農家のあとつぎの独り言

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help リーダーに追加 RSS 「奇跡のリンゴ」に関する疑問。

<<   作成日時 : 2006/12/10 11:26   >>

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NHKで放送された、「りんごは愛で育てる」という番組。
http://www.nhk.or.jp/professional/backnumber/index.html
幸か不幸か、私は本編を見逃してしまったので、番宣とサイトの情報でしか今のところコメントできませんが、それでも気になるところがいくつかあります。
追記:ぐちやまさんのご好意で、番組を録画したDVDをお借りすることができました。ぐちやまさん多謝。
で、通しで見たのですが…コメントいただいた皆さんの感想と、特に違う印象はなく、また下記の疑問は解決に至らなかったので、このまま残しておきます。


1.「腐らない」リンゴがあったらまずいのではないか?
新聞の番宣には、「腐らないリンゴ」という言葉が使われていました。
しかし、仮に有機物であるリンゴが腐らなかったら、分解されずにプラスチックのような環境問題を引き起こす可能性があるのでは?
もちろん、世間一般のリンゴに比べて日持ちがするという程度のことならありえるのですが、NHKの番宣はちと誇張が過ぎないかと。

2.初期、無農薬・無肥料で「リンゴが実らなかった」のか?
これは上記サイトのバックナンバーの記事からですが、無農薬・無肥料にしたときに、3、4年は「リンゴが実らなかった」とあります。
また、8年目にして「花が咲き」「豊かな実りが約束された」とあります。
この記事だけを読めば、3、4年は花が咲かなかったということのようにも捉えられえます。
しかし、成木となった木が、「まったく花が咲かない」ということはまずありえないし、収穫ゼロということもないでしょう。商品価値があるかどうかはともかく。
一般的に、植えたばかりの苗なら3年くらいは収穫は期待できませんので、一からスタートしたから、というなら分かりますが。

3.農家の畑は「自然の状態に近づけ」ているのか?
写真を見る限り、確かに雑草は生えていますが、藪にもなっておらず、潅木もないところを見ると、かなり手入れが行き届いているようです。というか、通常の農家でもこの程度の状態が当たり前だと思うので、ことさら「自然の状態」と言うほどではないと思うのですが。

もちろん、「愛情をこめて栽培すること」は否定されるものではないし、無農薬・無肥料(病害対策のため酢は散布)でリンゴができるわけがない、と言うつもりもありません。
しかし、番組制作側があまりにもヒューマンドラマの作りを意識しすぎたのか、農業に対する理解に乏しいのか、誇張や飛躍が目に付きました。
この辺は、リンゴ栽培の専門の方にも意見を聴きたいところではありますが。

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コメント(13件)

内 容 ニックネーム/日時
 これ、TBSの「ニュース23」でも特集組まれてましたね。↓
http://www.tbs.co.jp/news23/onair/tokusyu/2006_11/20061130.html

 本人のサイトはこちら。↓
http://www.sun-act.com/kimura/
「木村さんのリンゴ」で検索するとかなりの数がヒットします。でも中には極端な自然派のサイトもあり、そこではマクロビオティックへの誘導もあったりします。
 本人の意識とは別に、変な方向へ利用されてしまう事が懸念される所です。
OSATO
2006/12/10 17:13
>「腐らない」リンゴが

