杉山愛が今季限りでの引退を表明…女子テニス

　テニスの四大大会の女子ダブルスで３度の優勝を誇る杉山愛（３４）＝フリー＝が９日、マネジメント会社を通じて今季限りでの現役引退を表明した。２７日開幕の東レ・パンパシフィック・オープン（東京有明テニスの森公園）が現役最後の試合となる。

　開催中の全米オープンで四大大会の連続出場記録を６２回に伸ばした杉山は、１１日に帰国して記者会見する。今後については「テニスやスポーツを通じて恩返しをしていきたい」とし、選手の育成や子どもの教育、社会貢献活動に携わる予定。

　杉山は１９９２年に１７歳でプロ転向。抜群のフットワークと得意のバックハンドを武器に、シングルスの世界ランキングは最高で８位を記録した。四大大会では９９年の全米の混合ダブルスで優勝、２０００年の全米と０３年の全仏オープン、ウィンブルドン選手権の女子ダブルスを制した。

　今季は春先から不調で、全米でもシングルスは１回戦を突破できず、最新の世界ランキングでは７１位まで落ちていた。

　杉山愛「わたしは近い将来のイメージをしっかり見据えることができるタイプだと思いますが、現時点では来シーズンのことが見えていないのが正直なところ。瞬間的にいいパフォーマンスができたとしても、年間を通じてそれができないと分かった時が完全燃焼の時だと思っていましたし、引退の時だと考えていました。これからはテニスやスポーツを通じて恩返しをしていきたいと思います」

　◆杉山　愛（すぎやま・あい）５歳でテニスを始める。９２年に１７歳でプロ転向。９７年のジャパン・オープンで単のツアー初優勝。四大大会は００年全米、０３年全仏、ウィンブルドンの女子複を制した。混合複でも９９年全米を制覇。９４年ウィンブルドンから、男女を通じて史上最多の四大大会６２回連続出場記録を持つ。ツアー優勝は通算で単６勝、複３８勝。最新世界ランキングは単７１位（過去最高は８位）、複６位（同１位）。五輪は９６年アトランタ大会から４大会連続出場。１６３センチ、５５キロ。３４歳。横浜市出身。