正月に初詣に出かける人は多いことでしょう。今のうちに、神社参拝の方法を勉強することにしましょう。
まず神社参拝の服装ですが、厳格な決まりはありません。日常的に神社に出かける場合は平服でもかまわないでしょう。
なかには、毎朝ジョギングをする途中で、途中の神社の神殿に手を合わせる人もいるでしょう。通りかかったついでに、神様とのご縁に感謝して手を合わせることは、決して悪いことではありません。正装をしていないと鳥居をくぐってはいけないということはないのです。
しかし、神殿や神楽殿に上がってご祈祷をお願いするような場合(昇殿参拝)や、正式に参拝する場合、そして神社の大祭などに参加する場合などでは、ちゃんとした服装で、神社に出かけるべきでしょう。
洋装なら、男性は少なくともスーツにネクタイ着用が望ましいでしょう。できれば、ダークスーツ、そして本当に丁寧に参拝するならモーニングが理想です。女性はそれに準ずる服装となります。和装なら、男性は羽織袴(はおりはかま)、女性は黒留袖(くろとめそで)や訪問着であれば問題ありません。
あと、学生ならば制服が最もふさわしいしょう。制服は正装に準ずる服装として通用します。また、自衛官、警察官など制服が定められている職業の人は、その制服で参拝することも差し支えありません。
次に神社参拝の時間ですが、できれば午前中が望ましいといわれています。それがどのような理由であるかはっきりしませんが、早朝の神社は実にすがすがしいものです。よかったらぜひ一度、早朝に参拝してみてください。理屈を越えたものを感じてもらえることでしょう。
ただし、午後や夜に神社にでかけてはいけないということはありません。でも正式な参拝をする場合は午前中がよいでしょう。
先ほどのジョギングの例や、旅行先で神社に行くような場合はあまり厳密に考える必要はありませんが、正式に神社を訪問するときは直行直帰が原則です。寄り道してついでに参拝するのはよくありません。
神社にでかける道中は、神前でどんなお願いをしようか、どんな報告をしようかなど、参拝のことを考えながら移動するのが理想的です。それにより、清らかな気持ちで参拝できるのです。
また帰り道についてもやはり寄り道をするのはよくありません。神社でいただいたお札は神様そのものですから、そのお札を持ちながら買い物やレジャーにでかけるのは神様に対して失礼です。
もちろん遠くの神社に出かけるのであれば、途中で食事をしたり、宿泊をしたりすることは問題ありません。また、気持ちが大切なので、あまり厳密に考えることはないと思います。参拝のことを大切に考えれば、自然とそのようなプランになるでしょう。
神社でお札をいただいたら、できるだけ早く家に帰り、神棚や、高い位置にある清潔な場所にお札を置くようにするのがよいでしょう。お札の取り扱い方などは別の機会に説明します。
ではどこの神社にいけばよいのでしょう。これも決まりがあるわけではありませんが、家の近くの神社は氏神(うじがみ)として大切にするとよいと思います。また地域にある大きな神社や、特別に信仰する神社があれば、そこに行くのもよいでしょう。両親やおじいさん・おばあさんに相談してみるのもよいです。
しかし、我々日本人の信仰の中心となるのは、なんといっても伊勢の神宮(伊勢神宮)です。交通機関の発達していなかった昔、「一生に一度は伊勢の神宮にでかけたい」というのが庶民の夢でした。現在は交通の便が良くなり、神宮参拝は昔よりは手軽なものになりました。
できれば一年に一回、少なくとも数年に一回程度は神宮を参拝したらよいのではないかと思います。
私の場合は、地元の神社によく通い、また年に何回かは伊勢の神宮を正式に参拝し、そのほか個人的に信仰している、出雲大社、熊野大社、八坂神社、箱根神社などに時々出かけます。
神社に参拝すべき日については、なかには方角によって細かい日時を気にする人もいるでしょう。もちろん、運命学上の吉凶(きっきょう)が存在することは事実ですし、これを否定するつもりはありません。けども、これもあまり気にする必要はないと私は思います。
「思い立ったら吉日」といいますが、「そうだ、神社に行こう」と思ったら、それが「吉」であり、自然と決めた日は「吉日」であって、やはり自然体が大切なのではないでしょうか。それでこそ神に導かれた参拝になるはずです。日取りを気にして無理な日程を組むよりはよいと思います。
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