ゴマブックスが倒産 民事再生法−負債38億円

2009.09.07

 ケータイ小説「赤い糸」をはじめ、ビジネス本からアイドル写真集まで幅広い分野の本を手がけてきた中堅出版社のゴマブックス(本社・東京都港区、嬉野勝美社長)が7日、東京地裁に民事再生法の適用を申請し、倒産した。負債額は38億2000万円。社名の似たごま書房新社とは資本関係はない。

 ゴマブックスの説明によると、出版不況で売り上げが減少する中、新刊本を増やして収益を上げる方針で臨んでいたが、本の返品が増加し、資金繰りが悪化した。

 同社では「昨年来のリーマンショック以降、ベストセラーが出ない状況が続いていた。事業は今後も継続し、すでに支援をお願いできる企業数社と話し合いをしており、今後はスポンサーの選定を進める」としている。

 同社は1988年、株式会社ポケットブックとして設立。98年に現社名に変更し、ビジネス本や自己啓発本のほか、タレント本などを出版してきた。

 2005年には自民党の世耕弘成参院議員の「プロフェッショナル広報戦略」やタレント、中川翔子のブログ本「しょこたん☆ブログ」をリリース。ケータイ小説「赤い糸」は映画やドラマのメディアミックスで注目を集めた。

 今年に入っては、オバマ米大統領の演説集を集めた「オバマ大統領演説CD BOOK」や、ほしのあきの写真集「ORIGIN」、ビーチバレーの菅山かおるの初写真集「VOAR!」などを出版。今月17日には英国「ギネス・ワールド・レコーズ」社との契約で、ギネスブックの日本語版「ギネス世界記録2010」を発売する予定だった。

 ここ数年の出版不況は中堅どころの老舗・有名出版社を直撃しており、昨年は草思社やアスコム、新風舎、今年もユーリーグやメディア・クライス、雄鶏社などが経営破綻している。