徳島駅南側の国道192号沿いの歩道に整備された自転車専用レーンについて、利用者の半数、歩行者の約30%が「かえって危険になった」と感じていることが、徳島大学都市デザイン研究室の聞き取り調査で分かった。研究室は、国土交通省徳島河川国道事務所に自転車の誤進入の多さや専用レーンの狭さ、夜間通行の危険性などを指摘。事務所は分離柵を一部撤去する方針で、9日、徳島市内で各団体の代表らと意見交換して改善策を示す。
自転車専用レーンは▽そごう徳島店南側の藍場町1~元町1▽阿波観光ホテル南側の元町1~八百屋町2▽徳島中央郵便局北側の元町2~八百屋町1-の計850メートル。6月に徳島新聞が「自転車レーン不評」と報道したのを受け、研究室の山中英生教授らが7月上旬、そごう徳島店南側の通行状況を調べ、111人(自転車利用者58人、歩行者53人)から意見を聞くなどして分析した。
その結果、自転車利用者の約半数が歩行者レーンを通行していることが判明。聞き取りでは▽自転車利用者の約半数、歩行者の約30%が「すれ違う際にかえって危険」▽路面表示や案内板について全体の約40%が「分かりにくい」▽夜間に通行した人の半数以上が「分離柵が見えにくい」-と答えた。ほかには「自転車レーンをもっと広くして」「認知度が高まる工夫を」など意見があった。
研究室は、改善策として<1>植栽帯の一部撤去などで自転車レーンを拡大<2>自転車レーンに中央線を引いて通行方向を明示<3>自転車利用者への周知徹底-などを挙げ、8月下旬に徳島河川国道事務所に提案した。
同事務所の上林正幸副所長は「今回の調査で周知不足や構造上の問題など、課題が明確になった。利用者の安全性、利便性を考えると待避個所を作る必要がある。柵が長くつながっている個所、大きく折れ曲がっている個所の柵は近く撤去したい」との考えを示した。同事務所では年内に独自の利用者調査を行う。
意見交換会には、市身体障害者連合会や市老人クラブ連合会などの代表らが出席。山中教授が調査結果を報告し、事務所が改善策を提示する。【写真説明】徳大の調査で「かえって危険」と感じた自転車利用者が半数を占めた専用レーン=徳島市元町1