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落日のハウステンボスを憂い、その胸中を語る(1)

[特別取材]

長崎県商工会連合会会長 宅島壽雄氏
長崎県商工会連合会会長 宅島壽雄氏

 長崎経済界において、長崎県商工会連合会の会長という要職につく宅島壽雄氏。雲仙市小浜町に本社を置く宅島建設(株)、また福岡の商業施設であるトリアスやマリゾンの運営会社の代表も務めており、地場経済の発展に寄与してきた。そんな宅島会長が、長崎の観光スポットとして代表的なハウステンボスの現状を憂い、その胸中を語った。

(聞き手:弊社代表 児玉 直)

 
 ―ハウステンボスが窮地に立たされています。私としては、事業を引き継ぐにしても、いったんは破産したほうが良いと思っていますが。

 宅島 本当はそのまえに県か市に土地も建物も譲渡してしまうのが良いと思います。破産してしまうと、いろいろな問題が出てくるでしょうから。ひとつは債権者の問題で、もうひとつはホテルヨーロッパの所有権の問題があります。これらが解決しなければなりません。

 ―経営に関して、野村プリンシパル・ファイナンスはプロではなかったということです。

 宅島 たしかにその通りですし、「ハウステンボスを何とかしよう」という本当の気持ちが入っていないわけです。

 ―九電工を中心に、新しい事業の模索をしているとも聞きますが。

 宅島 仮にそうだとしても、野村が完全に手を引くか、何らかの提示を出さない限りは新しいことをできないでしょう。野村はどこかの企業とスポンサー交渉をしていると聞いていますが、ともかく今の経営陣ではダメです。彼らは次に行くところがないし、腰かけのようになっていると思います。自分たちの保身しか考えていないのではないでしょうか。

 ―地元だけでの再建は難しいですか。

 宅島 やはり福岡七社会などの協力が必要でしょう。ただ、共同で運営しようとしても責任の所在があやふやになって難しいと思いますから、九電工や西部ガス、JR九州などが中心となるのが望ましいですね。

 本当は、私は西鉄がもっと真剣に考えいただければと思います。これまで、集客という点ではJTBが中心でしたが、西鉄はバスなどの旅客運送や旅行関係もやっているわけですから。まったくの異業種というわけではありませんし、100周年事業という観点からも、やはり西鉄さんが参加されるのがより良いと思います。

(つづく)

【文・構成:大根田 康介】


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