スパイクのあと大声を出す浅尾美和=岡山・渋川海水浴場
「ビーチバレー国内ツアー最終戦・岡山オープン、第1日」(4日、岡山県玉野市渋川海岸)
2回戦から登場した浅尾美和(23)、西堀健実(28)組=ともにエスワン=は、小泉栄子(35)、周藤玲美(22)組=ともにフリー=と対戦し、2-0でストレート勝ちした。4、5位と敗れたここ2戦の不調ぶりを吹っ切るような戦いで、5日の3回戦に駒を進めた。また、浦田聖子(MDI)、楠原千秋(フリー)組も2-0で勝利し、順当に3回戦に進出した。
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瀬戸内海の絶景をバックに、久々に浅尾の笑顔がはじけた。開始早々、こん身のスパイクを決め「イエ〜イ」という雄叫びとともに一気に波に乗ると、要所では西堀のブロックがさく裂。相手に流れを渡すことなく完勝し、表彰台にも上がれなかった、ここ2戦の嫌〜な流れを断ち切った。
今大会は絶対に勝ちたい理由がある。昨年の岡山大会は、妹の美紀さんが交通事故で亡くなったため急きょ出場を取りやめた。5日は美紀さんの命日、そして母・恵美さんの誕生日でもある。エスワンの曽根康浩社長は「胸に秘めたものはある。捧げるというよりも、みんなを笑顔にしたいっていう気持ちがあるんじゃないかな」と、浅尾の胸中を明かした。
3回戦の相手は現在3連敗中の草野、尾崎組。それでも「調子はすごくいい。まず明日ですね」と、瞳には揺るぎない自信が浮かんだ。悲願のツアー初優勝へ、今季のラストチャンス。このタイトルだけは絶対に譲らない。