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トーク21

8月30日

大切な人と人との結びつき!

演歌歌手 ジェロさん
夢を紡いだ「一期一会」

創価学会音楽隊長 村田輝昭さん
報恩感謝こそ前進の力


 今回の「トーク21」は、世代を超えて大人気の演歌歌手ジェロさんの登場です。民音主催のファーストコンサート「一期一会」に全力投球中のジェロさん。勇壮な音楽で勇気と希望を全国に送り続けている、音楽隊長の村田輝昭さんとの語らいで、家族との思い出、演歌への思いなどが話題になりました。「人と人との結びつき」「家族との絆」の大切さを再確認する、心温まるトークを味わってください。

音楽は心を伝えつなげていく
 村田 ジェロさんの活躍は、日本の演歌界にとって大きな革命です。若者が演歌を聴いていると「珍しいですね」と言われることが多かったのですが、今や時代のトレンドと言われるほどになっています。
 ジェロ ありがとうございます。より多くの人に演歌の魅力を感じてもらいたい。それが僕の強い願いです。演歌というジャンルで線引きせずに、“歌の奏でる世界”を楽しんでほしいですね。
 村田 実は初めてテレビでジェロさんを見た時は「えっ」と思ったんです。ストリート風のいでたちでアメリカ育ちの人が、いきなり演歌ですから――(笑い)。しかしそのスタイルが、若い人たちを引きつけているのでしょう。音楽の中でも、なぜ演歌なのでしょう?
 ジェロ 祖母が日本人で、祖母の家では、いつも演歌が流れていました。小学校に入る前から、祖母が持っていたレコードやカセットテープ、日本のテレビ番組を、母も含め3人で一緒に見て聞いて、自然に歌い始めました。
 村田 日常使っていたのは英語ですよね。
 ジェロ 実は高校生の時に日本語を勉強するようになって、初めて意味が分かるようになったんです。
 でも、言葉が分からなくても何かを感じられる演歌は、すごい音楽だと思っていました。体全体で、気持ちを伝えようとの思いで熱唱する姿に、深く胸打たれていました。
 村田 演歌はもともと、言論の自由を奪う政治権力に対する批判や風刺といった、“大衆の叫び”を歌にした演説歌が由来であるという説があります。
 一緒に歌うことで心を一つにしていく力をもつ音楽に、皆の思いを託したのでしょう。
 次元は異なりますが、私たちも、多くの場面で一緒に歌を歌い励まし合っています。
 ジェロ 心を伝えていく、心をつないでいく……。自分の道のりは、まさにその通りでした。

「やってみないと分からない」
 村田 演歌歌手を目指すに当たって、将来への不安はなかったですか。
 ジェロ 関西の大学に留学してから、日本でやっていこうと気持ちを固めたのですが、やはり最初は「無理かもしれない」という気持ちもありました。
 しかしすぐに、「やってみないと分からない」と思い直しました。良い出会いがあれば、必ず夢につながると信じていました。
 村田 今回のコンサートツアーのタイトル「一期一会」は、ご自身で付けられたとか。
 ジェロ 日本に来て、いろんな人に出会って。その出会いが全部、良い方向につながりました。
 「一期一会」という言葉は、留学中に知りました。この言葉にうまく対応する英語は見つからない。僕自身、人との出会いを大切にしたいと思っていたので、ずっと大事にしてきた言葉です。「ファースト(一番目の)」の意味も「一」の字に掛けました。
 村田 自分を育んでくれたいろんな人との絆。出会いが生み出す絆って、本当に大事ですよね。
 ジェロ 絆にまさるものはないと、強く感じる日々です。その絆を与えてくれたすべての人への感謝が伝わるように、歌っていきたいと願っています。

祖母・母がいて今の自分がいる
 村田 昨年のNHK紅白歌合戦では、衣装に亡きおばあさまのお顔がプリントされていたのが印象的でした。
 ジェロ 紅白歌合戦に出るのは家族の夢でした。来日した母も、そして祖母も、家族一緒になって歌いたかったんです。
 母や祖母がいてくれて、今の自分がいる。夢がかなった。感謝してもしきれるものではありません。
 村田 「晴れ舞台」という曲にある、母にあてた「おいらの姿 見せてやりたい」という歌詞が印象に残っています。「家族のために」「人のために」という信念、バックボーンがあるから、ジェロさんの歌は心に響いてくるのですね。
 ジェロ 母は大変な思いをしながら、僕を育ててくれた。本当に強い人です。今、この世界に一緒にいられることが、本当に幸せです。苦労した母への感謝を胸に、歌手として頑張って、親孝行をしていきたい。
 村田 民音創立者の池田名誉会長も「お父さん、お母さんを大切に」「親孝行するんだよ」と、常々教えてくださるんです。
 仏法にも「報恩感謝」――恩に対して感謝し報いていく生き方こそ、人間の正しい道と説かれています。ジェロさんの生き方そのものではないでしょうか。
 ジェロ ありがとうございます。時間を割いてコンサートに足を運んでくださる人に感謝し、絶対満足していただく。そういう歌を届けたいと思います。期待していてください。
    ◇ 
 ●ファーストコンサート「一期一会」は12月2日(水)まで全国で。詳細は各地の民音センター、またはホームページhttp://www.min-on.or.jp/まで。
プロフィール
 ジェロ r1981年、アメリカ・ピッツバーグ生まれ。日本人である祖母とハーフである母の影響で演歌を知る。大学卒業後、日本でアマチュア音楽活動を開始。2008年にシングル「海雪」で演歌歌手としてデビュー。NHK紅白歌合戦への出場を果たし、第50回レコード大賞最優秀新人賞も獲得。ニューシングル「爪跡」が好評発売中。

 むらた・てるあき 1973年生まれ。東京都練馬区出身。音楽隊長。東京<23区>学生部書記長、練馬総区男子部長などを歴任。全国主任部長。創価高校在学中に、たゆまぬ激励を続ける創立者の姿を胸に刻む。「勝つことこそ音楽隊の使命であり、報恩の誠」と同志の激励に奔走。誠実な人柄に信頼も厚い。74年入会。学会本部勤務。青年部教学資格1級。
ジェロさん
村田さん
ハービー・ハンコック氏から寄贈されたピアノの前で語らう(東京・信濃町の民音文化センターで)
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