総合経済対策、2011年度の基礎的財政収支黒字化も明記
[東京 29日 ロイター] 政府・与党は29日、「安心実現のための緊急総合対策」(総合経済対策)を決定した。2011年の基礎的財政収支黒字化を確実にすることも確認した。
対策の規模は事業費で11.7兆円以上、国費で2兆円以上となる。内訳は、2008年度当初予算の前倒しが事業費で0.2兆円(国費0.1兆円)、補正予算で措置する額が11.5兆円程度(同1.8兆円)、それに09年度当初予算で措置する分が加わると言う。
補正予算で措置する事業費11.5兆円程度には、財政投融資追加分の0.2兆円も含まれる。補正分の内訳は、生活者の不安解消・高齢者医療対策等で事業費0.4兆円(国費0.4兆円)、持続可能社会への変革加速・省エネ等で同1.9兆円(同0.9兆円)、新価格体系への移行と成長力強化等で同9.1兆円(同0.4兆円)、その他(地方)で同0.1兆円(同0.1兆円)となった。
また政府・与党は対策の中で、歳出・歳入一体改革を徹底して進め、まずは2011年度の国・地方の基礎的財政収支の黒字化を確実に実現すると明記した。日銀に対しては、政府による総合経済対策や構造改革への取組みを踏まえ、適切かつ機動的な金融政策運営を行うよう期待するとした。
対策の財源ねん出については、無駄ゼロ、政策の棚卸し等を徹底し、一般会計、特別会計の歳出経費の削減を通じて対応するとした。またマクロ経済上の大幅な需給ギャップが生じていない中で、有効需要創出を主目的とした財政出動はしないことを確認した。補正予算編成での赤字国債の発行は行わない。
具体的施策については、定額控除方式による所得税・個人住民税の特別減税を単年度措置として2008年度内に実施するほか、高速道路料金の引き下げ、非正規労働者の正規雇用化(3年で100万人)、輸入麦の政府売り渡し価格(今年10月期)の引き上げ幅の特例的圧縮、経済界に対する賃金引き上げの要請、70─74歳の医療費自己負担(2割りに引き上げ)の凍結の継続、中小企業の資金繰り対策の拡充などがあげられた。
(ロイター日本語ニュース 児玉 成夫記者)
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