2009年9月7日5時11分
芋煮の汁だけが残る直径6メートルの大鍋=6日、山形市。小宮路勝撮影
芋煮が無くなり、払い戻しの列に並ぶ人たち=6日、山形市。小宮路勝撮影
会場に置かれたアルコール液で手を消毒する人の姿も目立った=山形市馬見ケ崎
21回目を迎えた「日本一の芋煮会フェスティバル」が6日、山形市の馬見ケ崎河川敷であった。青空の下、あちこちで家族連れが芋煮をほおばった。だが、主催者のミスで最後に芋煮が足りなくなる事態が発生。何時間も待った末に、芋煮を味わえなかった来場者も多くいた。
今年は直径6メートルの大鍋で「内陸風しょうゆ」約3万食、3メートルの中鍋で「庄内風みそ」約5千食を用意した。主催する「日本一の芋煮会フェスティバル協議会」によると、来場者は約20万人で過去最多。自宅から持ってきた鍋に数人分の芋煮をよそってもらう人も多かった。東北を旅行中の神奈川県の農業芳野克男さん(60)は「河原で食べるというのがまたいいね。今日は天気もいいし、よりうまく感じるね」と満足そう。
途中までは例年通りの楽しい芋煮会だったが、最後にトラブルが発生。芋煮が足りなくなったのだ。午後2時25分。芋煮の配布中止を知らせる放送が流れた。日差しが照りつけるなか、待ち続けた約2千人からどよめきが起きた。主催者側は「機械の故障」と説明したが、実は「具がなくなった」。すでに大鍋の中は汁だけで、最後は芋煮の代わりに、残った汁だけ無料で配られた。
芋煮が足りなくなった理由について、同協議会は「(1杯300円の)券を予定の3万食分より多く販売したか、1杯の盛る量が多すぎた可能性がある」としている。
中止決定後、本部前には払い戻しを求める来場者が列をつくった。友人と3人で仙台から来た会社員の男性(35)は「明確な説明がなかった。具がなくなったのなら、きちんと伝えてほしかった」と不満げ。宮城県から妻と訪れた男性(35)は「せっかく来たのに残念。来年は気を付けてほしい」と言って帰った。