ニューヨーク(CNN) 米ニューヨーク州西部バファローのカップルが7日、交通事故で亡くなった7歳息子の葬儀の後に、同じ教会で結婚式を挙げた。亡くなった息子が生前、結婚して欲しいと願っていたためで、葬儀に参列した周囲の人々も、2人の新しい門出を温かく祝福した。
アミルカル・ヒルさんとラファ・ギルマツィオンさんは、15歳のころからの親友同士で、人生の半分以上を一緒に過ごしてきた仲だ。息子のアーサ・ヒル君が生まれてから何度も「結婚」の事を考えたが、2人にとって結婚は表面的なものに過ぎず、不必要なものとして、婚姻関係を結んでいなかった。
しかし、息子のアーサ君は折に触れて2人に結婚するよう懇願していた。2人はその都度、「そのうちに」と答えていたが、実際に行動に移すことはなかった。
ところが今月10日、アーサ君が交通事故に遭った。いったんは燃えさかる車両から救出されたが重体で、翌日に亡くなった。そこで2人は初めて結婚を意識。ヒルさんが生涯のパートナーとしてギルマツィオンさんにプロポーズしたという。
2人は、地域にあるユニテリアン・ユニバーサリズム教会のジョエル・ミラー牧師に相談。ミラー牧師は「本当に、葬儀の後に続けて結婚式をするのか?」と2度にわたって確認したという。
ミラー牧師は、「そんなことは、今までやったこともないし、葬儀と結婚式を同時にやるなんてことを聞いたこともない。普通だったらやらないだろう。しかし、2人は10代からの知り合いで、息子アーサ君のためにやりたいと話した。アーサ君のための『ホーム』を一緒に作りたいと願った。だからこそ、葬儀の後に続けて結婚式を挙げた」と話している。
葬儀には約1100人が参列。結婚式のことは公にしていなかったが、葬儀後にアナウンスが流れると、集まった人々は大きな歓声を上げて祝福。この温かい反応に、2人は本当に驚いたという。
ヒルさんは、ユニテリアン・ユニバーサリズム教会を選んだ理由について、伝統にとらわれない地域の様々なグループの人が集まる場所となっていたからと話している。