「犯人は誰なんでしょうねぇ。私の方が教えてもらいたいくらい(笑)」
民生委員の女は逮捕前、そう言って、私たちの取材に応じていました。
事件はことし3月、名古屋市北区のとある団地で起きました。
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被害者の自宅
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一人暮らしの女性、高島静子さん(当時83歳)が、自宅のベッドで、首を絞められて殺害されているのが見つかったのです。
自宅からはキャッシュカードが盗まれ、現金が引き落とされていました。
そして、この事件で逮捕されたのが、民生委員をしていた女、江角一子容疑者でした。

江角容疑者
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民生委員って、皆さんご存知ですか?
一人暮らしの老人の家をまわり、安否確認をするなど、地域で無報酬で活動している特別職の公務員のことです。
一人暮らしのお年寄りの家に行くわけですから、家の中に入って話をすることもあるでしょうし、いろいろ頼まれごとをして買い物に行ったりすることも、時としてはあるようです。
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つまり、一人暮らしの人が、安心して頼ることの出来る、おそらく数少ないうちの1人。
今回は、そんな民生委員が、強盗殺人の疑いで逮捕されました。
地元には、大きな衝撃です。
彼女は、地域ではとても信頼が厚かった人で、取材をしていても、「本当にいい人だった」「信じられない」「そんなの嘘だよ」、そんな声をたくさん聞きました。
ましてやそれが、一人暮らしの老人の方にしたら、きっとものすごく信頼していた人であるだろうし、裏切られたという思いも大きかったのではないかと思います。
「信じてたのにねえ…。」そうつぶやいたおばあちゃんのため息は、とっても深いものでした。
もし今回の事件の犯人が、本当に江角容疑者だったとしたら、本当に許せない、ひどいことだな、って思います。
世の中こんなにやるせないものなのか…
県警担当記者になって改めて感じたことです。
毎日次々と発生する窃盗、ひったくり、強盗、詐欺、殺人…。
小さなもめごとや事件が、毎日ちゃんと、起こっているんです。
これってどうしてなんでしょうか。
平和な世の中、って、本当に難しいんですねえ。
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