世界を舞台に多彩な活動を続けるサックス奏者、渡辺貞夫が通算70作目となる最新作『INTO TOMORROW』(9/2 発売)と、自らプロデュースする“SADAO'S CLUB”25周年を記念した特別 セッションを行なう。’50年代からシーンを先導し、ビ・バップ、ブラジル音楽、アフリカ音楽等を取り入れた独自の世界でファンを魅了。今回のステージでは、注目のピアニスト、ジェラルド・クレイトンをはじめとする若手ミュージシャンを迎えて最高峰のストレイト・アヘッド・ジャズを聴かせる。歌心溢れる渡辺貞夫のサックスと、ジェラルドの瑞々しいプレイがいかに調和し、語らうか。ジャズの醍醐味に溢れた、珠玉の一夜になることは間違いない。
●サックス奏者の渡辺貞夫は、1933年2月1日、栃木県宇都宮生まれ。高校生で映画『ブルースの誕生』に魅せられクラリネットを演奏。'51年に上京しアルト・サックスに転向。秋吉敏子らと活動後、'61年に初アルバム『渡辺貞夫』を発表し脚光を浴びた。'62年から3年間、ボストンの先進ジャズ専門校バークリー音楽大学(当時は音楽院)に留学。帰国後、自身のバンドを主宰しながらボサノヴァを広めるほか、若手の育成にも専心。’70年代はエレクトリック路線を新機軸に世界展開をはかり各国のジャズ祭に出演。さらに、アフリカやブラジル音楽も取り入れ本邦クロスオーヴァー&フュージョンの先駆となった。それらの成果を集成したコンサート・ライヴ作品『渡辺貞夫リサイタル』で「芸術祭大賞」をジャズ音楽家として初受賞。’70年代後半には海外録音の『カリフォルニア・シャワー』などヒット作を連発。国際的な活躍によってジャズのフレームに収まらないスターとなった。’80年代に入ると世界展開に一層の拍車をかけ、’84年の『ランデヴー』をビルボード・ジャズ・チャートの2位に上げるなど、米ジャズ・チャートの常連に。国内では、’85年からクラブを舞台にした先駆的なクラブ・イベントもスタート。以来、ストレートアヘッド・ジャズ、ブラジル、フュージョンなど多彩な創作をたゆまず続け、内外を広く巡るライヴ活動で音楽ファンの心をつかんできた。’90年代はチベットを訪れ、通算60枚目となった’99年の『リメンブランス』でジャズ・サックス奏者としての真骨頂を再発信。継いで、リチャード・ボナとのコラボレイションで絶賛を博すのに前後して、’01年は音楽生活50周年の節目を迎え、『マイ・ディア・ライフ〜50thアニヴァーサリー・コレクション』を発表。’05年の愛知万博「愛・地球博」で、子供たちとのハイライト・プログラムを総合プロデュースすると、ジャカルタのジャワ・ジャズ・フェスティヴァル、スペインのサラゴサ国際博覧会などで世界の子供たちと共演。それに前後した演奏の主舞台では、朋友チャーリー・マリアーノと40年ぶりに再会してクリスマス・コンサートを行ない、そのライヴ・アルバムを発表。’07年には邦人グループによるライヴ・アルバムも出すなど、幅広い音楽活動を繰り広げてきた。最新作は、本公演の若手3人とニューヨークで録音したオリジナル集の『イントゥ・トゥモロウ』(ビクターエンタテインメント)。FM番組の「Nightly Yours」ではホスト役でも活躍中。これまでに手にしてきた褒賞や讃賞は、「旭日小綬章」「芸術選奨文部大臣賞」「ロサンゼルス名誉市民賞」「モンブラン国際文化賞」など枚挙にいとまがない。ブルーノート東京に出演するのは、’08年10月以来10ヵ月ぶり。オフィシャル・サイトは「http://www.sadao.com/」。
●ピアニストのジェラルド・クレイトンは、1984年、オランダ生まれ、ロサンジェルス育ち。父親は、ヴェテラン・ベーシスト、作編曲者のジョン・クレイトン。6歳から11年間クラシック・ピアノを学びながらジャズに傾倒。USCやマンハッタン音楽院で、ケニー・バロンやビリー・チャイルズに学んだ。ロバータ・ガンバリーニやアニー・セリックら歌手のバックで頭角を現し、’06年のセロニアス・モンク・ピアノ・コンペでセカンド・プライズを獲得。ダイアナ・クラールの『フロム・ジス・モーメント・オン』にも名を連ねるなどしてキャリアアップを続けてきた。現在は、クレイトン・ブラザーズやロイ・ハーグローブのバンドに所属。先頃、初リーダー作『トゥー・シェイド』(ユニバーサル ミュージック)をリリースした。オフィシャル・サイトは「http://www.geraldclayton.com/」。
