８月１１日に東京の民主党事務所で開かれた鳩山由紀夫代表の記者会見場。鳩山代表は靖国神社参拝問題について「私は参拝する考えはなく、閣僚にも自粛するよう要請する」と述べた。日本の植民地支配と侵略を謝罪した１９９５年の「村山談話」を継承する立場を表明したのだ。
翌日には代替追悼施設の建設計画まで持ち出した。鳩山代表は「靖国神社はＡ級戦犯が合祀され、天皇も参拝していない」とし「特定の宗教に偏らず誰でも負担なく戦没者を追悼できる施設をつくる」と明らかにした。
鳩山代表の発言は民主党政権の歴史認識をよく表している。小泉純一郎元首相が在任中、毎年１回ずつ靖国神社を参拝し、一部の閣僚が絶えず妄言を吐いてきた自民党政権とはスタートラインから違う。
まず鳩山代表と小沢一郎代表代行、岡田克也幹事長ら党指導部が韓国に友好的だ。鳩山代表は６月５日の代表就任後、最初の訪問地に韓国を選び、李明博（イ・ミョンバク）大統領に「過去の侵略行為と植民社会を美化する風潮が一部あるが、私たちはこういう立場ではない。私たちは過去の歴史を直視する勇気がある」と述べた。
小沢代表代行は自由党党首だった９９年、韓国を訪問し、日本の閣僚級要人では初めて金九（キム・グ）先生など独立志士が祭られた孝昌（ヒョチャン）公園義烈祠を参拝した。
民主党内の保守陣営の抵抗も少ないほうだ。山口二郎・日本政治学会理事長は「民主党内にも保守・右翼の声があるが、組織的な力は発揮していない」とし「自民党時代に比べて信頼を基礎にした韓日関係が成立するだろう」と展望した。
マニフェスト（政権公約）には「国会図書館に恒久平和調査局という組織を設置し、軍隊慰安婦問題など戦後問題を処理していく」という内容が含まれている。日米同盟を基礎にアジアを重視するという民主党の外交路線も韓日関係にプラスだ。民主党は外国人の地方参政権にも積極的な立場だ。
しかし民主党政権の発足で過去の問題が解決されると期待するのは誤算だ。まず独島（ドクト、日本名・竹島）領有権について、民主党は日本に領土主権があることを明確にしている。どの国も領土問題については与野党の理念を越えて同じ声を出すものだ。靖国代替追悼施設の建設のための調査費用も先月３１日に上程された来年度予算案に含まれなかった。
またすぐにも文部科学省の高校歴史教科書検証が試験台となる。最近、各地方自治体の右翼教科書採択が増えている中、過去の日帝侵略を美化してきた団体の「新しい歴史教科書をつくる会」（つくる会）主導の扶桑社・自由社版高校歴史教科書が政府の検証を通過する場合、また葛藤が生じる。
韓国大使館のある関係者は「民主党政権が文部科学省の教科書検証までいちいち反対し始めた場合、自民党など保守派の攻撃に直面することになる」とし「拉致問題などで対北朝鮮強硬論が圧倒的に優勢な状況で、民主党は保守陣営を刺激するような政策は後回しにして、景気の浮揚と政治構造改革・外交安保問題から取り組む可能性が高い」と予想した。
田中明彦東京大学教授は「靖国神社代替施設の建設や外国人の地方参政権問題など韓国が期待する政策の議論は来年の参院選後になるだろう」と述べた。来年の参院選でも民主党が勝利し、政権運営が安定するまでは、論争を招く懸案を無理に取り出すことはない、ということだ。
朴喆熙（パク・チョルヒ）ソウル大国際大学院教授は「民主党政権が韓国に友好的であるだけに、われわれは時間をかけて待つ必要がある。当面は韓日併合１００年となる来年に備えたメッセージをお互い伝えることが重要だ」と述べた。
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