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社長が訊く『リズム天国ゴールド』
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開発者篇つんく♂さん篇
1.ダメもとでアプローチ
2.リズム感は鍛えられる
3.「ノリ」ってなんだ?
4.ダンスレッスンを経て
5.気持ちのいいアクセント
6.幸運な出会い
4.ダンスレッスンを経て
岩田
これまでのところを読んで
読者の方にも十分伝わっているかと思いますが、
つんく♂さんのなかには
たんに「ゲームがつくりたい」という以上の熱意、
それこそ「日本人のリズム感をよくしたい」という
ものすごい情熱がありまして(笑)。
つんく
はい。もう、使命感みたいな(笑)。
岩田
その意味では、私たちにとっては、
ものすごい使命感を持った人が、
ある日、目の前に現れたともいえるわけで
形にする、商品にする立場からすると、
まずは途方に暮れるわけです。
つんく
(笑)
岩田
端的にいえば、なにをつくったら
つんく♂さんが「これだ!」っておっしゃるか、
わからないわけです。
だから、とにかく最初のうちには、
行って直接お話ししなさい、と。
なんでも、根本のところから話し合いましょうと。
つんく
なんだったら、
ダンスのレッスンも受けてきなさいと(笑)。
岩田
ああ、そうですね、ダンスレッスン(笑)。
ゲームボーイアドバンス版の『リズム天国』を
開発するにあたって、なぜかスタッフ数名が上京して
ダンスのレッスンを受けるという
任天堂的には前代未聞の事態になりました(笑)。
つんく
いろいろ話すうちに、
これは、1回、踊ってもらったほうが早いなと。
岩田
いや、スタッフから
「ダンスレッスンに行くんです」って聞いてですね、
正直、目が丸くなりましたよ。
仕事とはいえ、まとまった人数を東京に送り出して、
理由が「ダンスレッスン」ですから(笑)、
これはどう処理したものかなと。
でもまあ、おもしろそうだから
「行ってきてください」って(笑)。
つんく
実際、おもしろかったですよ。
かなり音楽にくわしくて、
実際に楽器をやられてる開発者の方も、
ダンスレッスンとなったら、
やっぱり、緊張されるんですよね。
岩田
いや、私はあとからビデオを見ましたけど、
もう、ガチガチでしたよ(笑)。
つんく
やっぱり、楽器もなにも持たずに、
いきなり音楽のなかに立たされると、
こう、精神的に丸裸になるんですよね(笑)。
「ああ、みんなここからはじまんねんなぁ」
と思いながら見てましたけど。
でも、1時間ちょいですかね、あのレッスン。
やっぱり、そのあいだに変わるんですよ。
岩田
変わるんですね。
つんく
はい。
岩田
そのように、躍って、話して、
いろんな形で共通認識を築きつつ、
いよいよゲームにとりかかるわけですけど、
当初、つんく♂さんは、
「基本は、リズムキープなんです」って
断言されてましたよね。
だから、極端にいうと、メトロノームがあって、
それに合わせてリズムを刻むだけでも
意味がある、というか。
つんく
だから、本当、最初のころは、
「いや、ぼくがやりたいのは、
 ゲームじゃなくてもいいのかもしれない。
 教育用ソフトとか、なんなら
 小学生用の教科書でもいいのかもしれない」
って、正直に言ってたんです。
「ぼく、なにをつくりたいのか、
 はっきりとはわかってないんです」って。
岩田
具体的な形やビジョンがあるわけじゃなくて、
リズム感を鍛えるメソッドを持っていて
これを広く知らせたいんだと。
そうすれば、町を歩く人たちの
ステップが変わるかもしれないという、
そういう感じだったんですよね。
つんく
はい、まさにそうです。
そういう気持ちで言ってたんですけど、
やっぱり、最初のころは開発の方も、
「じゃあ、百科事典みたいなソフトなんですかね」
みたいな感じで、落ち着く場所を探りつつ
話しているような感じで。
岩田
いちばん最初に決まったことって
たとえばどんなことだったんでしょう。
つんく
とにかく、複雑なものは避けよう、
ということでしょうね。
おじさんでも小学生でも
スイッチ入れたらはじまるようなゲームじゃないと
遊んでもらえないんじゃないかなと思って。
で、本質的には、ほんとうに
リズムをキープすることだけを軸にして。
だから、ぼくが思ってたことは、
すごくシンプルなんですよ。
岩田
ゲームらしくまとめることよりも、
むしろ不必要な飾りの要素を剥ぎ取っていって、
本質の部分だけで勝負することを
志向してらっしゃったんですね。
つんく
そうですね。
だから、もう、キャラクターなんか
なくてもいいんじゃないか、
くらいに思ってましたから。
最終的にゲームとしてまとまったときに
キャラクターが活きてはいったんですけどね。
当初はやっぱりそのあたりに食い違いがあって、
ぼくからすると、どうして開発の方は、
キャラクターとかシチュエーションばかりを
先に決めたがるのかな、なんて思ってたんです。
でも、ぼくといっしょにダンスレッスンしてからは
出てくるゲームがぜんぜん変わりましたけど。
岩田
やっぱりそのダンスレッスンが
ことば以上の刺激になったんですね。
つんく
なったんでしょうね。
そのあとに出てきたゲーム、
メチャメチャおもしろかったですからね。
ぼく、サンプルがあがってくるたびに
ニヤニヤしながらゲームやってましたから。
岩田
いや、この『リズム天国』シリーズは
とにかく、プレイしていると
顔がニヤけるんですよ(笑)。
つんく
(笑)
岩田
なんかね、いま人に見られたら
ちょっと恥ずかしいなと思うぐらい(笑)。
つんく
それは、うれしいですね。
ぼくらはやっぱり
「こうつくった」ということを
わかったうえでプレイしているから、
「ここはツボやなあ」みたいなことで
ニヤニヤしてしまうんですけど、
お客さんがほんとうにどこをどう
楽しんでくださっているのかというのは、
まだぼく、正直、謎なんです。
まわりの知り合いというか、
シャ乱Qのたいせいとか
モーニング娘。のメンバーとかは
発売されて、すぐに遊んでくれたんですけどね。
それでいちばんおもしろかったのは、
シャ乱Qのドラムのまことが
めっちゃ遊ぶのイヤがったことなんですよ。
岩田
(笑)
つんく
「おまえ、これやれや」言うたんですけど
「そんなん、絶対イヤや、オレ」って。
岩田
ドラマーがリズム感を試されるなんて、
ちょっとたまらないですよね(笑)。
つんく
そうそう(笑)。
そうかと思うと、スタジオミュージシャンの
ドラムの人とかパーカッションの人たちは、
もう、必死になって制覇しようとするんです。
全部パーフェクトにしようとしたりして。
「『リズム天国』買いましたよー」っていうのは
まあ、ふつうの報告だと思うんですけど、
「全部パーフェクトになりましたよー」って
言われることもけっこうありましたからね。
あ、こんな人もやってくれてんねやとか思いながら。
そういう意味でいうと、
ミュージシャンが待っていたゲームでも
あったんじゃないかなと思いましたね。
1.ダメもとでアプローチ
2.リズム感は鍛えられる
3.「ノリ」ってなんだ?
4.ダンスレッスンを経て
5.気持ちのいいアクセント
6.幸運な出会い
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