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衆院選で摘発の特養 故人の不在者投票請求も/曽於市大隅
(2009 09/08 10:43)
 8月30日投開票の衆院選の不在者投票で、入所者の投票用紙に勝手に候補者名などを書き込んだとして、公選法違反(投票偽造)容疑で鹿児島県警に逮捕された曽於市大隅町月野の特別養護老人ホーム「おおすみ苑」の施設長大迫鈴子容疑者(65)=志布志市松山町新橋=が、7月24日に死亡した元入所者の不在者投票を曽於市選管に請求していたことが7日、南日本新聞の調べで分かった。市選管は交付しなかった。県警も把握しており、同苑で行われた不正投票の全容解明を進める。
 さらに、この元入所者が、亡くなる2日前の7月22日ごろ同苑で行われた曽於市長選(同26日投開票)の不在者投票で投票していたことも分かった。元入所者の親族は7日、南日本新聞の取材に、「亡くなる前に会ったときは、声をかけても、しっかり受け答えができない状態だった。投票できる状態ではなかったのではないか」と話した。
 公選法では投票用紙の請求は施設長が行うことになっている。衆院選で、大迫容疑者は8月25日ごろ、約50人の入所者のうち46人分の投票用紙を市選管に請求。この中に、7月24日に同苑で100歳で死亡した元入所者が含まれていた。
 市選管は8月25日、この元入所者や、曽於市外から同苑へ転入して3カ月に満たない入所者1人を除いた44人分の投票用紙を交付。同苑では同27日に不在者投票が行われ、翌28日に41人分の投票用紙が市選管に届いた。
 一方、曽於市長選では、大迫容疑者は46人分の不在者投票用紙を市選管に請求。42人が不在者投票し、7月23日に投票用紙が市選管に届いた。市選管は、投開票の同26日時点で元入所者が死亡していたため、元入所者の投票を不受理とした。
 関係者によると、同苑での不在者投票は、衆院選、曽於市長選とも、すべて施設職員が入所者の意思を確認したうえで、投票用紙に候補者名などを書く代理投票で行われた。
 県選管によると、代理投票は身体の故障などで自分で記入できない場合、代理投票の補助者が、入所者の意思を確認したうえで、投票用紙に候補者名を記入、別の補助者が入所者の意思通りに記入されたか確認するようになっている。
 



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