現在位置:asahi.com>デジタル>藤本健のオーディオステーション> 記事

コラム「藤本健のオーディオステーション」

「ウォークマン」、デジタルプレイヤーでも健在

2008年01月18日

 カセットテープやCDの時代、携帯オーディオプレイヤーの一番人気といえば、ソニーの「ウォークマン」でした。デジタルオーディオの時代となった現在でも、「ウォークマン」ブランドは健在、Appleの「iPod」シリーズが圧倒的な人気を誇っているものの、2008年1月第2週のBCNランキングで12位を筆頭に、多くの製品がランクインしています。今回は「ウォークマン」の特徴をご紹介させていただきます。

写真コンパクトな本体にワンセグ機能やノイズキャンセリング機能を搭載した「ウォークマンA」NW−A919
写真動画再生や5種類の高音質機能、そしてノイズキャンセリング機能も搭載した「ウォークマンS」NW−S718F
写真本体にUSB端子を装備してパソコンにケーブル不要で接続できる「ウォークマンE」NW−E016

 「ウォークマンA」は多機能が特徴のシリーズ。NW−A919は16GBのフラッシュメモリーを内蔵。2.4型のカラーディスプレーを備え、音楽・動画の再生、写真表示に加え、ワンセグ放送の受信や録画・再生にも対応しています。圧縮オーディオの弱点である高音域をクリアに再現する「DSEE」や、左右チャンネルの混在を抑え、自然なステレオ感を実現する「クリアステレオ」など、高音質を実現する5種類の「クリアオーディオテクノロジー」といった機能も搭載しています。また、電車の走行音など、外部の騒音の影響を抑えて、ボリュームを上げなくても音楽を楽しめる「ノイズキャンセリング」機能まで用意。コンパクトな本体ながら、まさに「全部入り」といったシリーズです。

 「ウォークマンS」は高音質機能にこだわったシリーズ。NW−S718Fは8GBのフラッシュメモリーを内蔵、先述の「DSEE」や「クリアステレオ」など5種類の「クリアオーディオテクノロジー」、そして「ノイズキャンセリング」機能も搭載しています。ディスプレーは1.8型と少し小さくなりますが、こちらも音楽だけでなく、動画再生や写真表示に対応しています。逆にいえば、ワンセグ機能以外は「ウォークマンA」とほぼ同じで価格は安くなるため、音質重視でワンセグ不要という人におすすめでしょう。

 「ウォークマンE」はUSBメモリーのようなデザイン、コンパクトで動画再生や写真表示には対応せず、音楽再生に特化したシリーズです。ディスプレーは3行表示の小型ですが、曲名やアーティスト表示だけでなく、ジャケット写真の表示も可能。高音質機能は「クリアステレオ」に力強い重低音を実現する「クリアベース」を搭載。価格的にも一番安価で、小さな本体で音楽だけを聴きたいという人におすすめです。

 各シリーズとも音楽ファイルの形式はATRAC3、AAC、WMA、MP3などに対応。対応ソフトは「Sonic Stage CP」、対応音楽配信サービスは「Mora」となります。ただし、AAC配信の「iTunes Store」やWMA配信の「Napster」で購入した音楽は転送できません。

 なお、いずれの3製品も、記録容量の異なるバリエーションが用意されています。少し分かり辛いのは、「ウォークマンA」「ウォークマンS」というのは、あくまでもシリーズの愛称で、必ずしも搭載機能と連動しているわけではありません。たとえば、「ウォークマンA」シリーズであってもワンセグ機能非搭載、「ウォークマンS」シリーズでもノイズキャンセリング機能非搭載の製品もありますので、注意してください。

プロフィール

藤本健(ふじもと・けん)
ライター兼エディター。デジタルオーディオ機器およびDTM関連を中心に雑誌やWebサイトで試用レポートや解説記事などを執筆。「AV Watch」で藤本健の「Digital Audio Laboratory」の連載、「All About」で「DTM・デジタルレコーディング」のガイドを担当。「サウンド圧縮テクニカルガイド 」(BNN新社)、「コンプリートDTMガイド・ブック」(リットーミュージック)など著書も多数ある。

このページのトップに戻る