江戸川乱歩全集・恐怖奇形人間
盲獣VS一寸法師 価格:¥ 4,935(税込) 発売日:2004-10-29 |
なぜか日本のAmazonでは買えないがアメリカのAmazonなら買えるというのが不思議なんだが、東映で1969年に作られた映画だ。タイトルからしてヤバいんだが、中身はもっとヤバい。フリークスというアメリカのキワモノ映画があったが、あれに近いね。で、フリークスでは本物の奇形の人たちが出演していたわけだ。アメリカの見世物小屋に出演していた人たちでね。おいらもフリークスは見たが、まぁ、あまりに古いのでどうという事もなかった。面白いといえば、なかなか面白い映画だったよ。で、こちらはもっと凄い。何が凄いかというと、なんと、主演が土方巽+木下サーカスなのだ。
この時代の木下サーカスを、おいら、見ている。近所の空地にある日突然テントが立ち、おいらもワクワクしながら見に行ったんだが、覚えているのは丸い巨大な籠の中をブンブンまわるオートバイの曲芸だったな。鉄の籠にはSUZUKIと書かれていたような気がする。この時代のサーカスには火吹き芸人とかコビトなんかもいたはずなので、そういう人が出演しているのだろう。で、このネタは
脳梗塞から復帰してサルマン2.0の企画でがんばっている竹熊健太郎ブログで。
異常超天才監督・石井輝男が江戸川乱歩の『パノラマ島奇譚』と『孤島の鬼』をベースに、『人間椅子』やら『屋根裏の散歩者』やらその他もろもろをぶちこんだ超娯楽作品なんですが、シナリオがぶっ壊れようがなんだろうが面白ければなんでもいいとばかり、映画5本くらいの内容を「これでもか」と詰め込んでものすごいことになってます。昨日たまたまテレビのワイドショーに「バーゲン詰め放題名人」の主婦が出ていましたが、店が用意した袋に衣類を40着くらい詰めてました。アレ見て俺は石井輝男映画を思い出してしまいました。
で、土方巽といえば、なんといっても暗黒舞踏の創始者なわけだ。暗黒舞踏というと日本ではあまり知られてないんだが、海外でもBUTOUで通じるわけだ。しょせん、東洋人というのは足が短くてバレエなんか踊ってもサマにならないわけでね。ちょっとばかり上手に踊っても、黒人のバレリーナと同じで大成しない。でも、暗黒舞踏は別だ。バレエというのは重力に逆らって飛んだり跳ねたりするところに真髄があるんだが、暗黒舞踏は地べたに張りつきっぱなし。地べたに這いつくばってのたのたと蠢いているだけだ。あとは天井からぶら下がって、たまに落ちて死んだりしてるんだが、おいら、暗黒舞踏は大好きなんだよね。なんたって、完全に西洋文明を否定しているところが凄い。で、そこまでやると欧米人もその凄さを認めてくれるわけだ。で、この映画の土方巽は、水かきのついた奇形人間の役をやっていて、健常者を誘拐して改造するのだそうで、
この超展開を何事もなく演じきれるのは土方巽しかいません。なにせこの人、常に白目を剥いて腕を変な方向に曲げながら身体をピクピクさせており、演技がすべて暗黒舞踏になっているのですから!
だそうで。暗黒舞踏アガリというと麿赤児が役者としては有名なんだが、なんていっても地べたに這いつくばってノロノロと動くだけで1時間客を飽きさせないだけのパフォーマンスというか存在感を持っているわけでね。こういう役はうってつけなのかも知れない。
で、問題のDVDというのはこちらで買えるようです。
ほー 入手出来るんですか。
日本と海外とのタブーの違いですね。
投稿 Hな王様 | 2007/09/08 11:59
土方巽の暗黒舞踏はいいね。
日本からでた、唯一の芸術表現じゃないか?
