2009年9月7日 2時30分 更新:9月7日 9時19分
民主党の鳩山由紀夫代表は6日、新政権発足後に連立与党の党首間で政権運営や政策調整について定期的に協議する機関を設ける意向を明らかにした。社民党の福島瑞穂党首と国民新党の亀井静香代表は入閣する方向で調整する。民主党は政府・与党の意思決定を内閣に一元化する方針を掲げており、社民、国民新両党が政府の外に設置するよう求めている与党の協議機関には慎重だった。鳩山氏は、閣僚を兼ねる党首間の協議機関を政府内に置く形式なら一元化は損なわれないと判断した。
鳩山氏は6日、党本部で記者団に「社民党からできるだけスムーズに進めるような関係を作ろうとの連絡があった。連立与党の中でトップ同士の心を合わせるような会議体も必要だという話もあり、検討する」と述べた。
これを受け、民主党の岡田克也幹事長は6日夜のNHK番組で「政府の中に各党の党首クラスが出てきて調整する仕組みが工夫できないか」と発言。その後、同番組に出ていた福島氏と会談し、こうした考えを伝えた。福島氏の入閣も非公式に打診したとみられる。
福島氏は会談後、記者団に「本当は与党責任者会議の方がいいが、意思疎通がトップ同士でできなければだめなので、考えたい」と前向きに検討する考えを示した。
民主党は衆院選後、連立政権発足に向けて社民、国民新両党と政策責任者による協議を開始した。両党は少数政党が意見を反映できる場として与党責任者会議の設置を要求。「一元化」を重視する民主党は、両党の幹部や議員が政府に入って協議することで足りるとの立場を崩さず、連立協議の最大の懸案に浮上した。幹事長レベルに格上げした4日の協議でも結論が出ず、改めて8日に幹事長会談を開き対応を協議することになっていた。
民主党は7日、鳩山氏と次期幹事長に内定している小沢一郎代表代行らが幹部会を開き、菅直人副総理兼国家戦略局担当相、岡田外相、平野博文官房長官らの閣僚人事を正式に内定する予定。並行して社民、国民新両党との連立へ向けた調整も進める方針で、党首協議機関の設置については国民新党にも提案し、理解を求める。【西田進一郎】