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旧グッドウィルが私的整理、折口元会長“復権消滅”へ

ファンド連合と手を組み“シナリオ”描いたが…

 倒産を避け、私的整理の手続きに入った東証2部上場の人材派遣大手、ラディアホールディングス(旧グッドウィル・グループ=GWG)。2009年6月期の債務超過額が640億円に膨らむ見込みで、私的整理に伴って株主の責任も明確にするため、資本金を全額減資。10月末にも上場廃止となる見通しだ。オーナーだった折口雅博元会長(48)は同社への復権を目指していたようだが、その芽は断たれることになる。

 ラディアの前身であるGWGでは、介護子会社コムスンと日雇い派遣子会社グッドウィルで不祥事が発覚。その責任をとり、オーナーの折口会長(当時)が08年3月に辞任した。折口氏は「ジュリアナ東京」や「ヴェルファーレ」といったディスコをプロデュースしたことでも知られる。

 「辞任後、折口氏は家族で米国に移住した。その際、軽井沢の広大な別荘を売り出し、自家用ジェットも売却。東京・田園調布の豪邸は金融機関が担保に押さえた」(関係者)という。

 だが、折口氏はしたたかだった。会社を去ったものの、大株主として君臨した。08年12月末時点で、資産管理会社の折口総研が発行済み株式の19.01%、折口氏個人が3.19%を保有。この時点では計22.2%を持つ筆頭株主だった。

 折口氏は第一線への復帰を狙っている−。辞任後のGWG(ラディア)株をめぐるゴタゴタでそんな見方が強まった。

 まず派遣会社のUTホールディングス(旧ユナイテッド・テクノロジー・ホールディングス)が折口氏の辞任後、GWG株の買い占めに走る。

 これに対し、米投資ファンドのサーベラスとモルガン・スタンレーのファンド連合が、みずほ銀行が保有するGWG向け債権を買い取り、債務の株式化を計画した。

 「UT社は、ファンド連合と折口氏との間で密約があると噛みついた。ファンド連合が保有するGWG株の買い取り交渉権を折口氏が持っていたからだ。この時点で、折口氏の第一線への復帰が既定路線となっていた」(証券関係者)

 ファンド連合は今年、2回に分けて債務の株式化を行うことを計画。1回目は2月に実施し、ファンド連合は58.93%を保有する筆頭株主になった。2回目は6月中に予定していたが…。

 「ラディアの財務は、09年6月期に640億円の債務超過になるほど悪化してしまった。ファンド連合が6月に136億円相当の債務の株式化を実施しても、債務超過を解消できない。そのため債務の株式化は中止となった。追い詰められたラディアは金融機関に債権放棄を求める私的整理に踏み切ることを決めた」(金融関係者)

 米国に移住した折口氏はファンド連合と手を組み、復帰シナリオを進めようとしていた。が、ラディアの財務はそんな思惑を吹き飛ばしてしまうくらい悪化していたのである。

 ラディアは、私的整理の新手法である事業再生ADR(裁判外紛争解決手続き)を活用。取引金融機関に支援を求めるとともに、株主の責任を明確にするため、資本金354億円の100%減資も計画している。

 筆頭株主となったファンド連合の今後の対応は不透明。だが、100%減資に上場廃止では折口氏の復活の芽は断たれることになる。

ZAKZAK 2009/06/25

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