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社長が訊く『リズム天国ゴールド』
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開発者篇つんく♂さん篇
1.ダメもとでアプローチ
2.リズム感は鍛えられる
3.「ノリ」ってなんだ?
4.ダンスレッスンを経て
5.気持ちのいいアクセント
6.幸運な出会い
2.リズム感は鍛えられる
岩田
『リズム天国』、
あるいは『リズム天国ゴールド』において
つんく♂さんが強く打ち出してらっしゃった
コンセプトというのは
「リズム感は鍛えられる」というものでした。
そのあたりについて、教えていただけますか。
つんく
そうですね、たとえば、
「英語がしゃべれない」というのは、
日本人が抱きがちなコンプレックスですよね。
それと同じように、「踊れない」とか、
「リズムにのれない」というのもあると思うんです。
で、これは、いつもぼくが思うことなんですけど、
いまからネイティブな英語を
しゃべるのは無理かもしれないけど、
鍛えればある程度までは
たどり着けるんじゃないかと。
とくに、リズムに関しては、
鍛えればある程度の領域には、
全員、行けるんじゃないかなと思うんです。
岩田
それは、やっぱり、
モーニング娘。の人たちをレッスンしていくうえで
はっきりと確信したことなんでしょうか。
つんく
そうですね。もう、みんな、
最初はぜんぜんできないですからね。
それでもなんとか踊れるようになりますから。
岩田
つまり、つんく♂さんには、
「リズム感は鍛えられる」ということについては
すでに実績があるわけですね。
つんく
そうですね。ぼくのなかでは証拠も実績もある。
歌のピッチをよくするよりも、
リズム感をよくするほうがよっぽど簡単です。
ですから、若い子だけではなく、
おじさんやおばちゃんも含めて、
「英会話でも習ってみようか」
という気持ちと同じくらいの感覚で、
リズム感を鍛えてもらえればなと。
岩田
リズム感というのは
先天的なものじゃなく、鍛えられるんだ、と。
それはもう、つんく♂さんにとっては
確信なんですね。
つんく
そうですね、実証済みというか。
それは、モーニング娘。を教える以前に、
自分自身の経験から、知ったんです。
岩田
ということは、つんく♂さんも、
もともとはそんなにリズム感はよくなかった?
つんく
いえ、ぼくは、いいほうだとは思います。
ただ、ふだんはできることが、
できなくなる瞬間があって、
「それはなんでやろ?」って考えていたんですね。
それは、リズム感だけの話じゃなくて、
たとえばサッカーをやるとき、
ふだん、友だちとやるときはできるのに、
試合になるとミスをする。とくに、PKを外す。
バレーとか卓球でも、サーブをミスする。
これ、リズムが止まるからなんですよ。
ふだんの流れのなかだったらできるのに、
止まってスタートするとできなくなってしまう。
岩田
ああ、連続動作のなかに
組み込まれているとできるのに、
1回止まっちゃうとできなくなるんですね。
つんく
そうなんです。
1、2、3、4、1、2、3、4‥‥と
続いてるんだったらできるんですけど、
ゼロから1にしようとするときに、
おかしくなっちゃうんです。
なわとびに入れなかったり、
エスカレーターに乗れなかったりするのと
同じような感覚で。
岩田
なるほど(笑)。
つんく
そんなような失敗を自分で経験して、
「なんで失敗するのかな」と考えたのは
そもそものはじまりですね。
わかりやすいところでいうと、
ぼくらが新人のころに、
はじめてレコーディングをしたとき。
アマチュアのころに散々やってきた曲を
こう、ブースのなかで歌うんですけど、
歌い出しのときに、入れないんですよ。
「あれ? オレ、いままで
 どうやって入ってたっけ?」ってなるんです。
いちおう歌うんですけど、それを家に帰って聞くと
ものすごく不自然な感じがするんですよ。
岩田
はーーー。
つんく
岩田
つまり、まずご自身が
思い通りにならないということを体験して
それを克服するうえでわかっていった。
つんく
そうです。
で、まず自分に対するカルテというか、
レシピというか、メソッドみたいなものをつくって
自分用のものとしてずっと持ってたんです。
といっても、べつに、本とかメモのかたちで
残してあるわけじゃないんですけど。
で、プロデュースをはじめて、
教える立場になったときに、
「オレ、どうやってたっけな?」って思ったんです。
そこでいろんなことを思い返しながら、
「あ、そうや、こうやったらええねやって思ったな」
ってことをひとつひとつ教えていったんです。
岩田
それで、スッとできるようになるんですか?