●ベーシストのベン・ウィリアムスは、ワシントンD.C.生まれで現在20代半ば。ミシガン州立大学でジャズや音楽教育を専攻し、ベースとピアノのコンペティションでたびたび優勝。デューク・エリントン協会の最優秀奨学生に選ばれるほか、2005年には「International Society of Bassists Competition(in the category of jazz)」のファースト・プライズも獲得。目下、演奏活動の一方で、ジュリアード音楽院のマスター・コースを目指して猛勉強中。これまでの共演者は、ウィントン・マルサリス、テレンス・ブランチャード、ロイ・ハーグローブ、マルグリュー・ミラーなど 。ジョン・レジェンドのオープニング・アクトを務めたこともある。
●ドラムスのジョナサン・ブレイクは、1976年7月1日、ペンシルヴァニア州フィラデルフィア生まれ。父親は、ジャズ・ヴァイオリン奏者の大家ジョン・ブレイク。3歳からヴァイオリンを習うが、10歳でドラムスに転向。学校のマーチング・バンドで演奏するうちジャズに惹かれ、ウィリアム・パターソン大学でジャズを専攻。オリヴァー・レイク・ビッグ・バンドを皮切りに、ロイ・ハーグローブやデヴィッド・サンチェスらと共演。マッコイ・タイナーのバンドに入るのを機に、フルタイムの音楽家生活を始めた。’07年には、ラトガーズ大学の修士号も獲得している。現在は、ケニー・バロン、トム・ハレル、ラッセル・マローンらのグループに所属。オフィシャル・サイトは「http://www.johnathanblake.com/live/」。
SADAO WATANABE “INTO TOMORROW”
〜25th Anniversary Celebration of SADAO’S CLUB〜
渡辺貞夫 『INTO TOMORROW』
〜25th Anniversary Celebration of SADAO’S CLUB〜
2009 9/2wed.-9/5sat.
Showtimes : 7:00 p.m. & 9:30 p.m.
※9/5sat.は
1st Show : Open5:00p.m. Start6:00p.m.
2nd Show : Open8:00p.m. Start8:45p.m.
Sadao Watanabe(sax, fl)
渡辺 貞夫(サックス、フルート)
Gerald Clayton(p)
ジェラルド・クレイトン(ピアノ)
Ben Williams(b)
ベン・ウィリアムス(ベース)
Johnathan Blake(ds)
ジョナサン・ブレイク(ドラムス)
¥8,400(税込)
日本を代表するジャズマン、渡辺貞夫。今年は、貞夫さんの年に一度のクラブ・イヴェント「SADAO’S CLUB」が25周年という記念すべき年であり、そのイベントの公演初日である9/2wed.に発売されるニュー・アルバム『イントゥ・トゥモロウ』は、何と70枚目のアルバムとなる。そんなこともあって、今回は例年以上に貞夫さんも力が入っているようだ。
「今回のライヴは、前に一緒にやってとても良かったドラマーのジョナサン・ブレイクと一緒にやりたい、と思ったのが最初なんです。本当に気に入りましてね。僕がやりたいことをすぐに判ってくれて、僕が“素(す)”の状態で演奏出来るんですよ。そもそも、ライヴでも、またアルバムを作る時でも、いつも僕の右腕になってくれるような人を探しているんですが、ジョナサンはそれにピッタリだったんです。僕の想い、気分に寄り添ってくれると言いますか。古くはデイヴ・グルーシンがそうでしたし、リチャード・ボナもそうでしたね。ジョナサンは、正にそういう人だったんです。で、彼にアドバイスを貰ってピアノとベースを選びました。僕は最近のアメリカのミュージシャンの事情に詳しくないですから、彼に何人もの人を紹介して貰いました。その中から選んだんですが、やはり彼は、最高の二人を連れてきてくれました。ピアノのジェラルド・クレイトンとベースのベン・ウィリアムスという二人は、まだ若いのに素晴しいんです。このピアノ・トリオとやりたいなと思った訳ですよ」
