日本の06年の公的財源からの教育支出の対国内総生産(GDP)比は前年比0・1ポイント減って過去最低の3・3%となったことが、経済協力開発機構(OECD)が8日公表した「図表で見る教育09年版」で分かった。OECD加盟国の平均は4・9%(前年比0・1ポイント減)で、加盟30カ国のうちデータが比較可能な28カ国中、最高はアイスランドの7・2%、日本はトルコに次ぎワースト2位。前回05年と03年は最下位、04年と02年はワースト2位と、低迷が続いている。
対GDP比は、大学など高等教育に限ると前年と同じ0・5%(OECD平均1・0%)で28カ国中最下位。政府の支出全体に占める教育支出の割合は前年と同じ9・5%で、OECD平均の13・3%を大きく下回り、データ比較が可能な27カ国の中ではイタリアと並んで最下位だった。
日本は少子化が進んでいるため、1人当たりの教育支出(公私負担の合計)はOECD平均とほぼ同程度の8872ドル。しかし、私費負担の割合は33・3%と韓国に次いで2番目に高く、OECD平均15・3%を大きく上回っている。
OECDは「日本の教育を支えているのは私費負担割合の高さ。経済危機によって進学を断念する若者が増えるとみられ、奨学金を中心とする公財政支出の役割が期待される」としている。
教育への公財政支出の対GDP比を巡っては、民主党が衆院選前に公表した政策集で「先進国の平均水準(5%)以上に引き上げる」と目標を掲げた。日本のGDPは約500兆円で、民主党が掲げる高校無償化の費用(年4500億円)が教育支出に加われば、対GDP比は0・1ポイント程度の上昇が見込まれる。子ども手当(年5兆3000億円)は教育支出の対象外とされる可能性が高いが、仮に全額算入しても5%には届かない。【加藤隆寛】
毎日新聞 2009年9月9日 東京朝刊