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【温室効果ガス 30%削減の衝撃】(3)排出枠取引 産業界は反対 (1/2ページ)
7月初旬。日本経団連の御手洗冨士夫会長と名誉会長の今井敬新日本製鉄名誉会長(元経団連会長)は、都内の料亭で民主党の岡田克也幹事長と向き合っていた。
今井氏らは「世界全体の温室効果ガス排出量のうち、日本の排出量は4%に過ぎない。中国やインド、米国などの主要排出国がポスト京都議定書の枠組みに参加せず、日本だけが高い目標を掲げても意味がない」と切り出した。そのうえで「日本が高い目標を掲げるのは、あくまでもこれらの国が参加する枠組みを前提にしたものにしてほしい」と求めた。
民主党が今回の衆院選で掲げたマニフェスト(政権公約)では、温室効果ガスの排出量を2020(平成32)年までに90年比25%(05年比30%)削減するとの目標を打ち出した。しかし、すでに同党は昨年6月と今年4月、この目標を盛り込んだ「地球温暖化対策基本法」を国会に提出している。
この法案は2回とも廃案になったが、法案づくりは同党の地球温暖化対策本部長を務める岡田氏が中心となって進められた。マニフェストに盛り込まれた目標も同法案を踏襲したといえる。今井氏は会談で、民主党の環境政策の中心人物である岡田氏に基本的な姿勢をただしたのだ。
これに対し、岡田氏も中国や米国などの参加を前提とすることには理解を示したという。岡田氏は財界へのマニフェスト説明で「私たちは日本だけがやせ我慢で25%(05年比30%)削減でいくと言っているわけではない。米国や中国、インドが入ることを前提にしている」と述べ、関係者はひとまずほっとした。
だが、民主党がマニフェストで掲げた環境対策は、温室効果ガスの削減目標だけではない。この目標を達成するため、各企業に排出量の上限(キャップ)を課し、キャップを超えて排出する企業には排出枠の購入を求める「キャップ・アンド・トレード方式」と呼ばれる排出枠取引市場の創設も打ち出している。
欧州で導入が進む排出枠取引に日本の産業界は強く反対してきた。排出枠を売買するだけでは実質的な排出削減につながらないだけでなく、取引そのものに重点が置かれて環境技術の開発促進を阻害しかねないとみているからだ。
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