生きてること自体が『夢』のようなもの 有)Good-Job 代表取締役 前田真吾氏 ①
【 インタビューの経緯 】
実は私、佐藤は風俗店に時々行きます。今回インタビューさせて頂いた前田氏の経営されるお店にも、2~3年前から利用しておりました。風俗店というと、社会的なレッテルから良い印象をお持ちでない方も、少なくないと思います。しかし、サービス業と考えると、他の業種に比べて、質の高いサービスを提供しているお店も少ないないと、私は持論として考えています。
とくに、今回ご紹介の有)Good-Jobの展開する『Jouleグループ』は男性従業員の方の接客態度が著しく良いんです。
その理由を知りたいと思い、男性従業員の方のインタビューをお願いしましたら、なんと、東京を執り仕切る社長さんの登場と相成りました。私はそんな予定ではなかったので、少々ビックリしましたが、この際と思い、いろいろお話をお伺いしました。
◆ 年に30回お店に来るお客さんを、35回にしたい
佐藤:
今日はありがとうございます。社長さんがいらっしゃると思わなかったもので、少々驚いています。
前田:
うち従業員、あまり話上手な者がいないので、自分がお話させて頂いた方が良いと思いました。
佐藤:
こういう取材は結構受けるんですか?
前田:
時々あります。大阪にも店舗があるんで、大阪でも受けたりします。
佐藤:
HPを拝見して、取材のご相談を差し上げてお返事頂き、まさか社長さんにお逢い出来るとは思っていませんでした。
前田:
なんでも聴いて下さい。
佐藤:
早速なんですけど、HPにルーレットがあるじゃないですか。
会員番号をルーレットして、当選者はその日無料のヤツです。
ああいう発想ってすごく面白いと思うんですけど、どういうところから生まれるんですか?
前田:
あれは、一種の博打的要素ですよね、毎日変化してれば、毎日見てしまう。無料になる可能性があれば、無料にならなくても見てしまうんです。パチンコとかと同じですよね。
常に見るコンテンツとして、ルーレットを入れたんです。
前田:
あれ、ルーレットの当選番号が有効な店舗、6店舗あるんです。
そうすると毎日、15~20名の当選が出るんです。15~20名分の料金をタダにしてるんですよ。
場合によって、割に合わない日があるんですよね。昨日なんか27名当選が出ました。
そこまでしてなんで、やるかって言うと、こういうお店に通う人は、年間30回くらい来るんです。
2週に1回来て、ボーナスとか連休とかで30回くらい来る。年に40回来る人は居ないんです。
そうしたら年30回の人を35回にしたいじゃないですか。
その5回分のための1回が無料だったら、嬉しいですよね?
そう思って、ルーレットで無料を出すようにしてるんです。
佐藤:
5回に1回はタダの可能性があったら、期待して見ちゃいますね。
前田:
お得感だけじゃなくて、
うちらはアミューズメント業だから、『性的サービス』は
提供する全てのうちの2割で良いと思っています。
佐藤:
例えば、ルーレットのお話でしたけど、その発想の元になるものってあるんですか?
前田:
まあ、やるなら1番がいいと思ってるんです。無店舗型の風俗店で日本で1番になると思っています。
大阪で始めた頃、無店舗でとりあえず10店舗出そうと思ったんです。
そうしたら、あっと言う間に目標に達して、それなら東京でも1番になろうと思いました。
1番になろうと思ったのが発想の元ですかね。
◆ 渋谷で2店舗潰した 池袋は知恵の出し合い
佐藤:
大阪で10店舗達成した後に、東京進出された訳ですよね。
出て来られてすぐに今のような状態になった訳ではないですよね?
前田:
最初は失敗したんです。渋谷に2店舗出して。
佐藤:
失敗というと。
前田:
関西の感覚で始めたんです。
渋谷に2店舗出して、広告を結構打ったんです。
そうしたら渋谷は結構、違法店舗があって、せっかく広告を出しても、その違法店に吸い取られてしまって、
取りこぼしていたんです。これはイカンと思い、渋谷は4ヶ月で止めました。
佐藤:
違法というと、無許可とかですか?
前田:
そうですね。大阪には違法の無店舗型のお店はないので、正直にやり過ぎたんだと思います。
それで池袋に移ったんです。池袋は街が古いし、老舗もあったので、そういう風土が出来ているんですね。
池袋ならまともに競争が出来ると思いました。後は知恵の出し合いだと思ったので、池袋を拠点にして攻め始めたんです。
◆ 日本で一番、無店舗風俗店の経営が難しいエリア
佐藤:
地域性がすごく反映されるんですね。
前田:
すごく大きな要因としてあると思います。東口のうちの店舗のある、サンシャインビルのエリアは、日本で一番難しいエリアじゃないですかね。
街が古く老舗が多いので、お客さんの層が厳しいところです。
佐藤:
お客さんの厳しい層というのは、どういうことですか?
前田:
あそこのエリアは、『若い子で制服』という趣向に限定されているんです。
客層もシビアな人が多くて、
例えば、毎日お店の女の子の写真をチェックに来る人とか
女の子をチェックしてメモをして帰る人とか。
毎日チェックするのに、来るのは月1回とかです。
趣向が非常に細かくて、シビアなんですよね。
佐藤:
そんな人いるんですか?!
前田:
ホントの趣味の領域なので、妥協出来ないんでしょうね。
あのエリアはそういうエリアです。
最初はそれが分からなかったので、うちも違う形態をとっていましたが、
今は『若い制服の子』のお店にしています。
いくらお金があっても、ただやるだけではダメですよね。
最初の失敗からも学んだし、他の同業者さんを見ていても、同じことが言えます。
2~3年前に無料案内所とかがたくさん出来て、一時いい時期が来ましたけど、
残っているお店は少ないですからね。
その『街の性質』と『お客さんの性質』を考えないとやっていけないですよね。