このドラマー、ジョナサン・ブレイクは32歳。世界的なジャズ・バイオリニストを父に持ち、ウィリアム・パターソン大学在学中からプロとしてマッコイ・タイナーやロイ・ハーグローヴなどと一緒にプレイしてきたというキャリアの持ち主だ。ピアノのジェラルド・クレイトンは24歳で、ベーシストのジョン・クレイトンが父親である。世界的なコンテストであるセロニアス・モンク・コンペティションで2位になった経験があり、現在はロイ・ハーグローヴなどのバンドで活躍中だ。ベースのベン・ウィリアムスも現在24歳。ミシガン州立大学の音楽学部でジャズを学び、2005年には国際ベーシスト協会主催のコンテストで1位に輝いた経歴を持っている。ウィントン・マルサリスやロイ・ハーグローヴ、サイラス・チェスナットなどとの共演キャリアもある。……といった具合に、若いながらも見事なキャリアを持っている3人なのだ。そして、9/2に発売になる70作目のアルバム『イントゥ・トゥモロウ』で、この3人と共演している。
「今度のアルバムは、レコーディングが結構久々だったもので、前から書いていた曲もあるんですが、今年のお正月以降に書いた曲も6曲ほどありましてね。ちょっと入れ過ぎじゃないかというくらい、全部で11曲入れました。ただ、僕は、アルバムのタイトルを付けるというのは、曲を作るよりも苦手でしてね(笑)。でも、今回のアルバム・タイトル曲になった『イントゥ・トゥモロウ』は、先を見つめていこうというような意味合いです。タイトル曲はラストに入っているんですが、実は全部の曲がワン・テイクなんですよ。中には一曲、リハーサルのテイクが良かったので、それをそのまま採用したものもあります。とにかく楽しく出来ましたよ。僕は、ストレートのジャズだけを演奏している訳ではありません。ブラジル・タッチの曲があったり、アフリカ系の曲があったりするんですが、そうした曲にも彼等は見事に対応してくれましたね。とにかく、僕自身は昔から何も変っていないんですが(笑)、そんな僕に新しい衣を付けてくれるというのは嬉しいですよね。ただ、決して余計な衣は付けないんです。そこが大事なんですね」
渡辺貞夫さんは1933年生まれ。’51年に18歳で上京してからずっとプロの第一線で活躍してきた。そんな見事なキャリアが遺憾なく発揮されるライヴが、この「SADAO’S CLUB」だ。やはり意気込みも違ってくる。
「ブルーノート東京は、やり良いクラブですね。サイズも良いですし。実は先日、僕の古いアルバムの音が良くなったといって持って来てくれたミキサーがいるんです。で、音が改善された僕の昔のアルバムを聴いてみたんですよ。そうしたら、オレってこんなに良かったっけ、って、思っちゃいましてね(笑)。もう、逡巡の無いストレートな演奏をしているんですよ。あれにはちょっと参りました」
こうも語る貞夫さんだが、お客さん達は先刻お見通しだろう。貞夫さんほどジャズを愛している人はいない、ということを。その情熱、熱心さと厳しさ、そして多くの若い才能を育て上げてきた手腕。そうしたもの総てが、この「SADAO’S CLUB」で結実するのだ。特に今回は、アメリカの若き才能溢れる男を3人引き連れての演奏となる。これは見逃せない!
上記、ロゴマークのある公演は70歳以上の方に限り
ミュージックチャージが無料に!!
ご夫婦で、ご家族揃って、是非ジャズクラブでのひと時をお過ごしください。
・ご予約はお電話のみで承ります。
・ご予約時に、70歳以上の方のご人数をお申し出ください。
・事前にご予約をお願いいたします。
来店した際にお申し出いただいても割引は適用されません。
・お席には限りがございます。予めご了承ください。
・本プランをご利用されてボックス席のご予約
(シートチャージを別途頂戴いたします)を希望される場合は、
お電話にてオペレーターにご相談ください。
・ご来店当日に、年齢がわかる身分証のご提示をお願いする場合がございます。
予めご了承ください。
・開演30分前までにご来店ください。
今回一緒に演奏してくれるドラマーのジョナサン・ブレイクと最初にプレイした時、本当に良いと思ったんですよ。僕が“素(す)”になれるんですね。古くはデイヴ・グルーシンがそうでしたし、リチャード・ボナの時もそうでした。で、彼からアドヴァイスを貰って、ピアノとベースを選んだんです。もう、最高のメンバーですよ。
僕は昔から何も変っていないんですが、そんな僕の気分や想いに、彼らはそっと寄り添ってくれるんです。それが嬉しいですね