ここから本文です

東急などがカーシェアリングにEV 「都心生活の足」普及へ突破口

9月5日8時15分配信 フジサンケイ ビジネスアイ

 東京急行電鉄と三井物産子会社のカーシェアリング・ジャパン(東京都渋谷区)は4日、電気自動車(EV)を共同利用する国内初のカーシェアリング事業を9月末から開始すると発表した。ガソリン車と比較して1回の充電で走行できる距離が短いEVは「シティーコミューター(都市部の移動手段)」としての活用法が見込まれている。EVを使ったカーシェアリング事業の成否が今後のEV普及のカギとなりそうだ。

 東急では、JR渋谷駅前にあるホテル、オフィスなどの複合施設「セルリアンタワー」の地下駐車場に急速充電器1基を設置して、ホテル宿泊者や、周辺オフィスでの需要開拓を目指す。

 導入する富士重工業のEV「プラグイン ステラ」は、15分間で約8割の充電が可能で、その場合の走行距離は約70キロ。「都心部では十分な走行距離」(東急)としている。

 EVは走行中に二酸化炭素(CO2)を排出しないことから、都心部での活用拡大が期待されている。カーシェアリング・ジャパンでは、すでに東急沿線の駅周辺で事業を展開しており、今後も都内を中心にして事業拡大を図る。

 一方、マンション受付サービスを展開するアスク(横浜市神奈川区)も来春、EVを活用したカーシェアリングサービスを開始する。マンション施工管理のジェクト(川崎市中原区)が手がけるマンション周辺の駐車場に充電器を設置し、三菱自動車のEV「アイ・ミーブ」1台を導入する。

 インターネットや携帯電話を通じて予約するシステムで、同区内のマンション450戸の住民が共同で利用できる。アスクではカーシェアリングサービスを拡大する計画で、初年度にEVを含む150台の導入を目指している。

 また、沖縄では地元商工会議所などが旗振り役となって、EVをレンタカーとして活用する計画が持ち上がっている。沖縄県は島嶼(とうしよ)が多く、移動範囲が限られることから、充電インフラの整備が容易で、走行距離が短いなどEVが抱える問題点を解消しやすいという。

 三菱自や富士重が今年7月に発売したEVは法人や自治体向けが中心で、個人が利用する機会はまだ少ない。個人利用が可能なカーシェアリングやレンタカーにEVを導入する動きが広がることで、今後のEV普及に向けた後押しにもつながりそうだ。(川上朝栄)

【関連記事】
米でプリウス輸入差し止めのピンチ?
GM、フォートが新車 デザイン重視で主婦狙い
カローラ国内販売苦戦 海外で「往年の名車」復活目指す
日産EV車「リーフ」充電に課題、改造「デロリアン」から探る
【クルマの達人】三菱自動車「アイ・ミーブ」 俊敏さを備えた「電気の走り」

最終更新:9月5日10時0分

フジサンケイ ビジネスアイ

 

主なニュースサイトで カーシェアリング の記事を読む

ブログパーツ

経済トピックス

主要メディア6紙の過去記事2年分を瞬時に検索。
全国紙の社説を比較する毎日新聞の企画「社説ウオッチング」。産経新聞の「社説検証」とあわせてチェック(本文有料)。