来年度の研修医募集定員、地方が初の6割台
厚生労働省は9月4日、来年度の臨床研修の実施体制の概要を明らかにした。募集定員は前年度比765人減の1万683人(新規指定分を除く)で、新医師臨床研修制度が始まった2004年度以降、大都市部の6都府県(東京、神奈川、愛知、京都、大阪、福岡)を除いた地方の定員の割合が初めて6割を超えた。地方の募集定員に占める大学病院と臨床研修病院の比率は、臨床研修病院が56.0%(前年度比0.9ポイント減)、大学病院44.0%(同0.9ポイント増)で、大学病院が初めてプラスに転じた。大都市部と地方の研修医数の格差を是正するため、来年度から新たな臨床研修制度が導入されることから、同省では「ほぼ想定通りの数字」としている。ただ、募集枠通りに研修医が選択するかどうかは不透明で、10月29日に発表されるマッチング結果が注目される。最終的な実施体制は、医道審議会の医師分科会医師臨床研修部会での審議を経て、9月下旬に決定する見通しだ。
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研修医を募集する「基幹型臨床研修病院」は、前年度比63病院減の1051病院(新規指定分を除く)で、04年度以降初のマイナスとなった。また、募集定員全体に占める大学病院と臨床研修病院の比率は、臨床研修病院53.5%(前年度比0.1ポイント増)、大学病院46.5%(同0.1ポイント減)とほぼ横ばいで、制度導入時から減少傾向にあった大学病院は下げ止まった形だ。
来年度の新たな制度の導入に伴い、病院側は、診療科数などの基準を弾力化できる新制度の研修プログラムと従来の「スーパーローテート方式」のどちらかを選択できるが、スーパーローテート方式は22%(約2300人)にとどまり、78%(約8400人)は新制度のプログラムを選択。このうち大学病院では、全体の94%が新制度のプログラムを選んだ。
■基幹型臨床研修病院、7病院が「適当」―医道審・臨床研修部会
4日に開かれた医道審議会の医師分科会医師臨床研修部会(部会長=相川直樹・慶大名誉教授)では、基幹型臨床研修病院の新規指定の申請をしていた9病院の審議が行われ、稲城市立病院、せんぽ東京高輪病院(共に東京)、医療法人社団和楽仁芳珠記念病院(石川)、総合病院浜松赤十字病院(静岡)、国家公務員共済組合連合会新小倉病院(福岡)、荒尾市民病院(熊本)、財団法人慈愛会今村病院分院(鹿児島)の7病院が「適当」とされた。残りの2病院については、▽救急医療を提供▽入院患者数が年間3000人以上▽研修医5人に対して指導医を1人以上配置―などの指定基準を満たしていないとして、「不適当」となった。
更新:2009/09/07 20:03 キャリアブレイン
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