2009-09-09
■[経済] 民主党の温暖化対策

民主党は、「CO2排出量を2020年までに90年比25%に減らす」というとんでもない目標を出してきた。1990年以降CO2排出は10%は増えているから、2009年からだと30%以上減らさなきゃいけないことになる。10年でそんなことできるわけないだろうに。
そんな無理な目標を立てておきながら一方で民主党は、ガソリン税減税・高速道路無料という、CO2排出削減に反する政策を打ち出している。いったい何を考えているのかわからない。
ではここでクイズ。以下の数字は、日本とアメリカの貨物輸送におけるクルマと鉄道の占めるパーセンテージを示したものです(トンキロベース、1990年)。(A)と(B)のうち、どちらが日本でどちらがアメリカでしょうか?
国 | 鉄道 | 自動車 |
(A) | 5.0% | 50.0% |
(B) | 47.0% | 32.2% |
答: (A)が日本、(B)がアメリカ。
日本は鉄道の国、アメリカは自動車の国という印象から、逆だと思った人がけっこういるのではないだろうか。しかし、旅客ではともかく、貨物輸送では日本の鉄道はほとんど出る幕がない。鉄道は長距離輸送で有利になるので、国土の広いアメリカではメリットが大きくなるというのはわかるのだけれども、これだけ鉄道網が発達した日本でここまでシェアが少ないのはちとおかしいんじゃないのという気がする*1。
過去にはそれでもある程度はシェアがあった。本川さんの http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/6500.html を見ると、鉄道貨物の衰退ぶりがよくわかる。1970年以降は急速に減っている。
同じ重さの荷物を同じ距離運ぶ場合、鉄道のCO2の排出量はトラックに比べ8分の1だという。つまり鉄道貨物からトラックへの切り替えは排出量を増やすことになる(船とトラックでも同様)。自動車の長距離利用を促す民主党の政策は、さらに鉄道や船舶の利用を減らしCO2を増やすことになるのは明白だと思うのだけど。
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