つんく
できる子もいるんですけど、
思った以上にみんなできないんです。
つまり、ぼくは最初からそこそこできてたんです。
だから、もっとできない子に教えるためには、
という意味で、よりわかりやすい
かみ砕き方をしなきゃいけなかったんですが。
岩田
入門者用というか、初心者用というか、
より簡単なコースを開発して。
つんく
はい。それはある意味、ぼくも学びながら。
「そうか、1、2、3、4すら数えられへんのか」
というとこからはじまっていくんです。
でも、それがあったからこそ、
モーニング娘。がああやって集団化していって、
ディレクターや環境が変わっていっても
同じような教え方をさせられるように
なっていったんですね。
岩田
なるほど、なるほど。
そういう、基礎的なリズム感の修得に
焦点を当てたメソッドというのは、
音楽の世界では一般的ではないんですか。
つんく
いや、あんまりないと思います。
岩田
本来リズムというのは
音楽の中のすごく重要な要素のひとつなのに、
そこにスポットライトが
当たってこなかったのはどうしてなんでしょうね。
つんく
やっぱり、譜面に載ってないからでしょう。
さっきの小さな「ン」を入れるというのは、
まぁ、譜面に乗せられなくはないんですけど、
基本的には、自分で見出していくことですから
最初から譜面に書いてあることではないんです。
岩田
そうですね。
つんく
覚え方があるとしたら、
うまい人の歌なり演奏なりを人が聞いて、
まるごと覚えて、ノリを再現していく。
本来、「譜面がない音楽」というのは、
そうやって、丸ごと覚えて
まねることによって伝わっていくんですね。
日本の雅楽や舞踊や民謡なんかも、
簡単な譜面はありますが、基本的には師匠から
「♪ちとんしゃんとしゃーん」って言われたのを
丸ごと暗記していくわけです。
それは、子どもがことばを覚えるときも同じですよね。
で、そういう、丸ごと覚えていくものって
「教えてください」って言われても困るんですよ。
岩田
ああ、たしかに、そうですね。
つんく
たとえば外国の方のものすごいダンスや
パーカッション、リズムというのは、
当然、譜面があるわけでもないし、
あの人たちの体に染みこんでるものですよね。
もう、ふつうにリズムを刻むだけで、
「♪ドンスタスタ、ドンドットスタタ」
とかなるんですよ。
あれを「教えてくれ」って言っても
あの人たち、困ると思うんですよ。
「え? なんで?」って。
「いや、だって、こうやってさ」としか
言いようがないんじゃないかなと思うんです。
岩田
最初からできている人たちは、
できない人の立場に立てないし、
できない人がどこでつっかえるかも
わからないから教えられないんですね。
つんく
そうですね。
だからやっぱり、リズム感を教えることって、
譜面化されてないというか、
メソッドができていなんだと思います。
逆に、譜面どおりにやるのは、
日本人って得意なんですよ。
ただ、それだとやっぱり
ノリというかグルーヴが出ない。
岩田
うーん、なるほど。
1.ダメもとでアプローチ
2.リズム感は鍛えられる
3.「ノリ」ってなんだ?
4.ダンスレッスンを経て
5.気持ちのいいアクセント
6.幸運な出会い
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