広島放送局

2009年9月9日 8時5分更新

“軍事利用”懸念する声も


広島市の放影研・放射線影響研究所が、感染症などの研究をしているアメリカの国立研究所から助成金を受けて、新たな研究を始めることを決め、被爆者団体のメンバーなどで作る地元連絡協議会に伝えました。
このアメリカの研究所が核兵器を使ったテロからの防護策についても研究しているため、出席者からは「研究が軍事的利用につながらないか」という声も出されました。

放影研の大久保利晃理事長は、8日開いた地元連絡協議会の中で、放影研がアメリカの「国立アレルギー感染症研究所」と今月中に契約を結び、年間およそ2億円の助成金を5年間受けて、被爆者の免疫機能低下について新たな研究を行うと報告しました。
これに対して協議会のメンバーからは、「世界の医学研究の推進に役立つ」などとする意見が出た一方で、この研究所が、核兵器を使ったテロからの防護策についても研究していることから、「アメリカへの軍事的な協力につながらないか」といった懸念の声も上がりました。
大久保理事長は、「研究はあくまで平和目的に行うことを条件に契約を結ぶ」とした上で、「被爆者の貴重なデータを高度な研究ができるこのチャンスに活用させて頂きたい」と話しました。