よくある馬鹿話では「農薬が使ってあるから腐らない」なんだけどね。そういう意味では斬新だよな(w

>、3、4年は花が咲かなかったということのようにも

私も番組を見ていないのでアレですが、病害虫の類で光合成生産が必要量行えないと花が咲かないことはありますよ。樹勢が弱い、ぐらいだと花が増えるんですが、それ以下って奴ね。モノによっては花自体が病気でやられる、とか。
Sekizuka
2006/12/10 22:41
ご無沙汰でした、私には難しい記事が多く恥ずかしくて読み逃げです。
今日は大好きなリンゴの話題なのでちょっとお邪魔します
「愛情で育てる」って要は常に目と手を掛けるって事位で良いのにね〜
自然に近い状態で育てるって「野性のリンゴ!」みたいな果実?
それじゃ、うちの岩手から移植した「まるめ」みたいに
食べれる果実は満足に実らないって事ですねえ(えへへ
自家用ならそれは結構、売り物にはならないのでは?
そんな事取り上げて仰々しく放送するってなんの意味あるのかしら?
「日本のこれから」でも変な再現ドラマを立花隆さんに指摘されてましたね
最近、浅はかな一方的な(企画者の)センセーショナルな番組が多く
がっかりです、
前は安心して感心して見てたのにね〜
お金を貰って放送できてるんだ、ちゃんとしたものを造らなくては
他局と違うものを視聴者が期待してるって解ってないのかしら?
すみません、また場違いなコメントでしたわね!失礼しました。
厳冬に向って、お大切にお過ごしを。いつも有難うございます。





で、売り物にはならないでしょう
おばさん
2006/12/11 22:58
はじめまして。ときどき拝見しております。
今日の再放送をみました。 
腐らないでドライフルーツになってました。
自然の状態というのは、りんごの木を人間が植えてる時点で
自然じゃないですからね。放任農法ではないです。
私はバラを育てておりますが、こちらも賛否両論ですが
無農薬栽培が盛んですし、農薬をまくというのは
なんとなくストレスを感じるんですよね。
いい勉強になりました。 

あ・・・りんごはちゃんと売り物ですよ。
http://sun-act.shop-pro.jp/
再放送みました。
2006/12/11 23:21
皆様、コメントありがとうございます。久し振りの沢山のコメントで嬉しいです。失礼ながら、まとめてレスさせていただきます。
OSATO様、おばさん様>
 番組の作り方として「人一倍苦労して、人と違ったことをやること」はある意味賞賛すべきと思います。しかし、その技術が普遍化するかどうかは別に論じなければいけませんね。今回の場合は、極端な無農薬志向に誘導しようとしているのかも知れませんが、多分全面的な賛同は得られないでしょう。

Sekizuka様>
 そこまで逝ってしまった実例は、残念ながら見たことがありませぬ。でもバラ科の樹木は、ハダニとかで葉っぱが全滅しても、翌年何事もなかったように芽が出ることはありますから、実をつけるかどうかはともかく生命力はそれなりにありそうです。

再放送見ました。様>
無農薬栽培はいけないとは思いません。良い売り物ができるなら、農薬をまかないほうが、農家にとっては体にも懐にも優しいと思います。どちらがいい、悪いと言うよりは、条件によって自分に負荷のかからない方法を選ぶのが正しいと思います。
やまたろう
2006/12/12 19:34
枝にぶら下がっているりんごの数が通常よりも少なすぎる。
以前違う番組で写っていたボコボコの粗悪ものが全く写されていなかった。
サイズ、色がタスマニア産ふじに良く似ていた。
恐らく良質ものの比率が極端に少なく労働投入量に対する販売可能な良質ものの
生産量は慣行農法に比較して恐ろしく少ないというのがすぐ分かった。
本人は無垢に一生懸命ではあるが、やっている事は実験室レベルの域を脱しておらず
収益性は確保出来ないので業態として他者を巻き込んで汎用化させるべき次元にはない。
NHKがよくやる脚色のし過ぎがあまりに目立ってあざとさを感じる程だった。
本職
2006/12/13 22:56

初期の8年間の間に病気を蔓延させているので彼の園地が菌床となり
病気は広がっている筈。それは全体の農薬使用量の増加した事を意味する。

無農薬りんごのアレルゲンは通常のものよりも3倍強いとの研究結果があるから、
アレルギー体質の方への摂取は注意が必要というコメントはしっかり
表記すべきではなかったか。

