ハラレ(CNN) アフリカ南部、ジンバブエの矯正施設行政当局者は3日、ムガベ同国大統領が先月、刑務所の服役者1544人に恩赦を与え、釈放する決定を下したと述べた。刑務所の過剰収容を緩和させる苦肉の策だが、同国はムガベ政権の失政で未曾有の経済苦境に直面、犯罪発生も頻発しており、今回の釈放が刑務所の混雑解消につながるのかは不透明。
同国司法省によると、釈放の対象は女性と少年少女の服役者。性的暴行、車強奪、武装強盗や殺人などの重罪の収監者は除外される。
ジンバブエには42カ所に刑務所などがあり、適正とされる収容者数は約1万3000人だが、実際には1万7000人が詰め込まれている。超高率のインフレ、深刻な食料不足など経済破たん状態に襲われる中で、受刑者への食料や衣服配給、ベッドやトイレの整備もままならない状態だという。刑務所によっては、水道料金が払えず、供給が停止され、伝染病まん延の危険に直面しているところもあるという。