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【社会】

時を分かたず 破天荒 正しく理解 10%台 『言葉』より『察し合い』増加 文化庁国語調査

2009年9月5日 朝刊

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 「時を分かたず」や「破天荒」の意味を誤って理解している人が六割以上に上ることが四日、文化庁の二〇〇八年度の国語世論調査で分かった。「采配(さいはい)を振る」を誤って「振るう」とした人も、58・4%に上った。

 調査は今年三月、全国の十六歳以上の三千四百八十人を対象に面接方式で行い、千九百五十四人が回答した。

 「時を分かたず」では、正しい意味の「いつも」を選んだ人は14・1%。年代別だと六十歳以上が12・2%と最低で、十代が19・4%と最も高い“逆転現象”がみられた。世代間で差が出た言葉は「敷居が高い」で、五十代は58・4%が正しく答えたが、二十代は13・9%にとどまった。

 「日本語を大切にしている」と答えた人は76・7%に上った。だが「ら抜き言葉」の「来れる」を、言葉の乱れではなく変化と考える人は41・0%、謙譲語と尊敬語を混同した「申される」も同様の人が25・3%いるなどちぐはぐな面も。同庁は「日本語を大切にする人が増えたのは本やテレビの日本語ブームの影響があるが、どう大切にしているか分からない」とした。

 パソコンや携帯電話などの情報機器が言葉や言葉遣いに影響を及ぼすと考える人は約八割で、「漢字が書けなくなる」(59・7%)、「言葉の意味やニュアンスが変わる」(42・2%)が挙がった。

 一方、他人とのコミュニケーションで重視する点として「察し合って心を通わせる」を選んだ人は一九九九年度の調査より10・3ポイント増えた半面、「言葉にして伝え合う」は12・4ポイント減少した。同庁は「KY(空気読めない)を疎む社会を反映している」とみている。

 

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