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ロシアの「国家的脅威」は酒と麻薬 大統領が対策に大号令 (1/2ページ)
このニュースのトピックス:ロシア・CIS
【モスクワ=遠藤良介】人口急減に悩むロシアのメドベージェフ大統領が、死亡率の主因となっているアルコールや麻薬中毒を減らすべく上からのキャンペーンに乗り出した。ロシア人の死因の少なくとも4分の1は飲酒関連とされるなど、もはや人口問題が国家の根幹を揺るがしかねないとの危機感からだ。ただ、飲酒や麻薬蔓延(まんえん)の根底にはソ連崩壊に伴う社会体制の急変や国民のモラル低下があり、一朝一夕に結果を出すことは難しそうだ。
メドベージェフ氏は8日、臨時招集した国家安全保障会議で麻薬使用者が250万人にのぼるとの推計を示し、事態は「国家安全上の脅威だ」と発言。ヘロインや覚醒(かくせい)剤に加え若者には各種の合成麻薬が浸透しており、麻薬使用による死者は年間3万人とみられている。政府は全学生・生徒への強制的薬物検査や刑罰の厳格化を検討し始めた。
大統領はこれに先立ち、アルコールについても「節酒令」を出すべく政府に号令をかけている。国民1人あたりの年間飲酒量が世界最多の純アルコール18リットル(ウオツカ50本に相当)、アルコール中毒患者は300万人にのぼっており、広告・販売規制や酒税引き上げで飲酒に歯止めをかけたい考えだ。疾病のみならず飲酒に伴う火災や交通事故、自殺、殺人なども含めれば関連死者が年50万人とも指摘され、経済的損失も大きい。
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