【香港=吉田渉】中国の大手銀行の業績拡大に急ブレーキがかかっている。香港市場に株式を上場する大手商業銀行6行が発表した1〜6月期決算は6行中4行が前年同期比で減益だった。6月末の貸出残高は半年で25%増えたが、貸出金利の低下に伴う利ザヤ縮小で収益が減少した。中国の景気回復がずれ込んで金融緩和が長期化すれば、銀行収益はさらに低迷する恐れがある。
中国工商銀行、中国建設銀行、中国銀行、交通銀行、招商銀行、中信銀行の大手6行の6月末の貸出残高は合計で18兆290億元(約250兆円)に拡大した。だが1〜6月期決算は工商銀と交通銀を除いて前年同期比で減益。特に招商銀は昨年末に比べて融資残高を31%増やしたが、減益幅は6行中最大の37.6%に達した。(07:02)