2009年9月9日23時37分
20年までの温室効果ガスの削減目標を「90年比25%減をめざす」とする民主党の環境政策について、民主党を支える連合傘下の主要産業別労働組合から批判が出ている。電力業界の産別労組である電力総連の南雲弘行会長は9日、北九州市で開かれた定期大会で、「実現可能性には疑問を抱かざるをえない」と述べ、民主党に慎重な対応を求めた。
南雲会長は、中期目標を巡る議論について「あたかも錦の御旗のようにもてはやされ、わかりやすさや数字上の見せやすさだけが先行している」と発言。国民生活や経済・産業活動への影響、エネルギー政策との整合性が軽んじられていると批判した。
電力総連は、鉄鋼業界などの産別組合の基幹労連とともに、政府の検討委員会が示した中期目標の六つの選択肢のうち最も緩やかな「90年比4%増」を支持していた。
定期大会には民主党の直嶋正行政調会長が、連立協議の合間をぬって来賓として出席。総選挙協力のお礼が目的だったが、「(25%削減目標は)世界の主要排出国が参加することが前提。日本だけが重い数字を背負うという心配もあるでしょうが、私たちはそういうことは考えていない」と理解を求めた。
民主党の温暖化対策については、自動車総連の西原浩一郎会長も3日の会見で、「雇用への影響や国民負担の問題を含めて、十分な情報提供がなされているとは思えない。自動車総連の考え方とは大きな隔たりがある」と批判している。(諸麦美紀)