ニュースアキバの麻生人気は都市伝説だったのか (2/2)2009年09月07日 06時35分 更新
“あざとさ”指摘の声も「お台場のガンダムを見に来た帰り」という愛媛県松山市の医師の男性(28)は、東京みやげとして“萌え絵”が描かれた他のお菓子と一緒に麻生まんじゅうを購入。麻生人気については「受けるような言動をしていたんじゃないの」と、その“あざとさ”を指摘する。 ただ、民主党についてもさまざまな不祥事ゆえに「期待できない」として「強いてどちらかというなら、自民党の方がまだまし」という消極的な自民党支持者だ。麻生支持かどうか尋ねると、「面白いおっちゃんだとは思うけど…」と明言を避けた。麻生まんじゅうを買ったのも、単なる話の種、みやげ物の域を出ないようだ。 「麻生人気はチャチ過ぎた。若者にちょっと受けたのを履き違えて、先走りし過ぎた」と手厳しく指摘するのは埼玉県草加市のフリーター男性(30)。「ネットなどで見る限り、けっこういい人そうだし、成果もある」と麻生首相をある程度評価するが、小泉元首相に連なる「麻生降ろし」派が足を引っ張っているとして自民党自体には批判的だ。 「自民党は国民新党や平沼グループと連立して、真の保守を目指すべきだった」と購入したばかりの麻生まんじゅうを手に話した。麻生首相個人については「構造改革の尻ぬぐいをさせられているかわいそうな人」と評し、積極的に支持はしないものの、同情的な意見だった。 「草野球のアイドル」秋葉原のタウン情報誌「あきば通」代表を務め、秋葉原に精通した政治家として知られる小林孝也・千代田区議(54)は「秋葉原では麻生さんの人気は確かにありますよ。最盛期は昨年の総裁選から、衆院選の公示直前ぐらいまでかな。でも今でも人気は残っているし、来てくれれば盛り上がると思いますよ」と話す。 人気の理由については「アキバは“キャラ立ち”してないと駄目な街で、たとえば鳩山さんはアキバキャラではないが、麻生さんはアキバ向きにキャラが立っている」と分析。「マニアの街ですから、地下アイドル(マイナーアイドル)的なものが受ける。ただあくまで多数派ではなく、少数派なんですね。最も盛り上がった時期でも、国民的人気とはいえなかった」。 「失礼な言い方かもしれませんが、“草野球のアイドル”だったと思うんですね。全国大会やワールドシリーズには出られない。それを『選挙の顔』にするのは、担ぐ方が悪い」 結局、今回の総選挙で麻生首相が秋葉原に来ることはなかった。小林区議は「全体の情勢がそれどころじゃなかったし、例の『アニメの殿堂』も非常に評判が悪かった。戦術的に避けた面もあるのだろう」と理解を示すが、「政治の世界と違って、負けてもアキバの対応は変わらないですよ」と、麻生首相の秋葉原再訪を望んでいる。 「総選挙は、世論調査結果や一部メディアの報道を曲解して、ふさわしくない人物を首相にした自民党議員に対する天罰です」。選挙制度や投票行動に詳しい若手政治学者、菅原琢・東京大特任准教授は、そう厳しく断じる。「麻生首相が不人気であることはだいぶ前から明らかだったし、彼にリーダーの資質がないことは近くにいた自民党の政治家こそよく知っていたはず」と、麻生首相を担ぎ上げた側にも重い責任があるとしている。 関連記事
[産経新聞] copyright (c) 2009 Sankei Digital All rights reserved. 新着記事
Special
|