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「鳩山ブランド」で進展狙う=北方領土解決に意欲−対ロ外交

9月6日14時8分配信 時事通信

 次期首相に就く民主党の鳩山由紀夫代表はロシアとの関係強化を外交の重要課題の一つに据えている。1956年にソ連との国交回復を果たした鳩山一郎元首相の孫に当たるというブランド力を最大限に生かし、日ロ間のトゲとなっている北方領土問題を進展させたい考えだ。
 「鳩山という名前はロシアでかなり知られており、(日ロ関係が)前向きな方向に進むのを期待している」−。鳩山氏は3日のベールイ駐日ロシア大使との会談後、記者団にこう語り、領土問題を含む懸案解決に強い意欲を示した。
 民間友好団体「日ロ協会」の会長も務める親ロ派の鳩山氏はこれまで、北方4島の主権が日本にあると確認されれば、返還の時期や方法は柔軟に対応すべきだとの立場を表明。2005年の訪ロ時に4島返還までの過渡的な「共同統治」の検討に言及したほか、祖父一郎氏が署名した56年の日ソ共同宣言で引き渡しが定められた歯舞、色丹2島の先行返還に前向きな姿勢を示したこともある。「鳩山政権」は柔軟姿勢でロシア側の譲歩を引き出すことを目指すとみられるが、歴代政権が試行錯誤を繰り返した領土問題は「そう簡単には動かない」(外務省首脳)との見方が支配的。また、北方4島を「わが国固有の領土」と明記した改正北方領土問題等解決促進特措法の成立や麻生太郎首相の「不法占拠」発言などをめぐり、日ロ間にはしこりが残っている。
 鳩山氏は国連総会出席などで9月下旬に訪米する際にロシアのメドべージェフ大統領と会談する見通しで、領土問題の仕切り直しに向けて、まずは首脳間の信頼関係を構築することが当面の課題だ。一方、面積では全体の1割にも満たない歯舞、色丹の2島返還で幕引きにならないかとの懸念は国内で根強く、新政権の交渉力が今後問われそうだ。 

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最終更新:9月6日14時10分

時事通信

 

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