退屈だけど、はまればはまる。表現も重厚だ。
麿赤児の大駱駝艦もついはまってしまう。
投稿 韓流元年 | 2007/09/08 12:11
入手しました。
画面がきれいなんですよ。
送料込みで$27,71
最後の名台詞「○○○~○!」は関西の映画館
で見た時は会場大爆笑、その後は拍手喝采でした。
>土方巽といえば
嫁の父親が画家でして、昔、長野で
コミューン?を作っていて、その時の
メンバーに土方さんがいたなあと言ってました。
普通に大麻を吸ってたから、いい時代
だったとなあとも。
投稿 ニセ富永一郎 | 2007/09/08 12:11
忍のほうは、当方がマックのせいか文字化けしてコメントに書き込み出来ませんでした(泣
こっちは書き込めるので、良かったっす。是非こっちのアジトを本拠地にして下さい。ネットゲリラ中毒なんです。
投稿 ぴーなつ | 2007/09/08 12:50
東京だったら西新宿のブートレ街の中の輸入ビデオ店には店頭在庫が有るのですぐ買えます。
。。。入り口入ってすぐのところでデモで流していたので、少し見入ってしまったけど、あれガキの頃に見てたら、
確実にトラウマ残ってしまいそう。
投稿 | 2007/09/08 14:52
第二緊急避難所 の必要性招来に寄与してしまったかと内心ドキドキしてしまいましたが、あるいはこちらを土台にサイトの充実が図られるのでしょうか。
映画やレンタル商品ではいろいろと厳しそうですが、小人プロレスなら最近(?10年位昔?)まで残っていたような。知らぬ所で現在も現役バリバリだったりするのかも知れませんが。
投稿 Cumulus | 2007/09/08 19:38
>小人プロレス
ずっと昔に女子プロレスの前座をしてるのを観たことがあります。かなりのオーバーアクションで面白かったですよ。
>フリークス
昔、友人の青山正明(故人)に薦められてビデオを観ました。確か当時、カルトムービーは、オカルト映画に分類されてましたよw
新宿歌舞伎町にある花園神社の祭りでは、今でも「見せ物小屋」がやっています。これも相当、昔に入って事があるけど、「蛇少女」とか言って、お婆さんがほとんど身動きをしない大蛇を身体に巻いてた出てきた(何十年前は少女だったらしい)。お婆さんも蛇も動かないので、蝋人形かと思って観てたら急に蛇が舌を出したので、心臓が止まりそうな程びっくりした。でも、本物のフリークス(見せ物)は居ませんでした。
「かわいそうなのは、この子でがざ〜い!親の因果が子に報い〜」というのを期待したんですが、ねえww
投稿 | 2007/09/08 20:53
俺も舞踏はいろいろ見たが、土方巽は死の直前の講演会で初めて生体験した。この世のものとは思えない形相でぶつぶつつぶやいていて、妙な存在感があったのを覚えている。
サーカスや見世物小屋は俺も大好きで、もちろん映画『フリークス』も見たが、国内外で、生のサーカスや見世物小屋もよく行ったよ。『フリークス』に出てくるのとおなじ、芋虫男が1人で口だけでタバコの箱を開けて、タバコをくわえて、マッチをすってたばこの火をつけてプカプカ吸うの、目の前で見たよ。
今の日本のサーカスは面白くない。小さな国のサーカスは、リリアーナ・カヴァーニの映画みたいで、悲しくて、俺は、そのほうが好きだ。
日本では、おばちゃんが蛇食う見世物小屋も何回か行ったが、こちらも悲しくて、やはり惹かれてしまう。
投稿 ああ | 2007/09/08 23:45
何年か前に横浜で、「大野一雄」展を観た。
土方巽に影響を与えたとされる舞踏家で、
大野の「ラ・アルペンチーナ頌」の映像も流れてた。
なんというか、観るとちょっと忘れられなくなります。
機会があれば一見の価値あり。
足腰が立たなくなっても、車椅子で舞踏(上半身の動きのみ)やってたり、
舞踏家って不思議な人たちだな。
フリークスといえば、NYに以前、
その手の人たちばかり撮る女性写真家がいた。
ダイアン・アーバスって人。
これも名前覚えといて、機会があったら見るといいです。
もうずっと前に自殺してしまったけれど。
投稿 ゆーき | 2007/09/09 03:44
http://jp.youtube.com/watch?v=HNXqudCmMjc
ようつべに予告編ありました
投稿 野次馬 | 2007/09/09 04:25
石井輝男監督は土方巽の死後も土方未亡人の元藤燁子と親交があり、「ねじ式」(1998)にアスベスト館の舞踏家が出演したりしています。
投稿 えんどう | 2007/09/09 08:24
土方巽は、37年前後前「卑弥呼」という映画で確か
「山の神」役で出演していた。その独特の動きが
印象的だった。なにか「山の神」というのが本当にいるのなら
きっとこんな感じかもしれないと思ったりした。
まったく偶然にも、私の住居の近くに、この未亡人元藤燁子さんが
ある民宿を買い別荘としていた。その後彼女が逝去して
娘さんがその処分にこられ、私も何かの縁とお手伝いをした。
娘元藤がらさんは、やはりこの関係の世界でご活躍されている。
「アスベスト館」の名前の言われについて、アスベスト=永遠の命
の意味ですかと尋ねたら、母親の父がアスベストの貿易で大成功
してそれに因んだとのこと。(ちょっとがっかり)
娘の名前の「がら」は、ダリの妻ガラから付けたのか聞いたが
答えはなかった。
土方巽、元藤燁子両親のお墓は、伊東市宇佐美のお寺にあり
やすらかに眠っている。
投稿 ダンカイ23 | 2007/09/09 10:37
俺も車椅子の大野一雄何度か見たが、見てて痛々しい
というか、往年の輝きがないのは残念だ
投稿 ああ | 2007/09/09 21:37
おかーさーんw
投稿 | 2007/09/10 02:00