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<最先端研究開発支援>対象に山中教授ら 民主「凍結も」

9月4日22時21分配信 毎日新聞

 政府は4日、「世界トップ」の研究者に総額2700億円の研究費を分配する「最先端研究開発支援プログラム」の対象者30人を発表した。1件あたり3〜5年間で30億〜150億円が助成される。プログラムは民主党が見直しを進めている46の基金の一つ。政権交代に伴い今後、凍結を含めプログラム内容が変わる可能性もある。

 対象研究者には、ノーベル賞受賞者の田中耕一・島津製作所フェロー、人工多能性幹細胞(iPS細胞)を開発した山中伸弥・京都大教授ら国内の著名研究者が名を連ねた。

 プログラムは、緊急経済対策を主眼とした09年度補正予算に盛り込まれた施策で、565件の応募があった。日本経団連の産業技術委員会が4月にまとめた提言がベースになったとされる。麻生太郎首相は当初から「(配分先は)自分が決める」と在任中の選定に意欲を見せ、約1カ月半の間に10回も会議が開かれるなど急ピッチで審査が進んだ。

 審査した委員からは「資料が段ボール2箱もある。(短期間では)不可能だ」「金額が大きいだけに、もっと時間をかけるべきだ」との意見も出たが、事務局の内閣府は「選定に時間をかければ、研究をする期間が短くなる」と押し切った。

 落選した基礎科学系のある研究者は「ヒアリングは説明10分、質疑10分。専門分野でない審査員も多く、これで何が判断できるのか。今決める必要はなく、拙速に過ぎる」と疑問を呈した。

 一方、民主党は補正予算の執行を一部停止する方針を打ち出している。岡田克也幹事長は4日の記者会見で「この時期に決まることに違和感を覚えないわけではない。場合によっては凍結することは当然ある」と含みを持たせた。

 採択された研究者からは不安の声も漏れる。ある工学系の研究者は「選ばれてうれしいが、(民主党の考えが分からず)中途半端で戸惑いもある。しかし、鳩山由紀夫代表は工学系出身で科学技術にも理解があり、このまま採用されることを期待したい」と話した。

 科学技術政策に詳しい角南篤・政策研究大学院大准教授は「若い研究者ら『将来の芽』にもう少しお金が回るよう、制度設計にもっと時間をかけるべきだった。民主党も基金の設置法案には賛成しており、配分先が決まったものを凍結するのは難しいだろう。新政権は早く態勢を整え、金額や運用方法などを柔軟に検討してほしい」と注文をつけた。【奧野敦史、西川拓、河内敏康】

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最終更新:9月4日22時21分

毎日新聞

 

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