統一協会では、メシヤである文氏の祝福によってのみ原罪を贖罪できると教えます。
文夫妻は真の父母であり、罪を犯さなかったアダムとエバの立場であり、アダムとエバの堕落以降、全ての人類が生まれ持った原罪を赦す権能があると教えます。

原理講論には再臨のメシヤが生まれる場所について、「彼はまず、復帰摂理を担当した選民の一人として生まれなければならない。」（原理講論　前編第六章 予定論）と書かれており、「『再臨されるメシヤのための基台』を造成しなければならないイスラエル選民とは、アブラハムの血統的な子孫をいうのではなく、あくまでもアブラハムの信仰を継承したキリスト教信徒たちをいうのだということが分かるのである。」（原理講論　後編第六章 再臨論）と書かれています。

つまり原理講論には、再臨のメシヤはキリスト教国に再臨すると書かれているのです。

しかし「再臨のメシヤ」を自称する文氏が生まれた朝鮮は、当時は日本であり、李朝朝鮮時代には儒教国であり、キリスト教を迫害して多くのキリスト教徒を虐殺した国でした。

李朝朝鮮の反体制運動に対する残虐な処刑は、実に想像を絶するもでした。
○1801年の辛酉教獄（シンソキョオク）
純祖が即位した直後の1801年初め、大王大妃金氏が「禁教令」を下したことによって始まった。天主教を捨てられない人は反逆罪で罰するようにとの指示により、丁若鍾・李昇薫・權哲身・李家煥ら南人だけでなく、中国人神父周文謨などが処刑または獄死され、丁若銓らは流刑になった。
また、秋には北京の天主教会に助けを要請する黄嗣永の白書が発覚、関係者が処刑されるなど、年末に教獄が一段落する時までにおよそ100人が殉教し、400人ほどが流刑になった。

○1839年の己亥教獄（キヘキョオク）
アンベールら三人のフランス人宣教師をはじめ200人以上を処刑した。

○1846年の丙午教獄（ビョンオニョンキョオク）
金大建ら20人以上を処刑した。

○1866年の丙寅教獄（ビョンインキョオク）
「丙寅邪獄」「丙寅教難」とも言う。
まず四人の外国人宣教師が刑場にひき出された。 彼らは獄中で受けた拷問のため衰弱しきっていたが、流暢な朝鮮語で『一般信徒に寛大な処置を』と訴え、最後の祈りをささげて、従容と刑を受けた。
その刑は、二台の牛車で体を左右に引き裂かれるむごたらしいものであった。 弾圧はほぼ六ヶ月にわたり、国内のあらゆる地域で続けられた。
大院君の腹心である捕盗大将李景夏が持ち前の残虐性を発揮し、五家族を一単位として連帯責任をとらせ、密告を奨励した。
また、一家眷族、近親一族を殲滅する"絶種断族の刑"が実行されたのは、朝鮮王朝五百年を通じてこの時だけであったと伝えられている。
ベルヌー司教ほか9名のフランス宣教師、 8000名におよぶ信者が殉教し、世界のキリスト教受難史の中でも最大の規模の一つといわれる大弾圧を徹底的に遂行した。
　
　
文氏の両親である文慶裕氏と金慶継夫人は儒教徒であり、文氏が10歳の頃にキリスト教に宗旨替えしました。
はたしてキリスト教徒を虐殺した朝鮮儒教の家庭にキリストが再臨するでしょうか？
しかもマリヤのような未婚の乙女ではなく、兄1人と姉3人を産んだ母親の胎から、次男として生まれた龍明くんが、どうして原罪のない再臨のキリストになるのでしょうか？


＜民族の試練と三・一独立運動＞
・・・十六歳で殉国した柳寛順烈士は、堕落しないエバと同じ立場にありました。アダム国家におけるエバと同じだというのです。そのエバの立場にあった柳寛順烈士の体を、サタンが六片に分けてしまいました。六数はサタン数です。柳寛順烈士は、国家に忠誠を尽くしながら、一身を犠牲にしながらも解放運動をしたのです。　独立運動が最盛期だった一九一九年に、先生は母の腹中にいました。独立しない地で、そのまま生まれることはできなかったので、先生の生命を中心として、そのような戦いがあったのです。その時から十ヵ月後の一九二〇年に、先生が生まれたのです。・・・
(真の御父母様の生涯路程 1より)


文氏は一般食口向けには、生まれた時から原罪のないメシヤだと思わせる発言をします。
キリスト教を信仰した柳寛順を「堕落しないエバと同じ立場」だと言い、彼女の信仰のおかげで、三・一運動から十ヵ月後の一九二〇年に自分が生まれたと言います。
しかし文氏が生まれたのは陰暦の1月6日、陽暦では2月25日ですから、金慶継夫人が妊娠したのは5月になります。
http://plaza.rakuten.co.jp/jijii50/diary/200804180000/

柳寛順が運動を指揮して逮捕されたのは4月1日（陰暦3月1日）ですが、陰暦の1月1日は、毎年1月22日ごろから2月19日ごろまでを移動しますから、陰暦の3月1日から約10ヵ月後の陰暦の1月6日と言う計算自体が成立しません。

そもそも柳寛順とは赤の他人である金慶継夫人の妊娠を、陰暦と陽暦の違いなども巧妙に利用し、都合の良い数字を使って、さも関連があるように“内的条件”などと言って騙します。
あまり深く考える習慣も時間もない食口を、暦の違いなども巧妙に利用して騙す洗脳教育であり、詐欺師の手口そのものと言えます。

しかし統一協会のリーダー向けには、全く別の内容を教えています。
統一協会の有名講師が、文氏は普通の人間として生まれ、後天的に「原罪の贖罪」のための性の行事が行われることによって、メシアとしての立場を勝利したと教えているそうです。
http://plaza.rakuten.co.jp/retreatcenter/diary/200801270000/

はたして儒教徒の家庭に普通の人間（原理では堕落人間）として生まれた文氏が、後天的に「原罪を贖罪」してメシヤになることができるのでしょうか？

タグ： 統一教会 , 再臨主 , 宗教

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