陸上自衛隊員の情報流出事件で、逮捕された自衛隊鹿児島地方協力本部の1等陸尉、徳永安成容疑者(46)が警務隊の調べに「昨年7月下旬に暗号化ソフトを外し、隊員の個人情報をCD-Rに複製して不動産業者に郵送した」などと供述していることが分かった。防衛省が1日、明らかにした。
防衛省では、ファイル交換ソフトによる情報漏えい事件が繰り返されたため、業務関係のデータを外部に持ち出そうとすると、強制的に暗号化されるソフトを07年7月末までに全業務用パソコンに導入している。
同省によると、徳永1尉が暗号化ソフトを外して複製したのは、隊員の心情把握や募集に活用される「出身地カード」記載の情報。隊員の氏名、生年月日、電話番号、出身校のほか、親などの名前や連絡先、子供の年齢や学校名まで記載され、陸自だけが06年4月から電子化していた。情報は定期的に各都道府県の地方協力本部に送られ、鹿児島市内の募集案内所長の徳永1尉もデータを閲覧できる権限を持っていた。
徳永1尉は動機について「住宅ローンがあった」などと話しているという。【本多健】
毎日新聞 2009年9月1日 21時48分(最終更新 9月1日 21時53分)