MENU

RANKING

モバZAKのご案内

iモード、EZweb、Yahoo!ケータイで大好評配信中

社会ホーム > 社会 > 記事詳細

  • イザ!ブックマーク
  • はてなブックマーク
  • livedoorクリップ
  • Yahoo!ブックマークに登録
  • ブックマークに追加する

「小沢レディース」躍進なるか…女性候補“当落予想”

小泉戦術そっくり?

 自民、民主両党が激突する次期総選挙で見逃せないのが女性候補の泣き笑い。選挙分析で定評のある政治広報システム研究所の久保田正志代表の予測では、民主党の小沢一郎代表代行が手塩にかけて面倒をみる「小沢系女性候補」が大躍進。その手法は小泉純一郎元首相が2005年の郵政選挙で仕掛けた「女性刺客」擁立戦術にそっくりなのだ。小泉氏顔負けの「小沢劇場」は幕を開けるのか−。

 選挙情勢リストは、久保田氏がそれぞれの小選挙区について過去のデータや世論調査、最新の選挙区情勢などを加味し、独自に予測したものだ。小選挙区か比例単独なのか対応が決まっていない女性衆院議員は加えていない。

 今回は92選挙区に110人の女性候補が立候補する予定だ。このうち自民24人(新人3人)、民主29人(同18人)の計53人を対象に、対立候補に対して優勢が「当選有力」、接戦でややリードは「善戦」、接戦であと一歩は「苦戦」、劣勢は「大苦戦」−といった具合で分析した。

 久保田氏が注目するのが民主新人の小沢系女性候補18人、いわば「小沢レディース」で、このうち7人が「善戦」だ。特に、自民党の元防衛相、久間章生氏に挑む薬害肝炎訴訟原告の福田衣里子氏(28)は、小沢氏が口説き落とし出馬を促した経緯があるだけに、「負けられない重点区の一つ」(小沢氏)だ。久保田氏はこう解説する。

 「福田氏は肝炎のヒロインとして知名度、人気ともに抜群。小沢氏はメディアに注目される選挙区と踏んで、自らの秘書軍団を送り込み、話し方や服装の指導など娘のように手をかけている。まさに小沢事務所プロデュースで、参院選の『姫のトラ退治』に次ぐ『クマ(久間)退治』だ」

【自民「小泉チルドレン」ら12人「大苦戦」】

 塩崎恭久元官房長官のおひざ元に出馬する元アナウンサー、永江孝子氏(48)も善戦で、「こちらも知名度抜群。前回の郵政選挙で自民党候補に流れた無党派層の票が一気に回帰してくるだろう」と分析する。

 元検事の山尾志桜里氏(34)も、民主王国「愛知」の地盤に支えられ、「有利な展開だ」。NGOピースボート前事務局長で「辻元清美2世」といわれる櫛渕万里氏(41)についても、「無党派層から支持が高く波乱がありそうだ」と語る。

 「苦戦」と分析している元山口県副知事、大泉博子氏(59)は落下傘候補だが、県内全選挙区で民主党候補推薦を決めた茨城県医師連盟が「(茨城6区を)民主支援の象徴区と位置づけており、かなり肉薄する」とみる。

 民主が人気や知名度の高い女性候補を擁立していることについて、久保田氏は「2005年の郵政選挙で小泉元首相が女性候補を有効活用し、26人全員が当選した擁立作戦を、今度は小沢氏がマネをしている」と指摘する。

 ただ、森喜朗元首相、谷垣禎一元財務相、安倍晋三元首相ら自民党有力議員の選挙区では軒並み「大苦戦」だ。福島2区にくら替えした太田和美氏(29)も「本来は短期決戦が得意だが、衆院解散が先送りされ続け、厳しい」とみる。

 対する自民党の女性候補はどうか。

 郵政選挙の勢いは期待薄だが、野田聖子消費者担当相(48)や小渕優子少子化担当相(35)らベテラン組は「当選有力」。小泉元首相がかつて「刺客」第1号として擁立した小池百合子氏(56)もその一人。ここは民主が擁立した「逆刺客」の前東大准教授、江端貴子氏(49)との女性対決だが、「小池氏は自民支持の7割、公明支持の9割、それに無党派の半分から支持を得ており、誰が対抗馬に出ても厳しい」と語る。

 一方、郵政選挙で大量当選した片山さつき氏(50)ら小泉チルドレンを中心に12人が「大苦戦」。政権交代を掲げる民主党の勢いをはね返すのは厳しい情勢だが、逆風下でも佐藤ゆかり(47)、稲田朋美(50)の両氏は「善戦」だ。

 現時点では自民党議席の大幅減は避けられない情勢だが、選挙戦は終盤まで分からない。久保田氏も「麻生首相はまだ、明確な争点設定やメッセージを出せていないが、民主も政治とカネの問題や郵便不正で失点するとまた潮目が変わる。両党ともに決定打がないのが現状だ」と指摘している。

ZAKZAK 2009/06/11

藤川ゆり

社会ニュース

もっと見る