前回まで、二回にわたって神棚の祀り方について説明してきました。
今回は、お札を神棚にお納めする具体的な方法を説明します。複数の神社から複数のお札を頂いたときに、どのようにお札をお祀りしたらよいのでよう。複数の神様をお祀りして、神様同士が喧嘩をするようなことはないのでしょうか。
神棚に複数のお札をお祀りすることはできますが、お札を配置する順序には気を使わなくてはいけません。
人間でも目上や尊い方には上座にお座りいただく習慣がありますが、神様でもその位に応じて、席次のようなものがあり、これを座位(ざい)と呼んでいます。
神棚の形式によってお札の置き方は変わります。神棚のお札をお納めする場所を神座(しんざ)といいますが、神棚には神座が一つのもの、二つのもの、三つのものがあり、それぞれ、一座(いちざ)、二座(にざ)、三座(さんざ)と呼びます。
一座の場合、複数のお札をお納めするならば、一番手前が上位で、後ろほど下位になりますから、一番手前に神宮大麻(じんぐうたいま)、次に氏神(うじがみ)、そしてその次にその他崇敬(すうけい)する神々という順序でお納めすることになります。
二座の場合、神棚に向かって右側の神座が上位になりますから、そちらに神宮大麻を、また向かって左側の神座に、氏神と崇敬する神々のお札をお納めします。
三座の場合、正中(せいちゅう)(中央)の神座が第一位になるため、中央に神宮大麻をお納めします。次に神棚に向かって右側の神座が第二位となり、こちらに氏神のお札をお納めし、そして神棚に向かって左側の神座にその他の崇敬する神々のお札をお納めします。
また、祖霊舎は神棚よりも低い位置に設置するのを基本とします。
座位の考え方は、宮中における席次と同じです。つまり、一番位の高いのが正中で、天皇の席になります。続けて天皇から見て左側(正面から見ると右側)に左大臣、また天皇から見て右側(正面から見ると左側)に右大臣が座ります。
「君子南面(なんめん)する」といわれるように、天皇は南向きに座るものとされています。神棚の祀り方@で、神棚は南向きが好ましいと説明しましたが、それがこの理由です。
南に面するということは、天皇から見て左側(向かって右側)は東になります。東は太陽が昇る方向で、尊い方向とされます。だから向かって右側が尊いのです。
正中、左(向かって右)、右(向かって左)の順に尊いと覚えておいてください。日常の生活の中でも、なにかと関わりがあるものです。
神社から頂くお札には様々な大きさがあります。小さいお札でしたら神棚の中にお納めすることができますが、大きいお札ですと、神棚に入りきらないことがあります。その場合は、神棚の後ろの壁に立てかけるようにしても差支えありません。
では、どのような時期にお札を頂きに神社にいけばよいのでしょうか。これについては、決まりはありませんので、自由です。「そうだ、神社に行こう」と思ったら、それが吉日という考え方もあります。また、毎年初詣でお札を頂くという人もいます。
実際には次のようにするとよいでしょう。
年始の初詣で地元の神社(氏神)に詣で、神宮大麻と氏神のお札を頂いて帰宅します。二体のお札を神棚にお納めして、一年が始まります。
また、個人的に崇敬する神様があれば、そこの神社を訪れた際にお札を頂き、神棚にお納めします。これは必ずしも初詣である必要はありませんから、好きなときで問題ありません。
また、伊勢の神宮は最も尊いお宮ですから、地元の神社を通じて神宮大麻を頂くだけでなく、できれば年に一度、それができなければ、数年に一度でいいですから、伊勢の神宮を詣でて、伊勢の神宮から直接、神宮大麻を頂くようにしましょう。
お札の有効期限は最長で一年と考えてください。翌年の年始に初詣に出かけた際には、旧年中に頂いた全てのお札とお守りを持っていき、神社に納めてきます。そして新しいお札を頂いて一年が始まります。
そのようにして、毎年の神棚が営まれていくのです。
以上、お札を神棚にお納めする具体的な方法を説明してきました。
せっかく神社に参拝したならば、お札を頂いてきてください。そしてそれを大切に神棚にお納めしましょう。神棚はあたかも、自分専用の神社のようなものです。あなたと家族と特別に見守って下さる、特別のお社(やしろ)になるのです。
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