県警:3児死亡事故の月命日、「25日」に飲酒運転防止活動−−方針 /福岡
9月4日16時1分配信 毎日新聞
◇要注意職員の指導強化も
◇「病気としての対応必要」−−NPO指摘
警官による飲酒ひき逃げ容疑事件を受け、県警は毎月25日、県内全域で飲酒運転防止活動を実施する方針を固めた。「25日」は海の中道飲酒追突死亡事故の3児の月命日。事故からちょうど3年目に警官が逮捕されたことから、月命日の活動で反省と信頼回復に懸ける姿勢を示す。また、飲酒に注意を要する職員への指導強化も検討しており、有効な再発防止策作りに向け、詰めの作業を進めている。【山田宏太郎】
再発防止策検討のため、3日開いた緊急の副署長検討会で田中法昌本部長が明らかにした。田中本部長は「飲酒運転による事故は殺人にも匹敵するというのが国民の認識」と指摘。県警も同様の認識であることを県民に見える形で示す必要があるとして、「25日」の活動方針を示した。
具体的には、飲酒運転取り締まりや撲滅キャンペーンを想定。田中本部長は「単に反省するだけなく、県民の安全にもつなげたい」と述べた。飲酒に注意を要する職員を把握し、入院・治療を強く勧めるなどプライベートに踏み込んだ対策を進める考えも示した。
飲酒ひき逃げ容疑事件で逮捕された小倉南署地域1課巡査部長の古賀達雄容疑者(49)は、離婚後の悩みなどからアルコール依存状態にあったとみられている。母親が「健康を害するほど飲んでいる。入院させられないか」と上司に相談。上司は今年6月に自宅を訪問するなどして入院も勧めたが、本人は応じなかったという。
このため、県警は従来より踏み込んで、一定の基準でアルコール依存状態にある職員を把握し、入院などを強く指導する考えだ。今後、プロジェクトチームで具体的な再発防止策をまとめる。
◇ ◇
一方、再発防止策についてNPOアスク(アルコール薬物問題全国市民協会)は「今回の事件は飲酒運転がモラルだけでは防げず、病気と受け止めて対応する必要があることを示した」と指摘する。そのためにはまず「飲酒への正しい知識の普及が必要」と訴える。
同協会は職業ドライバーなどを対象にした講座で「寝酒の落とし穴」などを取り上げる。寝付きが悪いため飲酒に頼ると睡眠のパターンが崩れ、肝臓にも負担が掛かる。逆に睡眠不足となり、更に酒量が増える悪循環に陥り、依存症の原因になると説く。
同協会は、企業などで適切な飲酒指導ができるインストラクターの養成にも力を入れている。関心は高く、昨年の養成講座は200人以上が受講。今年は倍の440人余りに上り、沖縄県警からも十数人が受講しているという。
〔福岡都市圏版〕
9月4日朝刊
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再発防止策検討のため、3日開いた緊急の副署長検討会で田中法昌本部長が明らかにした。田中本部長は「飲酒運転による事故は殺人にも匹敵するというのが国民の認識」と指摘。県警も同様の認識であることを県民に見える形で示す必要があるとして、「25日」の活動方針を示した。
具体的には、飲酒運転取り締まりや撲滅キャンペーンを想定。田中本部長は「単に反省するだけなく、県民の安全にもつなげたい」と述べた。飲酒に注意を要する職員を把握し、入院・治療を強く勧めるなどプライベートに踏み込んだ対策を進める考えも示した。
飲酒ひき逃げ容疑事件で逮捕された小倉南署地域1課巡査部長の古賀達雄容疑者(49)は、離婚後の悩みなどからアルコール依存状態にあったとみられている。母親が「健康を害するほど飲んでいる。入院させられないか」と上司に相談。上司は今年6月に自宅を訪問するなどして入院も勧めたが、本人は応じなかったという。
このため、県警は従来より踏み込んで、一定の基準でアルコール依存状態にある職員を把握し、入院などを強く指導する考えだ。今後、プロジェクトチームで具体的な再発防止策をまとめる。
◇ ◇
一方、再発防止策についてNPOアスク(アルコール薬物問題全国市民協会)は「今回の事件は飲酒運転がモラルだけでは防げず、病気と受け止めて対応する必要があることを示した」と指摘する。そのためにはまず「飲酒への正しい知識の普及が必要」と訴える。
同協会は職業ドライバーなどを対象にした講座で「寝酒の落とし穴」などを取り上げる。寝付きが悪いため飲酒に頼ると睡眠のパターンが崩れ、肝臓にも負担が掛かる。逆に睡眠不足となり、更に酒量が増える悪循環に陥り、依存症の原因になると説く。
同協会は、企業などで適切な飲酒指導ができるインストラクターの養成にも力を入れている。関心は高く、昨年の養成講座は200人以上が受講。今年は倍の440人余りに上り、沖縄県警からも十数人が受講しているという。
〔福岡都市圏版〕
9月4日朝刊
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最終更新:9月4日16時1分
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