弟の敵討ちや!興毅、打倒内藤へ弾みのKO
4回、ウンベルト・プール(右)を攻める亀田興毅
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プロボクシングWBA世界フライ級1位・亀田興毅(22=亀田)が、世界前哨戦を5回KO勝利で制し、大一番に弾みをつけた。5日、東京・ディファ有明で51・5キロ契約10回戦が行われ、ウンベルト・プール(34=メキシコ)のボディーを攻め、5回に計3度のダウンを奪い2分29秒KO勝ち。11月に都内で対戦することで合意しているWBC世界フライ級王者・内藤大助(35=宮田)は来場しなかったが、勝利宣言した。
あっけない幕切れだった。中盤の5回、興毅がギアを上げる。左ボディーアッパーで最初のダウンを奪うと、2度目は顔面への左フック。最後は連打の圧力で、プールを押しつぶすように、KO勝ちとなる3度目のダウンを奪った。
「落ち着いて踏ん張ってできた。調整は今までで一番うまくいったし、良い風が吹いとるな」。そう気分良く亀田節を響かせた。
11月に控えるWBC王者・内藤戦に向けた最終テスト。戦前には「いろいろ試したいことがある」と話し、リングに上がった。序盤は相手と距離を取り右ジャブを繰り出すアウトボクシング。わざとロープを背負いカウンターを狙う場面もあった。そして勝負どころと見るや、一気に距離を詰めて敵を仕留めた。
結局、「じっくり研究しなさい」と来場を呼びかけた内藤は、最後まで姿を見せなかった。それでも標的はただ一人。「大毅が負けてるしな。兄貴として負けられへん。突破してきた道に現れた敵は叩きつぶすだけや」。07年10月には弟・大毅が内藤に挑戦したものの、悪質な反則を連発し敗れている。セコンドの興毅も反則を指示した疑いで厳しい非難にさらされた。それ以来、封印してきたビッグマウスとパフォーマンスを復活させ、内藤戦にすべてをぶつける。
試合後にはリング上で「もし大毅と2人、世界王者になったら、また(オヤジが)セコンドに復帰できるように、ボクシングコミッションの方よろしくお願いします」と3兄弟の父・史郎氏(44)の復権を訴えた。悩み苦しんだ2年の月日を清算するため、「やっぱり(内藤とは)やる運命にあったんや」と語る遺恨マッチに不退転の決意で臨む。
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