何の責任も持たずに外相の席を下りた時代であった。
 ブッシュ大統領の「北朝鮮に対する不信感」を 顕にした発言や強硬な姿勢に期待してのものだった。
 そして、平成14年の「日朝平壌会談」に結びついた。
 しかし、今回は「オバマ大統領」という極めてリベラルな大統領の誕生となり、オバマ氏曰く「どのような政権のトップとも話す用意がある。」という姿勢を打ち出している。
 これまで、圧力こそが北朝鮮を動かす大きな原動力となると思ってきた私にとっては、今後の米国の動きには不安を感じるところがある。
 ブッシュ政権の前、クリントン政権は当初、北朝鮮の核開発を許さず、核開発を続ける北朝鮮政府を恫喝するために、日本海に艦隊を派遣し、一触即発の状況を呈した。
当時、日本は細川政権、細川氏はこの事態に突然辞任した。理由として、戦争を許可した総理としての責を負いたくないという気持ちからであったということが囁かれた。韓国は金永三政権で、金永三大統領(当時)は、北朝鮮に対する攻撃に対して反意を示し、韓国上空を米軍機が通過することを拒否した。韓国も、当時の北朝鮮とは歴然と違ってきた経済の発展を戦争によって破壊されたくないという思惑からだったが・・・。
 そこで、カーター元大統領の登場となる。北朝鮮の金日成主席との話し合いの下に、「軽水炉2基」の建設と年間50万トンの重油提供を約束し、「核施設の凍結」を促した。日本政府は、このとき、拉致被害者の存在を知りながら、何の解決をも生まない「軽水炉建設に必要な資金提供」を命じられた。
 そして、北朝鮮と米国の関係は次第に融和的な方向に向かい、最終的には国務長官のオルブライトの訪朝を実現させ、ついにはクリントンの訪朝寸前まで言った。
 一方北朝鮮は、約束を破り、「核施設の凍結」を実施したが、懸念の「核開発」を秘密裏に敢行していた。クリントン政権の敗北であった。
 歴史的に、訪朝を重ねる人たちが融和的になっていくのは不思議な現象であるが、オバマ大統領が訪朝した際の北朝鮮政府のトラップに陥る心配があるのだ。
 北朝鮮政府の人を篭絡する術(スベ)は、人知の及ぶところに無いから恐ろしいものがある。
 しかし、現在オバマ政権が、「北朝鮮の核保有を認めない」立場を覆すことはないだろうし、北朝鮮が「核の放棄」を断行することはありえない。この状況で、北朝鮮への歩みよりは「六者協議の失敗」から学び、ジュネーブ合意の失敗から学んだ米国が同じ轍を踏むことは考えにくい。北朝鮮のあいまいな姿勢は、米国の怒りを買い、厳しい立場に成る可能性はある。
 さらに、イリノイ州出身のオバマ大統領は、「キン・ドンシュク牧師」の拉致事件を知っているし、この牧師の問題の解決を北朝鮮に要求していくことは明らかだ。
 これに対し、北朝鮮政府がどのような対応を迫られるかが鍵になる。わが国は、同様の問題である「北朝鮮による拉致事件」についてもオバマ氏に正しく認識してもらう必要があろう。
 多大な期待はしないが、米国政権の変化に伴い、北朝鮮情勢が変化した歴史から、動かなかったものが動いていく予感はある。その動きが私にとって良い変化であってもらいたいものだ。
 日本政府の積極的アプローチを要請したい。
・・。



2009.1.14

「北朝鮮の思惑!?」

 臆面も無く、北朝鮮政府は米国の新政権誕生に際し、20日に予定されるオバマ新大統領の就任式に、金桂冠外務次官の訪米を打診したようだ。しかも、六者協議が物別れに終わった直後ということである。当然のように、米国は、招聘はしないという立場を表明したようだが、これには「プライド」をいたく傷つけられたと思われる。
 北朝鮮政府も、日本の朝鮮総連も米国の新政権誕生に対し、異常なほどの喜びの表現をしているという話がある。おそらく、オバマの「対話重視の姿勢」に期待してのことだろうが、オバマが就任後まもなく、米国在住であった金牧師の拉致にふれ、重要な問題であるといっていたことを知っているはずである。
 北朝鮮という政府は、長く独裁体制が続いたために、真の民主主義国家の考え方がわからないようだ、先には、朝鮮労働党で対南(韓国)政策を担当する統一戦線部の崔承哲(チェスンチョル)前副部長(52)が最近、北朝鮮南西部・黄海道地域の養鶏場で働かされているという情報が入ったが、保身のために「金正日に対し、嫌がる報告をしなかった高官が、結局は民意に勝てずに放逐されたということだ。
 金桂冠も「六者協議」での「強硬姿勢は必ず、米国の譲歩を生む」という自分に都合の良い報告を上げていることが考えられる。このため、六者協議で認められなかった「厳格な核検証方法をうやむやにすること」を訪米によって、新政権との間で構築したいという思惑があったかもしれない。
 しかし、北朝鮮外務省は「米核脅威なくなれば核兵器放棄」という立場をしめし、クリントンが「我々のゴールは、プルトニウムの再処理計画や、北朝鮮が進めていると思われるウラン濃縮計画をやめさせることです」といっている以上、協議が成立するはずもない。
 金桂冠も崔承哲(チェスンチョル)前副部長の轍を踏むのではないだろうか?それとも、崔前副部長の処遇を見て、危機感を覚えた金桂冠が亡命を考えて、訪米を具申したのかもしれない。
 いずれにしろ、北朝鮮政府や朝鮮総連が考えるほど「喜ばしい状況になる」とは思えないのだが。北朝鮮にとっては利用しやすかったヒル米国国務次官補も、その任を解かれる情勢にある。
 今後の米国の対応は注視すべきであろうが、兎に角、早期に動いていってもらいたいと思う。
 日本政府も政局を睨むのではなく、生命の危機にある国民をみて国会運営をしてもらいたい。



