世界シェア98%、サムスンが誇る「夢の工場」(下)
■液晶に代わる次世代商品の主力になるか
AM-OLEDは曲がっても壊れない。この特性を利用し、今後は折り曲げたりたたんだりして持ち運ぶディスプレーが出てくることも考えられる、と専門家は語る。サムスン・モバイル・ディスプレーOLED開発チームのリーダーを務めるソン・ヨンウさんは、「いずれは壁紙のようなテレビを作ることもできるだろう」と述べた。
今後の普及のカギは経済性となりそうだ。
携帯電話端末に利用されるAM-OLEDの価格は液晶の1.5倍から1.7倍に達する。この高価さが、普及に際しての最も大きな問題だ。サムスンの携帯電話「AM-OLEDホン」のように、1台当たりの価格が80万ウォン(約6万円)を超える高級モデルには利用できるが、20万ウォン(約1万5000円)から30万ウォン(約2万2000円)台の普及型モデルに採用するには非常に割高だ。
大型テレビにAM-OLEDパネルを使うのはさらにハードルが高い。価格だけでなく、製造そのものに、非常に高い技術力が必要だからだ。昨年サムスン・モバイル・ディスプレーは40型サイズのテレビを開発したが、市場にはまだ30型のAM-OLEDもない。
また、ソニーは今月中旬、AM-OLEDテレビの本格生産を来年に延期すると発表した。ソニーは「収益に見合わない無謀な投資を行った」として中鉢良治社長を退任させたが、さらに、今年中にこの高価な新製品を量産する、という当初の計画も先送りしたのだ。
一方で30日、「15型AM-OLEDテレビを今年11月から販売する」と公式に発表したLG電子をはじめ、この市場に新たに進出する企業もある。台湾のパソコンメーカーであるアスースも、今年中にAM-OLEDモニターを装着したノートパソコンの販売を開始する予定だ。このように、同分野に進出する企業が増えれば事情は変わってきそうだ。
過去に液晶テレビは生産の増加によって価格が下がり、一気に普及した。このケースからも分かるように、AM-OLEDの大衆化(普及)は予想以上に早まることも考えられる。多くのリスクがあるにもかかわらず、サムスングループはすでに巨額の投資を行っているため、サムスン・モバイル・ディスプレーは今年後半には損益分岐ラインを克服して利益を出せそうだという。
未来アセット証券取締役のキム・ギョンモ氏は、「AM-OLEDは小型の分野では競争力が認められているが、中大型で収益性を判断するのは時期尚早だ。しかしサムスンやLGなどの大手メーカーが本格的に生産を始めれば、普及が予想以上に早まることも考えられる」と述べた。
■アクティブマトリックス式有機発光ダイオード
アクティブマトリックス式有機発光ダイオード(AM-OLED)は、これまでに開発されたディスプレー装置の中で最も現実に近い映像を映し出すものだ。液晶パネルは背面に光を発するバックライトが必要だが、AM-OLEDは自ら光を発するため、バックライトが必要ない。そのため液晶に比べると薄く、またどの角度からでも鮮明な画像を見ることができる。
白剛寧(ペク・カンニョン)記者
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