森田実の言わねばならぬ【731】
平和・自立・調和の日本をつくるために[726]
「日暮れて道遠し」(『史記』)
自民党はどうなっているのか?ムム取材をしてみることにした。自民党の中枢部で働いている党員の某氏(とくに名を秘す)に会い、率直な意見を聞くことができた。仮にAさんとしておく。取材メモをそのまま記す(前半部分)。
【森田】自民党はなぜこんなに負けたのか、あなたの見方を話してください。
【A】ずばり言えば、危機感がなかったことです。総選挙の情勢がきびしいことはわかっていたが、みんな、最後には何とかなると思っていた。他力本願だった。森田さんは信じないかもしれませんが、本当に、皆、最後には何とかなると思っていました。
【森田】マスコミの世論調査をどうみていたのか。
【A】大多数の党員がそんなはずはないと思い込んでいた。なかには「マスコミはおかしい」「マスコミの世論調査はおわりだ」という人もいた。麻生総理が遊説に行くと多くの人が集まる。このため、総理周辺は国民は麻生総理を支持していると思い込んでいた。総理ご自身、そうだったのではないでしょうか。
【森田】いまはどうですか?
【A】まだ、あまり深刻には考えていないような気がします。「なんとかなるさ」「なるようにしかならない」「じたばたしても仕方がない」という感じです。とにかく危機感がないのです。政権を失ってしまったのにまだ与党気分です。鳩山内閣が発足して、本当に野党になるまで気づかないのかもしれません。みんな、ボンヤリしています。
【森田】本当に、総選挙で負けて野党に転落するという危機感はなかったのですか?
【A】自民党本部の空気をいえば、そんな危機感はなかったと思います。本当に危機感が強ければ、何とかしようという動きが出たと思いますが、それがなかった。繰り返しますが、みんな、本当に「なんとかなる」と考えていましたね。幹部の本部職員もこんな大変化が起こるとは思っていませんでした。(つづく)
《新・森田実の政治日誌(143)》〔取材メモ/自民党再建・再生の可能性〕危機感なき自民党