2009.1.13

「知事会の収録」

 今日13日、全国の首長のうち「岩手県」を除く46都道府県の知事が結成している「知事会」のうち、鳥取県の平井知事と新潟県の泉田知事のお二人が調査会の「しおかぜ」収録を行った。昼に行われた「外国人特派員クラブ」での記者会見の帰りである。
 平井知事は、松本京子さんの兄・孟さんのメッセージを伴い、「特定失踪者」の方にも声をかけて、『希望を失わないよう』力強く、呼びかけていた。
 泉田知事は、金正日への書簡や「全国知事会の声明文」を読み上げるなど3通を「しおかぜ」に収録していた。
 北朝鮮が、日本国内の「拉致問題」への関心度が低くなっていくことを注視している上で、改めて全国の知事が一致して、「拉致問題の解決」を訴える行動を起こしていただけるのは、日本全国の首長のほとんどが参加している点で意義深い。首長の責務として、自治体の都民・府民・道民・県民の生命を守らなければならない立場の方々が、表明するということは、金正日に「変な解決を許さない」というメッセージとなる。今後の知事会の活躍をお願いしたい。ただ参加するという姿勢ではなく、自治体の民の生命を守るという強い意志を示していってもらいたい。
 また、13日午後、最後のよど号犯の子供である「若林盛亮容疑者の次男(14歳)」が帰国したようだ。
 無理やり強制的に連れ去られた拉致被害者は帰国できずにいるにもかかわらず、有本さん等「ヨーロッパ」から多くの日本人を北朝鮮という寂しい土地に連れ去った実行犯の家族は容易に帰国し、日本国の正式なパスポートを受け取ることが出来る。
 これまでも、何人もよど号犯の妻達が帰国した。その何人かは「ヨーロッパでの日本人拉致」にかかわっていると思われるのだが、「旅券法違反」という軽犯罪に問われるだけで、大手を振って日本国内を歩けるという現象に疑問を感じざるを得ない。
 日本の警察の限界か?日本という国家の危うさが残されているためか?
 よど号の犯罪を解明するためには、多くの証拠や証言が必要なのだろうが、被害者が帰国できずにいて、彼らが帰国できることに違和感を覚えてしまう。
 公安は、警察はまだ、実行犯すら逮捕していないではないか。
東北に住む「田中実さん拉致の実行犯すら野放しだ」。これでは、拉致被害者の無念を晴らすことなど到底期待できず、被害者の帰国なども容易に進まないはずだ。
  北朝鮮を出て行く「よど号犯関係者」の情報を拉致被害者はどのような気持ちで捉えているのだろうか?
 拉致被害者の「何故、日本は私たちを放置したままなんだ。」・「何故、日本は本気で私たちを救出してくれないんだ。」
という声が聞こえてくる。



2008.1.7

「年明けに」

 7日だから、年賀の挨拶もぎりぎり許されると思うが、今年も一緒に闘っていただく方々に挨拶が遅れたことを申し訳なく思う。
 昨年も何の進展も無く、結局北朝鮮に翻弄された年であったことを考えると、簡単に年賀の挨拶をする気力も失せてしまったし、何を書いていっていいのかさえ迷う状況が続いている。
 しかし、私が気力を無くすわけにいかないと思い直し、改めて年賀の挨拶を書かせていただくことにした。
 新年の夜明けを期待して、今年こそという気持ちを奮い立たせ活動に邁進していきます。
 今年は、元旦より「高幡不動前」での街頭署名と4日の川口駅前の街頭署名に参加した。昨年と違い暖かな日和で、参加された皆さんとともに声を張り上げてきた。そうやって、気持ちを高揚させていくことで、今年の活動を肝に銘じていくしかないと思う。
 中山補佐官が米国の新政権への要請のため訪米された。ヒル次官補はいつものようにリップサービスに終始したように見える。
 米国頼みではなく、わが国がやるべきことをやるべきなのだが、国会では終始「経済の問題」を討議して、昨年も解決に至らなかった「拉致問題」を懸念する声は聞けていない。
 国会議員の方々は、拉致被害者をどのように救い出そうとするのかという方向性を示してもくれない。
 喫緊の問題としての捉えかたではないようだ。
 再び、見捨てられようとしている拉致被害者を救い出すのは、家族であり国民であって欲しいと念ずる。
 父が残した「日本を信じろ!」の言葉をもう一度胸に刻みたい。



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