のんべんだらりと垂れ流し情報を無思慮に飲み干すのは大変危険であるとの
認識を新たにした。そういうインパクトがある番組であった。
本職
2006/12/13 22:57
遅まきながら、林檎作りを生業としている『くま』めの感想でございます。^_^;
自分の Blog http://www.fureai-kajuen.com/sb2/log/eid712.html にも、かなり柔らかめの感想をエントリーしておきましたが、彼の HP では、慣行の果樹園の8割程度生産出来るようになりました...とか書いていますが、映像を見させていただいたかぎりでは、半分以下ですねぇ。
で、販売価格ですが、私の3倍の価格ですねぇ。
まぁ、農薬も肥料も皆無でしょうから、採算はとれるのかな?とは思いますがぁ。
農薬で奥さんが皮膚に障害をおこしたので、無農薬に取り組んだと書かれてありますが、今時、そんな農薬は少なくとも岩手では最初から使わんでしょう。
くま
URL
2006/12/15 00:52
コメントの続きでした ^_^;

自分のところも特別栽培という慣行の農薬の半分以下に取り組んでいますが、彼のりんごは1個300円だそうで、私の林檎は50円ですがぁ。
勿論、残留農薬は検出されていませんしぃ。
まぁ、誰でも気軽に食べられる、そして安全なりんごをリーズナブルな価格で提供する人と、お金持ちしか食べられないコダワリのりんごを供給する人...まぁ、2種類有ってもいいとは思いますけどね。^_^;
彼の作った王林を買った人が、写真を添えて Blog で公開してましたが、スス班で黒っぽかったですがぁ。
農薬は残らないけど、病班が残っている食べ物はいいの?
虫が食べたものより、病班が有ると言う方が、なんだかなぁと言う気がしますが。
彼のりんごを販売している会社のワサビから作ったとか言う腐乱病の治療剤ですが、身近でもかなり腐乱病には悩まされていますが、ドロ巻、わら巻、最近では大人のおむつ巻ってのもやったりして、それぞれ対策をしていますが、少なくとも知ってる範囲では、使っている人はいませんけど。
無農薬栽培にしか効かないのかな?
くま
2006/12/15 00:53
本職 さま>
コメントありがとうございました。
本人が、善意で一生懸命やっていることはそのとおりだと思います。
しかし、ご指摘のように果たして慣行栽培に比べて「安全」と言えるのか?という疑問ばかりが募ります。
やまたろう
2006/12/15 20:03
くま様>
ご無沙汰していてスミマセン。
ここまでくると、一体その「一個300円」は、何に対する対価なのか?ということになりそうです。
いずれ、そういう形でお金を使うことができるというのは、よっぽどお金に困っていないのだろうな、とは思います…というと、有難がって買っている人を揶揄することになってしまうので、自重しますが。
やまたろう
2006/12/15 20:06
リンゴそのものの味や質は二の次で
自然環境、土の再生を目指して
死にものぐるいで、自然環境再生のために
ああいう農法にたどり着いたということなんですよね(元は福岡正信さんでしたよね?)?

完全循環型農法に還るための道筋をつくるために頑張ってる(広告塔?)のでは?
その過程で収穫される作物の美味しさなんて実はどうでもよくて
その過程に価値を置いているということですよね?
土に余計なことを極力しないで、誰でも簡単に栽培できて、ほどほどのものが採れると。

だったら皆さんの批判してる箇所がちょっとはずれているような気がしますが
いかがでしょうか?

2007/04/06 04:33
空 さま>
はじめまして。お返事送れてスミマセン。

>リンゴそのものの味や質は二の次で
>自然環境、土の再生を目指して
>死にものぐるいで、自然環境再生のために
かの人の本意はわかりませんが、本当に自然環境再生を主眼とするなら、それこそリンゴの栽培は後回しにして、まずはきちんと地力回復をすることに努めればよいのではないかと思ってしまいます。
実際は、地力を維持しながら栽培する方法もあるのでしょうが。
やまたろう
2007/04/10 21:52

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